2017 . 6 . 24

上口唇短縮術と口角挙上術の画像をまとめます。

最近、このブログをご覧になって来院する患者さんがひっきりなしです。特に口周りは評判です。何故好評かというと、何点か考えられます。それぞれの患者さんに私の優位性を告げられました。

私はクライテリア(診断基準)を数字的に明確にしていて、その結果が好評だから。外反度合いのプランが経験に基づく美的センスに負うので、症例提示の有用性が高い事。リスクとしては創跡と経過が長い事を正直に提示しているから。私の手術では機能的に損失は本当に無いのかという危惧を払拭出来るから。創の質は形成外科医の独壇場だと強調して来たので、信用力が高い事等をブログから読み取れるからだそうです。

ところで、各症例の比較出来るようにまとめて提示するとより解り易いとの進言を頂きました。口周りの手術は経過が長いので、追ってみていくのが大変だからだそうです。とはいってもこの2年間くらいの症例しか画像を取り出せませんので、5例のモニター症例を並べて載せます。

予め比較するべきポイントをいくつか挙げます。1、年齢は関係します。白唇長は加齢と共に長くなります。計測点は鼻柱基部~Cupidの弓の底です。2、切除量は15mmフラットを指標としますが、シミュレーションで口が閉じるかどうかで決定します。3、加齢で赤唇部は薄くなります裏返りも減少します。そこで、裏返り度は切除層で調整します。4、経時的に傷跡の経過を提示していますが、上口唇の切除量と口角は量と方向に左右されます。それに治り方にはあくまでも個体差があります。

症例1:22歳、男性です。5mmの口角挙上術を行いました。実は外鼻等の治療も同時に施行しましたので、上口唇(白唇部)切除術は併施していません。必要性も見られないし、男性ではメイクして傷跡を隠すことが出来ないので奨めませんでした。男性は傷の治りが良く、左から3枚目の約1か月の画像で傷跡は目立たなくなりました。

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症例2:20歳、女性です。口唇(白唇部)=鼻下切除術単独例です。口唇中央長20mmと長い。6mmの切除を皮下脂肪全層まで行い、赤唇はあまり裏返らせない様にしました。やはり6mm切除だと、創経過は長い。左から5枚目の約1か月半でやっと目立たなくなった。

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症例3:40歳、女性です。上口唇切除術と口角挙上術を併施しました。口唇長は15mmですが、ペタッとした白唇部と薄い赤唇部で、しかも赤唇ははみ出して書いて厚く見せている。歯槽部が前突していないのは品がいいのですが、薄い唇が貧弱陥があります。本症例がI.S.をモデルにして来ました。難しい症例でした。6mm切除のデザインして、皮下脂肪層内までの切除として少し裏返らせました。短くしてゴージャス感を出そうという策でした。口角は鼻翼基部の下まで7×7mmの台形に切除しました。メイクでカバーして撮影して頂きましたから、傷跡は3週間目にはよく判りません。表情が品がある感じです。ノーメイクでは2か月しても見えたそうです。7mm切除して緊張があるので創跡の幅がゼロになりませんでした。

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例4:26歳、女性です。上口唇切除術と口角挙上術を併施しました。口唇長は17mm。7mm切除して、間延びしたし下顔面を引き締める。裏返りは皮下脂肪層内の切除で意図しました。ご覧の様に鼻翼幅と口唇幅が短いので、口角は45度方向に8×8mm切除して大きくしました。本症例がI.S.みたいになったと評判になりました。切除幅が最大限ですから、時間が掛かります。3か月してもノーメイクでは見えます。幅がゼロにならなかった部分は再切除縫合してあげるつもりです。でも患者さんは形態的には満足され、機能障害も全くないそうです。だから、違う部位の改造に移るつもりです。

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症例5:50歳、女性です。加齢に伴い自覚的客観的に白唇が長くなったので治したい。計測すると口唇長は18mmで、4mm切除をデザイン。赤唇部も薄くなってきたので皮下脂肪層半層の切除で、裏返りも求めました。口角の下がりは気にならないとのこと。切除幅が4mmだと、術後2週間で傷跡はメイクで隠せるほどでした。

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今回症例提示した5例では、結果に満足されています。それ以前に3例のモニター症例があるのですが、画像が出せませんでした。これらの例では切除幅は5mm以下でしたから、傷跡は1か月半以内に目立たなくなっていました。

この症例提示は形成外科医の技と限界を提示しました。でも美容外科医としては形態に満足されていましたので、成功例オンリーだと言えます。口周りの手術は組み合わせになることが多く、また顔の下付近しか出ないので、モニター希望が多いのです。ですから他に典型的な症例はありませんでした。

今回の症例発表で口周りの切開手術症例をまとめました。クリニックの同僚に学会発表を薦められました。もう少し集めてからにしたいと思います。同時に症例によって経過にかなりの差があることが判りました。当然切除量が多ければ長いのですが、5例(+3例)を見比べると、上口唇も口角も切除幅5mmがキーストーンの様です。但し8例中ではm最大量切除例が一番満足されています。I.S.になっちゃったとかコメントされています。つまり、ダウンタイムがどうあれ、経過が長くても、結果が理想的であるかどうかが優先事項なのです。この手術の特徴を示していると思います。

今回の画像提示お分かりのように、ダウンタイムが長いと言っても結果はキレイ。また口周りの症例が増えることでしょう。時間を用意して、またはマスクで隠して、口周りの品性を作り出しましょう。みなさんお待ちしています。