2019 . 11 . 13

切らない眼瞼下垂手術を適時追加して嬉しいけれど・・?!、どうなる?。

たまには切らない眼瞼下垂手術の症例を載せます。当院は眼瞼形成術を多数例施行して来ましたが、その適応は診断によりいくつかの方法を使い分けます。一般的に美容形成外科の医療機関で眼瞼形成術の症例数は全体の50%前後と言われます。一重瞼(先天性前葉性眼瞼下垂症)が日本人の半数存在しますから、重瞼術の対象患者さんは当然50%居ます。その際埋没法が約90%使われます。近年まで美容外科医は形成外科の研修をしていない医師が95%以上です。彼らは切開法の眼瞼形成術を習っていないので受けてはいけませんし、薦めません。見よう見まねでやっている医師に受けると危ないです。埋没法なら彼らでも出来ますが、綺麗かどうかは別問題ですし、取れる率が高いのにダウンタイムが長い趨勢です。何故かというと、診察から手術までオートメーションで時間を掛けられないからです。

そしてさらに、前葉性眼瞼下垂症の症例には皮膚が被さっているから見出せなかった後葉性=挙筋性の眼瞼下垂症を伴っている症例が多いのです。ところが挙筋の前転を要する眼瞼下垂手術は、形成外科の知識と技術を研鑽していないと出来ません。私達は形成外科医局に最低7年在籍しないと取れない専門医で(私は15年在籍)、さらに3年以上経て取得できるJSAPSの美容外科専門医の資格を持っているのは日本に100人しか居ませんが、私は20年前に合格しています。

前葉性でも後葉性でも、眼瞼形成術は埋没法と切開法があります。切開法は重瞼術では原則的に永久性に定着を目指します。私達が使う、挙筋前転法の一種であるLT法は後天性腱膜性眼瞼下垂症の回復には効果的ですが、先天性後葉性=挙筋筋力不足性眼瞼下垂に施行すると一度は開いても必ず戻ります。でも軽傷の場合には応用して、適時再施行していけば保てます。本症例では、切開法にLT法を利用しても戻るので随時追加手術をしていますが、ダウンタイムが短いので社会生活に支障を来さないため、繰り返してきました。要は形態的に機能的に満足が得られるからです。今回の症例提示は中長期的経過を見ていくのでなく、短中期的に形態と機能の改善性を見ていきましょう。もちろん術後3ヶ月までは提示します。

症例は32歳女性。これまでにいくつかの手術を、当院で主に私が施行して来ました。鼻、口周り等と眼瞼は何年も前から眼瞼か下垂手術をして来ました。直近では昨年2月に眼瞼下垂手術切開法で重瞼ラインを7㎜に設定、その後追加修正として切らない眼瞼下垂手術=黒目整形非切開法をしてます。本年8月にはラインは変えずに皮膚切除を加える際に挙筋前転も追加しています。

尚、昨年夏に下眼瞼下制術=垂れ目整形切開法を他院で受けて、下がり過ぎ傾向ですがメイクすれば目立たないそうです。

画像を見れば判る様に、上眼瞼が黒目(角膜上縁を上下最大3㎜程度隠しています。つまりMRD,Magin Reflex Distance:角膜中心から辺縁の距離が2㎜以下です。眼瞼下垂状態は先天性の要素が強く、二重瞼も広い設定(私以と同幅:自然状態ではアジア人最高幅)にしてきたから、相対的に眼瞼下垂が目立ち、直ぐ眠そうな目元の印象になってしまいます。

医学的には眼瞼下垂症の原因として、後天性ならLT法も適応しますが、先天性に対しては、挙筋短縮術が適切で、LT法では一度は挙げられても必ず後戻りが生じるのは理論的、解剖学的、生理機能的に明らかです。でも、切らないLT法は何回でも繰り返せます。ましてや緩みが生じている頃には眼瞼結膜側の糸の跡の凹みが無くなっているから掛け易くなります。

今回は8月以来で早いのですが、切らない眼瞼下垂手術を希望されたので施行しました。馴染みの患者さんですから応じます。上に書いたLT法と短縮術の違いは後段で説明していきます。

画像を診ましょう。

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一列目は術前二葉。第一眼位での黒目(角膜)の上に架かる瞼縁が3㎜以上です。

IMG_3070左に術直後の一枚。黒目に架かる瞼縁が減りましたが、重瞼線を作る糸の掛かっている両側2点ずつが凹んでいます。 NILT法を強くかけるとこうなります。経過を診ましょう。その分開瞼は良好です。オーバーコレクションです。

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翌日は何枚も撮りましたが二葉載せます。まだまだ、点が凹んでいます。開瞼はわずかに落ちます。術直後は局所麻酔が眼輪筋に効くので閉瞼力が低下していて開瞼がオーバーですが、翌日には予定の強さになります。この後の経過が楽しみです。

下に術後1週間で抜糸した直後の画像です。

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遠近取りました。上左の遠方からの(約1m)の画像では正面視=第一眼位:顔面正対して正面視に等しい視線方向です。三白眼は下眼瞼下制術後の為で患者さんは気にいっています。上右の近接(約50㎝)画像では、顔面を下に向けて眼位が上方視です。眼球が上を向くと三白眼(白目が黒目の右左下に見えるから三カ所に白目)が増えます。

こうして術後1週間を経ると、上眼瞼は丁度良い開きです。優しい目元です。カーブも弧を描いています。角膜の上に架かる上眼瞼縁の内側と外側のバランスも水平に近く、アーモンドアイ状態です。医学的には、黒目の上に上眼瞼縁が2㎜架かるのが標準で、現在本症例では<2㎜で目の開きがパッチリしています。優しく可愛い雰囲気がこの女性に合っています。

ただし本症例では、これまでの長年の経験上切らない眼瞼下垂手術では後戻りを生じます。これからの短中期的経過を診て行きましょう。

下に術後1か月の画像。今回はしっかりメイクで来院されましたからそのまま撮りました。

遠近載せます。視線の方向で開瞼が違わないか診ましょう。

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まだしっかり開いています。内側が特に落ちていたのが全体が挙がっています。黒目の上に架かる瞼縁が水平に近いままなのがその証拠です。

更に患者さんが言うに、生活上斯界が良好で便利で、支障がないそうです。周囲からも綺麗ですねと誉められるそうです。そりゃあそうです。目の開きは顔面の印象を半分以上左右します。

今回術後1か月では後戻りが診られません。ホッとしました。嬉しい限りです。