2020 . 1 . 7

やはり上口唇短縮術は最終兵器。美しい人でもここはポイント!

症例は41歳女性。遠方から予約を入れてくださり、いきなり手術に到った患者さんです。とてもその年齢に見えません。ルックスを使う社会生活で、かなり念入りにしかも上手に作り上げられています。これまでの手術の結果が良好で、美しい人ですが、骨切りの結果やはり上白唇が平坦化して間延びしたのを治したい、よくあるパターンです。

これまでにも何人もの症例が骨切り術後に私に罹りました。歯槽骨の上下長を短縮したら、その外側の軟部組織である上口唇が伸びて見えること。実は長さは変わっていないが、一つは白唇が元は前に傾斜していたのが、垂直化したので前から見て長く見えること。もう一つは上下口唇の交連が相対的に下方移動して、歯牙が見えにくくなることが気になるのです。ちなみに赤唇も垂直化して内反傾向になるので貧弱になるのも残念なわけです。本症例はヒアルロン酸で修正していますが、注入ではキリがないのです。これまでにも強調してきましたが、赤唇の厚さは擬態ですから、セクシー性の材料です。唇が薄いと本症例の患者さんには寂しい。

本症例の患者さんは美しいのですが、美容医療の粋を尽くしています。いつも私が言うように、美容医療は正しい診断の下に危険を回避して、静的形態(造作)的に美しくしながら、顔面表情筋の動的形態も損ねないように治療すれば、自然界のある様な美人を造れます。その意味ではこれまでよく出来上がっています。もちろん私は30年以上の美容形成外科医歴、50年以上前から美容医療に関わってきたので、一部の形態に関しては診れば解りますが、触れなければ解らない様な形態的変化も多く診られます。

ですからまず、既往歴を聴きながら視診と触診をしていきます。ここからはカルテを書き写します。白唇長17㎜。赤唇には2ヶ月前に一時的材料のヒアルロン酸を入れた。昨年分節骨切り術+頬骨弓切り術+頤骨水平切り術で前。外鼻は本年3月に肋軟骨移植とGore Tex,ゴアーテクスプロテーシス。10年前に鼻翼外側切除術と鼻翼縮小術埋没法を受けた。

歯槽骨が後退したら白唇が平板で長く見えるという分節骨切り術後の典型的な変形を気にしている。上顔面(生え際〜眉下)67㎜:中顔面(眉下〜鼻下)61㎜:下顔面(鼻下〜頤)63㎜とバランスは良いが上口唇(白+赤)27㎜:下口唇(赤〜頤)36㎜で黄金比率の5:8で計算すると上が4.5㎜長い。5㎜切除可能。赤唇と人中は元来明瞭だったが、骨切り術後平坦化した。1.25㎜寄せると再建できる。

内眼角間31㎜:鼻翼幅35㎜:口唇幅55㎜でバランスが良いが、目頭の蒙古襞の拘縮は残る。なお近々リフトを受ける予定なので、口角挙上術と目頭形成術はその後の形態的変化を診てからの検討課題とした。

画像は術前の各方向から提示します。

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正面像と近接画像で見ると赤唇が薄い。ヒアルロン酸は赤唇縁(リッジ:堤)に入れていて立体感は作れているが厚さは足りない。白唇の長さは鼻柱基部とCupidの弓の底までで17㎜とやや長く、下顔面の中で頤は三角形で綺麗だが長くないので、比率的に上口唇の白唇が長い。なんといっても骨切りの結果上歯槽骨と3〜3の歯牙が平坦な面になったのでモッタリした上口唇が野暮ったい。

IMG_4891IMG_4888斜位像でも側面像でも、E-ライン(鼻尖と頤を結ぶ線)より口が後ろにあり品はある。赤唇を前にしても下品にならない。側面像で見ると、赤唇縁のリッジに入れたヒアルロン酸がリッジを越えて白唇まで入っている。結果として赤唇が厚くなっていません。ところがそれより上の白唇は垂直に平坦です。

IMG_4894デザインです。両側の鼻翼の下の間を全て同じ幅5㎜で切除します。両側鼻翼間まで5㎜切除すると、その外側の皮膚が余るので、鼻翼の外側の俺帰り線を回って切開してつじつまを合わせていきます。本症例はNostril sill,鼻の孔の下の土手上の膨らみが厚く鼻の孔の中が見え難いタイプなので、間違ってもこれを切除してはいけません。

