2017 . 8 . 15

この時期、夏休みは切開法祭りです。画像提示は1週間目がポイント。

毎日の様に面白い手術をしています。眼瞼下垂手術&重瞼術切開法に蒙古襞の拘縮解除する目頭切開手術一辺4mm60度のZ-形成法の併施です。

症例は28歳、女性。先天性には奥二重で3年前埋没法を受けたが右側は約1年で浅くなった。LF11.5mmと軽度の先天性眼瞼下垂症sC.L.4年使用したためか後天性眼瞼下垂症も合併している。眼裂横径24mm、内眼角間35mm、角膜中心間55mmと蒙古襞の被さりが強く、拘縮も強い。

切開法で重瞼を定着させたいから受診。ラインは変えなくてよい。挙筋はLT法で強化できる。蒙古襞の拘縮のために吊り目状態で内側の白目が隠れているし黒目の上に掛っているのを解除しないと不自然な形態になるし、眼瞼下垂手術と重瞼術の効果を阻害するため、拘縮解除を目的としてZ-形成法による目頭切開を予定した。

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術前術直後の画像を並べます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAついで近接像。

右眼瞼は画像上よーくできました。左眼瞼は何故か内側の重瞼が狭く映っています。よく見ると眉を引き下ろしています。術前は前頭筋に力が入っていて、眉が挙がっています。術直後の画像では前頭筋の反射的収縮はしなくなって、眉と瞼の距離が近づいています。ところが、左側の眉は降り過ぎています。どうも、何故か?、眉毛下制筋が働いています。この筋はその名の通り眉毛を降ろす筋ですが、眉の中央付近から眼頭と鼻根の間に走行しています。ですから内側が特に下がっているのが眉毛下制筋の収縮の証拠です。

通常、目頭切開の傷には眼脂が貯まってべちょべちょになり、創傷治癒を阻害する可能性があるため、翌日もその後も適時来院してもらっています。私が2日後に拝見したところ、眼脂は患者さん自身がきれいに洗浄されていて、創全域に渉って安定していました。そしてこれも何故か?、眉毛下制筋は働いていないで眉を引き下げていませんでした。つまり見た目では重瞼も揃っていました。それに腫脹も高度に亢進していないで経過が酷くないので、術後一週間ではかなりきれいに治りそうです。その上で更に治癒促進を望まれましたので、漢方内服とVC点滴を提案しました。残念ながらそうしているうちに画像撮影依頼を忘れました。

今回は画像が重要です。手術の効果と自然な形態が期待できます。何度も言いますが、人には個性があり、理想への道は千差万別です。その点で今回もデザインに自信があります。形態的には、1週間後が解かり易いでしょう。機能的にも上にある様に神経筋の反射運動が不随意に生じるので、子やはり術直後では判りにくいのです。次回術後一週間目の抜糸時の画像と説明をお待ち下さい。