2017 . 6 . 8

一重瞼に伴う眼瞼下垂症と横径が小さいのは眼裂狭小症。この様に治すと魅せられます。

このブログでは、術前から定期的に経過を追って画像を載せて、毎回説明を加えていきます。通常術後3ヶ月までを追います。本症例はそれにしても激しい経過でした。読者の皆さんもどうなる事かと、あたかもテレビドラマを見る様にワクワクしていたでしょう。それというのも、症例の術前が形態的にも機能的にも標準位から離れている変異だったからでしょう。今回術後三ヶ月の中期的結果を提示すれば、アア〜よかったですね!と言う声が聴こえて来ます。

症例は一目で見て眼瞼下垂症を指摘出来る患者さんです。機能的障害も伴います。上方の視界不良は身体機能の障害です。改善可能な障害を治した方がいいと医療的に診断し治療するのは、社会的に受け入れやすくすることを目的としています。ちなみに私は、家族にもできる治療を患者さんに施すのをモットーとしています。

眼瞼の開瞼が低下しているだけでなく、黒目の内側が隠れる程に横径が小さい状態は、眼瞼狭小症;Blephrophimosis と診断されます。本症例はギリギリ黒目の内側が出ているのですが、機能的には視界不良です。障害かどうかは数字的な差異で、正常範囲か異常値かは別として、本症例では眼裂横径とMRD(角膜の中心から上瞼縁の距離)は低値であるのは確かです。

先ずは症例の術前術直後の画像を提示します。

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術後6週間経過したら良くできました。そして三ヶ月での中期的結果です。OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

症例は18歳、女性。先天性前後葉性眼瞼下垂症。眼裂横径22㎜、内眼角間距離36㎜、角膜中心間距離58㎜と、眼裂横径が正常下限値で眼球そのものは離れていない正常値。LF;挙筋筋力(滑動距離)10㎜だが、眼裂横径(25mmが標準)との比率からは正常範囲。前頭筋は常時収縮している。目が線の形態。この写真でも判る様に角膜の上半分が隠れ、内側の白目がほとんど見えない先天性疾患ギリギリの数字です。

形態的にも機能的にも改善が求められます。手術の絶対適応です。シミュレーションでデザインを決めます。重瞼は狭く末広型の最高位である6㎜にラインとし、切除3mmとします。蒙古襞の被さりと拘縮に対して4mmのZー形成法が必要です。

左上から順に、術前とデザインと術直後と術後1週間と3週間と三ヶ月の画像を並べます。

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よく出来ました。術前の写真やデザインの写真は寄り目に見られ、しかも睨みつけている様な目付きに見られます。患者さん本人(母親からも)からも術前にそのように訴えられました。そうなんです。眼瞼狭小症は目が隠れていて細い、しかも寄り目に見えるため視線が近くを見つめている様にまたは睨んでいる様に見えます。表情として特別な精神状態を表出している様に感じさせてしまいます。つまり社会的な機能障害を伴う事になります。良好な機能は自然な形態に宿り、あるべき形態は良好な機能を呈するという典型です。

本症例の術後経過は酷い状況でした。手術の程度が大きいからでもあります。精神的にも幼く弱かったからでもあります。術後1週間ではすごいことになっていますが、術後3週間では目立たなくなり、術後6週間後にはすっきりした感じです。目つきも自然に映っています。そして、術後3ヶ月の画像を見ると、機能的に正常化しています。本症例は腫脹と内出血が激しかったのですが、若いから治りが早かった。術後2週間後には普通に出掛けられたそうです。術後三ヶ月では目頭の創跡も見えなくなりました。

もう一度近接画像で比較してみます。術前と術後三ヶ月の右眼瞼、左眼瞼です。

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とにかく、目の開きが線からアーモンド型となり正常化しました。キリッとちゃんと目を開いてカメラを見つめています。画像を追っていくと術後開瞼が日に日に月を追う度に改善しています。これは実は、眼瞼狭小症=眼瞼下垂+眼裂横径過小の改善により、自律神経のバランスがとれたからだと思います。