下には手術直後です。

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手術直後の正面像と近接画像ではもちろん腫脹が診られます。でもその結果、赤唇の外反に因る露出は素敵?!。ヒアルロン酸に因る赤唇縁の不自然なリッジだけだったのが、赤唇全体が綺麗に見えています。浅かった人中も自然な深さになり、Cupidの弓も唇らしい形。口唇結節(上赤唇中央の膨らみ)はヒアルロン酸で造られていて尖っていて、いかにも作り物っぽかったのが、丸みを帯びて自然な膨らみに造り上げられました。

手術直後に鼻が引っ張られて、横に、下に、拡大するのは、局所の表情筋のトーヌス低下が原因です。「術後1〜3か月で回復します。」と申し上げたら、「知っています!。」ですって。美人は美的素養が高いので知識が豊富です。

IMG_4899IMG_4896術直後は腫脹しますが、本症例では軽い。いや、手術直後よりも術後48時間の方が亢進します。腫脹は白唇の外反を強調しますが、今後丁度良い程度になります。E-ラインと口唇の位置関係も、口が出過ぎにはなりません。いい素材です。

こうして術後1週間で半抜糸となりました

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ご覧の通り見難いでしょうが、鼻翼の横の糸は残して、鼻の下だけ抜糸します。でも何故か鼻翼横の膨隆は少ない症例です。そうか!、骨切りして歯槽を下げているから皮膚、軟部組織も余らないのです。術後1週間で腫脹は軽減傾向です。伴って赤唇の外反も減弱傾向です。どこまで保てるかは術前にシミュレーションしているので私は知ってますが、ヒアルロン酸が入っているのでその吸収が不明です。丁度良くなりますよね。

IMG_5036IMG_5038斜位像や側面像では下顔面のバランス=比率が見事です。E-ラインの位置関係も美しい!。歯槽が出ていないで、口唇が前突するとセクシーです。口は骨格と口唇が形態を呈します。正面像での長さの比率はいつもの計測ですが、側面輪郭でのE-ラインは口と鼻と頤の前後関係を示します。ご覧の様に本症例は一直線上に並んでいて美しくできています。

もちろん骨切り術の結果でもありますが、その方法は二つの方法があります。Le-FortⅠ型骨切り術(+SSRO等の下顎骨切り術)と分節骨切り術です。Le-Fortは歯槽骨をU字型に全体を動かします。上下に短くもできます。分節骨切り術は、両側の前から3番目の歯の間だけの骨を、横コの字型に切って移動させます。通常咬合(噛み合わせ)のためにも上下を施行します。前歯の咬合(噛み合わせ)が合っているなら上下とも移動の必要があるからです。切る骨の大きさが小さいので、侵襲が少なくダウンタイムも短いとされますが、歯牙の神経を温存するために技術を要します。

ところで考えてみれば解りますが、本来歯槽の形はU字型です。分節骨切りをすると、前だけが後退するので、コの字型になります。つまり口の前方だけが、しかも赤唇の前方部分が主に後退しますから、白唇の外反と赤唇の前突が減少します。白唇が垂直化すると、前突していた時と比べて前から見て長く見えます。赤唇も内反して寂しい唇になります。

数えてはいませんが、上顎骨切り術後の症例は多く来院されます。敢えて言えば、私は骨切り術を現在施行していませんが、美容形成外科医ですから、顔面骨骨折の観血的整復手術は大得意で、15年前までは毎日していました。顔面骨切り術は若い頃に大学病院で沢山担当しました。ですから、顔面の解剖知識と手術法は熟知しています。この分野は昔からあり、今も昔も手術法は変わりません。口周りの手術が多くなってから判りましたが、形成外科の知識が無くては、より多くの患者さんに答えられません。その意味でチェーン店の非形成外科医の口周りの診療は片手落ちです。

本症例はよく判っていました。こうなる事は予知していました。仕方ないのでヒアルロン酸でメンテナンスしていましたが、きりがないし、やはり素人(若い下手な美容屋)には自然なコンツールが造れません。となると上口唇短縮術の方が自然な形態を造り上げられると認識される女性が頻発します。口唇は擬態ですから女性のシンボルです。

まだ術後1週間までの画像提示です。今後週単位でダウンタイムをやり過ごして、予定した形態が得られてきます。機能的にも回復して美しい口元が診られます。お楽しみに!

