2020 . 7 . 1

E-ラインは側方視だけでなく立体像も替えて魅せます。口周りは3次元。

本症例の患者さんには嬉しいお言葉を戴きました。「森川先生は顔面のバランスを診ていって、トータルに治して下さるから、その様な美容形成外科医に巡り会えてよかったです。だから御任せできるのです。」と、私のこれまでの経験から来る美容医療の素養を認めてくれたのでしょう。有り難いお言葉です。ですから幾つかの手術を計画を立てて施行してきました。順を追って一つ一つ施行してきました。一回で終えないのは、第一に私の体力の問題。知的集中力もです。第二に大阪院では局所麻酔手術しか出来ないからです。局所麻酔量には極量があるからです。第三には大阪院の手術は最長で3時間30分だからです。そもそも私は手術を丁寧に時間をかけて行います。特に、今回の手術は技術的に難しく、丁寧に造らないで後戻りが起きては意味がない手術です。

今回は鼻翼縮小術皮弁法です。鼻は口の上です。口周りです。

症例は56歳女性。当初5月に来院。長いでしょう?と言われて測ると、人中部の白唇は長さ23㎜です。E-ラインより唇が10㎜前方。側方から診ると白唇が内反している。加齢とともに赤唇が薄くなった。上顔面(生え際〜眉下)55㎜:中顔面(眉下〜鼻下)60㎜:下顔面(鼻下〜顎尖)60㎜と縦のバランスは取れているが、上口唇(鼻下〜赤唇交連)29㎜:下口唇(赤唇交連〜頤)31㎜と黄金分割比率より上が9㎜長い。人中と弓ははっきりしている。6㎜以上は切除しないよう説得しました。ただししっかり外反させます。

顔面横部品費は、内眼角間33㎜:鼻翼幅37㎜:口唇幅43㎜で、黄金分割比で計算すると口角を6㎜横にも引きたいが、顔が小さいので30度方向に5㎜引き上げ、口角を上に5÷√3(1.7…人並みに奢れや)≒3㎜、横に2.5×2=5㎜拡大するデザインを予定した。鼻は経過中に検討する。

まず上白唇短縮術+口角挙上術の術前=初療時の画像を載せます。

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術後3ヶ月で完成しました。白唇中央の長さは予定通り18㎜です。ただしこれでもまだ上下口唇の比率は5:8とはなりません。頤が後退しているからです。正面像で鼻翼幅と口唇幅の比率を診ると、口角挙上術時に口唇幅を5㎜拡大したのに、37:48ですからまだ5:8にはなっていません。鼻翼縮小術の適応があります。こうして口周りの手術の次に残りの鼻翼の拡がりと頤の後退に対する手術を予定した。

鼻翼の最大幅は37㎜です。顔面の横部品の比率からして、34㎜にしたい。手術直後には31㎜にしておきましょうとなりました。
手術前の画像は上白唇短縮術と口角挙上術の完成図でもあります。

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上四葉の画像は正面像と下面像の左術前、右術直後です。切らない鼻翼縮小術は両側の鼻翼を糸で引き寄せるだけです。いわゆる埋没法です。後戻りが必ず起きます。

そして鼻翼縮小術から1か月経て後戻りが落ち着いたので、懸案事項であったE-ラインの改善に乗り出しました。部位が離れているので可能です。頤プロテーシスで頤を前に出します。上口唇と下口唇の比率はまだ5:8になっていませんが、今回は長さを作らない事としました・・・。

それでは頤形成術の術前の画像から診ましょう。

DSC02717DSC02718DSC02721顔面の上下の比率としては、上白唇を短縮してもまだ下口唇から下が短く感じます。でも術前に長くしない希望でした・・・。変わりすぎるのを避けたいからです。斜位像や側面像ではE-ラインの配置上明らかに口が前です。

DSC02724DSC02725DSC02722挿入した直後です。決して長くしていませんが、腫脹で長くなります。頤の先端に糸を出して中心に固定しています。上方に移動して口の中に出ない様にするためでもあります。斜位像や側面像ではE-ラインが一直線上になりました。

術後3ヶ月で鼻翼縮小術を再施行することを決めました。実は切らない鼻翼縮小術は後戻りが多かったので、いつか内側切開法(皮弁法)を検討していました。

そして今回の鼻翼縮小術の画像を載せていきます。頤プロテーシス挿入術の術後経過も兼ねます。術前から。

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正面像と近接画像です。鼻翼幅は37㎜です。

DSC05010DSC05013斜位像や側面像では人中部が平坦です

下に下面像を並べます。

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左から術前、デザイン後、術直後です。37㎜の鼻翼幅が34㎜になりました。

下列には術直後。

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鼻翼幅は、口唇の幅と対比すれば判ります。人中が一度膨らみます。創は鼻孔底に縦に出来ます。ただしNostril sill(土手)の部分は見えますが、中までの創は見えません。

DSC05029DSC05032斜位像でも人中部の膨隆が診られます。側面像では前突しています。

鼻翼縮小術は単独で行うと白唇が寄せられて膨隆します。特に皮弁法では鼻孔底にトンネルを造って皮弁を通すので持ち上げられます。皮弁は薄くなります。余った白唇は収縮します。因って徐々に平坦化するのです。

今回これまでの経過の続きとして鼻翼縮小術皮弁法を施行し、術前と術直後を載せました。次回は版を変えて、鼻翼縮小術皮弁法の経過と詳しい説明を載せます。お楽しみに!