眼瞼下垂状態の人は自律神経系の一方である交感神経が開瞼時に常時過剰になっています。その結果所謂切れた状態になり、目が開かなくなっているのです。 手術で眼瞼の形態と機能を改善したら、自律神経のバランスが取れて徐々に開瞼も良好化=正常化するメカニズムにあります。これまでのどの症例でも早い人と遅い人のバリエーションはありますが、開瞼が中期的に改善が診られています。もちろん他の自律神経症状である、肩こり頭痛等は多くの人が解消しています。

今回の経過画像の提示はみなさんに参考になったと思います。術後早期は激しくても、典型的月日で軽快しました。年齢や精神状態に関わらず本症例の経過を参考にしていただいていいと思います。私は「術後1週間程度はすごいこともあります。」とお伝えしています。さらに「2週間程度で社会復帰できます。」と言っています。ほぼその通りの経過でした。なお傷跡の経過は個体差が大きいのですが、見えなくなりました。

術前の形態と機能に比べてどちらが自然な状態かと言えば、術後の方が標準に近く、つまり自然な人間の形態に近いと言えます。先天性一重瞼で蒙古襞の拘縮が強いのは遺伝子異常で先天性疾患に近い状態です。一重瞼で眼瞼下垂症を発現する遺伝子には蒙古襞の被さりと拘縮を伴います。一重瞼群と二重瞼群では、眼裂横径の平均が1.5㎜違います。だから私はほとんどの症例で一辺4㎜のZ−形成術を行ないます。一辺4㎜の60度のZ−形成で三角皮弁を入れ替えると、1,5㎜開いて、3㎜皮膚が伸びるので二重瞼群に於いての適切な眼裂横径に変えられます。そのメカニズムはこれまで何度も図示して来ました。もう一回載せます。

DSCF1032DSCF1033DSCF1034DSC_0077一辺4㎜の60度のZー形成で三角皮弁をを入れ替えると計算上1.5㎜開き、3㎜伸びます。中学校で習ったピタゴラスの定理です。

 

だからいつも私は、初診時から言います。「一重瞼を二重瞼にして皮膚性眼瞼下垂を改善し、一重瞼に伴う筋性眼瞼下垂症を同時に改善するなら、蒙古襞の被さりを除去して眼裂横径を二重瞼群の標準に合わせて、拘縮を解除する方が自然な形態と機能を得られます。」そうです。自然なという言葉は、こうして医学的に使いましょう。あり得ない形にするのが不自然な治療と言います。

さすがに目頭切開を切り取り過ぎて涙湖が全部露出する程にすると、不自然な形態となります。日本人にはあり得ないサイズになるからです。だから、この5年間で6㎜以上のZ−形成は行なっていません。

もっとも偽ハーフを装うなら、不自然をご承知でご勝手にどうぞ!。もちろんその場合でも、コンセプトを立てている人に求められれば協力します。むしろ私は、その分野でも第一人者の一人ではあります。実はその面では引き出しが広く、コンセプトを汲む為の診察を丁寧に行なうから出来る事です。

ついでに二重瞼と一重瞼は構造が違う事を証明した私の医学博士論文から重要な図を抜粋して掲載します。これが医学=科学です。

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眼瞼の機能と形態を治す手術を、「セーケー!」とか言って不正義だと唱える輩は反知性主義者です。もしそのような人が周りに居たら、馬鹿にして無視して下さい。私達は医学=科学に基づいて国民国家の為に診療しています。目が小さいのは機能障害です。機能障害は国民総体能力のレベルを落とします。率先して改善を図る私は、日本国の為に日々努力しているのです。どこぞやのえせ右翼とは違いますからお間違いなく!

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最後にもう一度現在=術後3ヶ月の画像をご覧下さい。見つめられると、今や知性を感じさせる目元と感じさせられます。