術後2週間で全抜糸しました。

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鼻翼縮小術を外側切除法で受けていますから、同じ傷ですから、創の癒合が遅いかと思いましたが、意外とよく治っています。毎回言いますが、両側の鼻翼間を同じ幅( 本症例では5㎜)切除すれば、鼻翼の横に皮膚が余るので傷の線の長さが外側と内側で違うので、つじつまを合わせてうまく縫合します。でもやはり癒合が良くないので、この一年くらいは鼻翼の傷の抜糸を術後2週間にしています。本症例はむしろ、膨らみもなく癒合も良好な方でした。治りが良い人です。その目で見ると鼻の下の傷跡も術後2週間では目立たない方です。

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鼻翼の位置は戻りつつあります。まだ元の位置には戻りません。必ず元の位置に復すのはこれまでの症例が証明しています。毎回言いますが、トーヌスの回復で表情が自然に位置を戻していきます。ところで赤唇の中央のとんがり=結節は保たれています。正面像で見てヒアルロン酸だけの時より、綺麗だし人中も狭くCupidの弓も綺麗なカーブを造り上げられました。でも赤唇縁に入れたヒアルロン酸が白唇まで入っているので、側面像でカクッと、外反しています。白唇の外反=C-カールは湾曲が緩やかな方が自然で綺麗です。赤唇の外反は私が口輪筋を折り畳んで作りましたから保たれます。C−カールがどのような形になるかが楽しみです。

次回術後1ヶ月でどのような変化をするか通常のコースなら大体予想が着きますが、ヒアルロン酸の吸収がどうなるかで形態が変わります。長い目で見ていきたい症例です。

遠方ですが術後1か月で来院して頂けました。

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笑顔が素敵です。口角は下がっていません。何故か考えました。もちろんボトックスの効果はあります。それにキャラクターが影響しているのでしょう。明るく、自信を持った女性で、美しさを誇っていますから、口を下げる表情をしない様に努力しているのでしょう。怒らない、悩まないのでしょう。笑顔で居る様にを心掛けてもいるのでしょう。すると表情筋の中でも口角挙上筋や頬骨筋が鍛えられるのです。所謂表情筋トレーニングです。本症例の患者さんが努力しているかは知りません。タレント性(人格と特性)がそうさせているのかも知れません。

ところで形ですが、赤唇の影響が効果的です。本症例の患者さんに似合っています。両側の鼻柱基部を縫合する際に1.25㎜ずつずらしました。その結果人中が深く幅狭くなり、Cupidの弓もはっきりしたカーブを描きました。術前から口唇結節(赤唇の中央の膨らみ)はありましたが、ヒアルロン酸です。今後の吸収次第ですが、たぶん全吸収されても元々より膨らんでいるでしょう。それに術前の画像を診れば判りますが、ヒアルロン酸で作られた口唇結節は下向きにありますが、私が造った口唇結節は前向きになりました。こちらの方が綺麗でセクシーです。

これも何故か、創跡が目立たない人です。1か月で赤い線はありこそすれ、幅はゼロで凹凸も無くこれも何故か鼻翼の横の膨隆も診られません。やはりキャラクターの為せる業ではないでしょうか?。明るい美しい気持ちの余裕のある人は、治りも早く綺麗になるのです。本当ですよ!。身体と精神は連携しています。そして上段の術前を比べて診ると、とにかく上白唇短縮術が見事に効を奏している症例です。

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斜位像と側面像出も口元のスッキリ度が美しさを引き立てます。魅せます。E-ラインが整っているとそれだけで口元が綺麗なのですが、上下の口唇から頤の比率が整うとよりバランスが取れる好症例です。私の腕の見せ所です。いや私と患者さんの頭と目が手術を選択したのです。患者さんが効果の半分以上を左右するのです。

何しろ美しい人によりよい結果をもたらすと、魅せます。次回は約束では術後3ヶ月で診せてもらえますが、機会があれば何回でも診たい症例です。

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。