2017 . 2 . 15

可愛い?。綺麗?。知性的?。目の窓は広い方が視界も広い。未来も拡がる。

若年者の黒目整形は楽しいです。結果がきれいですし、可愛さアップだけでなくイメージを汲み取ってのデザイン調整が功を奏するからです。今回知性的でキリッとした雰囲気を作り出せました。

まずは画像をご覧下さい。

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症例は22歳、女性。先天性奥二重。3年前他院で埋没法。ソフトC.L.を1年間装用した。埋没したら右の下垂が露見したとのこと。肩凝り、頭痛も生じてきて眼瞼下垂症を疑う。LF14mmと正常範囲だが、MRDは2.5㎜と落ちている。眼裂横径25mm、内眼角間33m、角膜中心間57mm。蒙古襞の被さりは多くないが、拘縮は強く、前回は平行のラインにデザインされているが、埋没では緩んだし、目頭付近の引き込みが消えた。フェニレフリンテストではよく開く。

軽度の後天性腱膜性眼瞼下垂症は呈している。埋没法ではこのラインは外れ易い。蒙古襞の拘縮が邪魔をしているため、ぼやけたラインになる。吊り目でキツい印象も呈する。前頭筋の収縮が常時あり、眠そうな生命力がない様に感じさせる。現在大学生で時間を作れるので、眼瞼下垂症手術切開法と蒙古襞の除去を同時にする予定が作れました。

今回はデザインの手順を説明します。ラインは前回の`平行`のラインで7mm弱とし、しわを作りながら眼球のカーブに沿わせます。切除は最低限の2mmを目頭から目尻まで同幅で引きます。この場合平行型のラインの延長線上に、蒙古襞に平行に襞の下の付け根から4㎜の縦辺を引き、60度のZ型を一辺4㎜で書きます。上下の切開線を目頭のZの上辺で蓋をする様に止めます。目尻より外のデザインはしわに沿ってすぼめていきます。下の画像がデザイン直後の開閉像です。

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この様に、手術はデザインが結果の65%を左右します。元々目を大きくしたかった訳ですが諸々の事情から難しかった様です。一つには切開する時間が取れなかったのでしょう。目頭切開を同時に連続してデザインする技術を持つ医師も少ないのです。次に費用ですが、一目見て眼瞼下垂症であると診断出来る医師は多くありません。更に多くのチェーン店系美容整形屋は保険医療機関の申請を出来ないので(一般にビジネス系には認可が降りない。)高額です。

もっと大事な事は、形成外科の素養が無くては目頭切開手術はするべきではありません。Z−形成術は皮弁形成術の一種です。ここでは敢えて専門的な話しを述べる事をお許しください。皮弁とは、皮膚を血行を保ったまま移動する方法です。血行を保つ為には皮弁を起こす(一部を付けたまま持ち上げる事)際に深さ、デザイン、血管の走行を知らなければなりません。私達形成外科医は、大病院で診療していました。外傷で切断された指の、直径1㎜以下の血管を繋いで戻す際には顕微鏡下に手術に精通していなければ出来ません。癌で切除した体表の組織やや剥奪外傷を再建する為に多種の皮弁を駆使する機械も多かったのです。今でも大き目の皮膚腫瘍(ほくろ等)には局所皮弁形成術をお奨めしています。他科の医師には出来ない技です。Z−形成術は幾何学的な計算に基づいた理論を学ばなければその意味さえも解りません。蒙古襞が突っ張ってきれいな形が作れないから、Z−形成術が適するるかどうかも経験がなければ知り得ません。私はこのように細かい創が目立たない手術を何百例もの経験で自由自在に駆使出来ます。患者さんはこちらで手術してよかったですね。

また、眼瞼の手術のうち埋没法の重瞼術は簡単で、チェーン店でも見て覚えられますが、オートメーションで丁寧ではありませんから、術後経過(腫脹や内出血)が長いのです。それに切開法は解剖学的知識を要するので経験がものを言います。切開法で自然な眼瞼を作る為には解剖と生理機能の知識が必要ですが、チェーン店では教えられません。形成外科医は顔面の解剖と生理に精通しています。対して、騙されてチェーン店で切開法をして、不自然な形態や医原性眼瞼下垂を生じた患者さんが困って来院されます。切開法は形成外科の研鑽を積んだ美容形成外科で受けましょう。

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本症例の患者さんは、美容形成外科的知識を自ら備えていて、初診診察時にも検査を進めて手術プランを提示したら、すぐに理解していただけました。したがってデザインもスムースに決められ、素敵な形態が予想されました。手術中も落ち着いていらっしゃっていて、怖がったり力んだり息んだりしませんでした。そうなれば術中の出血も少ないため、強化した眼瞼挙筋の働きも術直後にちゃんと出ます。画像でも開瞼量が充分に得られているのが見られます。要するにパッチリクッキリにできました。皆さんの中にはこんなに目力が入っていいのかとも思われる方もいらっしゃるでしょう。でも本症例患者さんには似合うと思います。眉が挙がらなくなり知的雰囲気が醸し出されると思います。キリッとした美人の要素の一つです。

日本人には一重瞼が半数して目が小さい。でも半数は二重瞼で目が小さくない人も多い訳です。目が大きい方が視界が広い。視界が広い方が情報が多く入る。情報は知性を育てます。知的な人で目が大きい人が多いのはその為です。少なくとも小さくて(細くて)暗い人は陰険に見えます。目が大きい人は明るく、聡明に見えます。本症例患者さんはその点で社会性からも似合う事間違いないと思います。そして彼女の未来は明るいでしょう。

もちろん経過を見ないと皆さんもお解りにならないでしょう。次週をお楽しみに。