2018 . 5 . 16

長い白唇は切除術が適切です!。口角は上手に挙がりました!。

口周りの手術が大流行りです。本ブログに多くの症例を提示しています。白唇部での口唇短縮術と口角挙上術を組み合わせる手術を多数提示しています。実は本症例の患者さんは当院をお気に入りで、これまでいくつかの治療を受けてきました。その間この私の書いている院長ブログもご覧いただいていて、口唇の手術は任せたいと希望されました。嬉しいかぎりです。そうなれば、術前検討の為に、念入りに計測して、よく視診して、デザインプランを頭に入れておかなければなりません。綿密で楽しい診療です。

症例は38歳、女性。口周りはこれまでに鼻翼の外側切除術を他院で受けている。口角も他院で引き上げ済だが、創跡が見える。白唇部の長さが気になり、約1か月半前にまず上唇小体手術を受けてみました。1.5㎜だけ短くなった気がする。元の白唇長19㎜が17.5㎜になった?。シミュレーションすると5㎜切除可能。画像で見られる様に、上口唇は生来外反しているセクシー美人なので外反は求めない。内眼角間30㎜:鼻翼幅34㎜:口唇幅48㎜と顔面部品の横のバランスが取れているため、口角は上に挙げたい症例です。画像を提示します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

上に術前の正面像、左斜位像、右側面像。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA右図はデザイン後の写真です。両側鼻翼基部感はNostril sil=鼻の孔の底の土手状の膨らみの麓を上切開線として幅5㎜を下切開線。鼻翼に沿って余剰を切除するデザイン。口角部に三角形の切除部、外側辺は口角点から上方に5㎜、底辺は赤唇縁に沿って7㎜にデザイン。下赤唇縁に沿って7㎜切開線をデザインして、口角を横V字に口輪筋層まで外して上に縫い付けるデザイン。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

上図は術直後です。腫脹が強い方ですが、患者さんも予測していました。先ずは術前と術直後の画像から掲示します。今後の経過のスタートだからです。でも必ず軽快します。毎回記してきた様に、口唇の手術は、腫脹が強いのです。口唇は血行が豊富ですから、切れば腫れます。正常な創傷治癒反応です。しかも赤唇部は角質が薄い柔らかい組織なので、腫脹を内包すると表皮の膜が伸びて分厚くなります。でも、血行が良好な口唇は腫脹の軽減も早いのです。腫脹は豊富な血管内に吸収されていくからです。これまでの症例でも、術後1週間では意外と治っています。

ただし運動の回復は症例ごとにばらつきがあります。口周りは表情筋が豊富なのは上に述べましたが、その走行は複雑で何層にも交錯しています。主に閉口筋群は口輪筋。挙上筋群の一部の上唇鼻翼挙筋と鼻柱下制筋が影響します。これらの筋群は手術後の腫脹の影響と、筋そのものも浮腫んで収縮が弱くなります。もちろん、手術後の影響は日時と共に軽快し消失します。

或る患者さんが「神経を傷めるから、動かなくなると聴いたのですが?」と訊いてきました。私は「美容外科チェーン店には素人もどきの医者も多いのでそんなフェイクを流すんでしょう。」と教えました。私のこれまでの症例を見れば判りますよね。しかも私は、形成外科30年美容外科30年の経歴で日夜研鑽してきましたし、解剖にも精通しています。これまで口周りの手術で神経や筋の永続的ダメージを与えた症例は皆無です。

IMG_0215IMG_0217

上図は術後1週間です。正面像を二葉載せます。下に両側面と斜位の4方向を並べます。

IMG_0218IMG_0220IMG_0221IMG_0222

術後1週間では、形態は見事に見えてきました。運動機能も回復が早い様です。本症例は術後の腫脹がやや強く(10人のうち3番目くらい)、結果的に運動制限も強かったのですが、術後1週間での経過では、もうここまで軽減しています。やはり、患者さんと医療者(主に医師)の信頼醸成により、精神的に安定しているから、治りが早いのです。いつも私が強調してきた通りです。

正面像で見るとまだ腫脹で膨らんでいます。外反度は変えてません。赤唇縁のCupid’s bow :弓の形と人中も変えていません。口角はキュンと挙がっています。4方向で見ると、腫脹は度外視すれば可愛さ百倍に見られます。素材がいい(E-lineが一直線)からですが、特に斜位像では、美人女優が微笑みを湛えているかの様に素敵な画像です。左側面でのAEsthetic-lineは口角の位置と相まって最高の横顔を演じています。

本症例は経過良好で、術後1週間でこんなに早く治りつつあります。でもまだピークの35%程度の軽快ですから、形態的には出来上がっていませんし、運動機能が戻らないと鼻や口の位置は正しい位置に来ません。

次は術後1か月の写真です。

IMG_0828IMG_0829綺麗な口紅で創跡を隠しています。キュンとカールしたこの唇に似合います。久し振りに言います。「キスしたくなる唇です。」本症例の患者さんはセンス抜群です。正面の二葉は拡大像も載せました。下に4方向。

IMG_0825IMG_0824IMG_0826IMG_0827

術後3ヶ月が来ました。

IMG_2786IMG_2787

 

今回も正面の二葉を載せます。創跡の線はピンク色(赤唇に近くカムフラージュになっている?。)になり目立たないのですが、全く平坦にはなりません。もちろん幅はありません。下に4方向。

IMG_2790IMG_2792IMG_2789IMG_2788

見事に可愛いです。側面や斜位では創跡の谷が一部見えたり見えなかったり。とにかく口囲の形、いや雰囲気が素敵です。

術前と術後3か月の正面像を比較します。

IMG_2786

よく判りますね!。本症例の患者さんは、口唇(赤唇+白唇:鼻の下から唇です。)が外反していて、側面像や斜位像では術前から既にいわゆるC-curveです。でも長いものは長い。上下口唇(上は鼻の下から、下は頤まで)の比率的に5:8を超えて上が長い。上が長いと品が落ちる。下が長いとしゃくれになる。だから上下のバランスが重要なのです。見て下さい!。術後の画像上、上下の比率は自然な感じになりました。しかも口角が挙がって微笑みを湛えた様です。セクシーで可愛い。語りかけてくるような口元です。まだ微妙に術後経過中の変遷があり得ます。でも後戻りは絶対にしませんからね!。

本症例は静脈麻酔を併用しました。もちろん料金が発生します。局麻の疼痛を健忘(痛くても覚えていない。)させるためです。これで安楽に受けられます。その際白唇部の手術時は(口角挙上術時は無理。)会話も可能でしたが、安心して信頼を述べるばかりでした。そうなんです。本症例患者さんは看護師さんにも優しく対応して頂けるし、医師にはいつも感謝の言葉を投げかけ続けます。信頼関係と安心感は術後経過中に有用なのです。いつも書いて来た様に、手術に臨む際と術後に安心している患者さんは経過が良好で早いのです。

美しい患者さんなので長尺文になりました。契約上術後3ヶ月までの経過観察となっていますから今回で完成!とします。こんな美しい患者さんを、もっともっと観ていたいなあ!