術後1週間で鼻孔下部(Nostril sill: 土手)部の抜糸しました。

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鼻孔内の抜糸は2週間にします。鼻翼幅は36㎜まで後戻りしています。これから収縮すると思います

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斜位像と側面像では創跡は目立たないでしょう。下面像でも赤いですが消えます。

来週のお楽しみとします。そこで詳しい説明を書き連ねます。

鼻翼縮小術は本邦では適応症例が多いのですが、2点で施行例は少ないのです。まず適応症例を見極められない。または診察手段が稚拙なためです。もう一つは手術法の選択肢が広いからです。

適応を見出せない原因は、日本人(東アジア人)は二点で間違って捉えている人が多いからです。まず顔とのバランスですが、一般人は、「顔が大きい。」と形容すると縦横とも意識します。確かに”大きい”は面積を表すので縦×横ですが、縦は長さが長いと表現しますが、横は幅が大きいとも表現します。つまり「顔が大きい。」のは横幅があることも言います。顔の部品の大きさは。見た目にも顔との比率で捉えられますから、顔が大きい人では部品が大きく見えません。鼻翼幅が大きくても顔が大きいなら気にならないのです。もう一つ、「鼻が丸くて大きい。」と言う人は鼻翼が大きいのか鼻尖が大きいのかを捉えていないことが多いのです。鼻尖の幅は鼻翼幅の半分が適切です。多くの人は「鼻の頭が丸い。」と言いますが、実は鼻翼がベタッと広がっているから鼻が大きい人が多く存在します。ちなみに私は必ず計りますが、チェーン店には計り方さえ知らない美容整形屋の若造が横行しています。

手術法は技術だけを手に付けても身に付けられません。経験と知識、目(その後ろの脳も)が作ります。そして手術法は患者さんの選択に任せるべきですが、適切な説明が出来ない(コミュニケーション能力に欠ける若造が多いから、話にならないのです。鼻翼縮小術は二通りに分けます。外側切除術は鼻翼が張り出している症例にだけ適応しますが、約25%以下です。多くは鼻翼の横幅全体を縮小したいのですが、鼻翼は顔面表情筋群で横に引かれる部位なので後戻りが起きやすい部位なのです。方法は1:糸を両側の鼻翼皮下を通して八の字に掛ける方法は昔から行われてきました。埋没法です。簡便でダウンタイムも少ないのですが、やはり後戻りは多く、それも年齢と共に増えます。皮膚の質にも依存します。2:鼻孔内で皮膚と粘膜を切除すれば後戻りは少ないですかね。と考えますが、皮膚粘膜の瘢痕(傷跡)は表情筋に勝てる強さを供給しません。フェイスリフトのように剥離すれば保てるかと考えても粘膜は伸びます。昔埋没法に併用したこともありましたが、後戻りゼロには出来ませんでした。3:本題の皮弁法です。

皮弁法は勉強不足のチェーン店の美容整形屋では知りもしません。非形成外科医は皮弁法の言葉も知りません。皮弁とは、読んで字の如く弁状の皮膚です。弁の一部が身体と繋がっていて血行を保ちます。植皮(皮膚移植)とは違う仕組みです。鼻孔下制術で使う複合組織移植とも違います。形成外科診療では腫瘍や外傷等で皮膚欠損を被覆する際に適応順位を検討しますが、局所皮弁法は第一選択です。他科の医師はそのコンセプトを学びません。

鼻翼縮小術皮弁法は、鼻翼の付け根の内側を茎として両側の鼻孔内に幅数ミリの皮弁を挙上します。今回は幅2㎜です。深さは皮下脂肪内と粘膜下組織までの板状にし、縦長の台形に作ります。表皮と粘膜層は削ります。これをDenude(後日説明します)と称します。両側で起こした皮弁の深部の創内から、鼻中隔(ここには軟骨がない)の下を通って、トンネルを作ります。表皮と粘膜層は削ります。そしてサイズを測りながら、両側の皮弁をトンネルの中で縫い合わせます。

皮弁は硬い組織で伸びません。両側の皮弁どおしは癒着して癒合します。トンネルの内壁とも癒着します。本当に後戻りゼロかといえば絶対ではありませんが、もし後戻りするならそのメカニズムは理解不能です。癒着までに数週間かかり、その間に皮弁が裂けるのかも知れません。これまで私の症例では後戻り距離 / 縮小距離=1/4以下です。

そして術後1か月です。

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アッと!叫んでしましました。35.5㎜です。後戻りが止まり、縮小しています。皮弁が狗縮したのでしょう。患者さんはインテリジェンスが高い人なので理解していました。今後が楽しみです

DSC05751DSC05752斜位像側面像でも良いバランスです。

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。」

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

本年6月から費用の説明も加えなければなりません。切らない鼻翼縮小術は18万円+消費税です。頤プロテーシス挿入術は18万円+消費税です。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。鼻翼縮小術皮弁法は28万円+消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。今回切らない鼻翼縮小術のやり直しなので40%オフにしました。