2021 . 1 . 13

遂に鼻唇角プロテーシスと鼻唇溝プロテーシスの同時手術。貴族手術だか、ネコ手術だか、じゃなくて私が元祖だよ!。

いきなりまた、気合の入った題名ですなあ!。まあまあ、落ち着いて!と諌められそう。何しろ逆に言えば、韓国でニックネームを付けて流行らせてくれたんだから?!、ありがたいと思います。そもそも元祖と言っても本当にそうかは判らないし、そもそも手術法を他の医師に明かしたのは開発者である亡き父です。それに美容センス=美容的素養、観点を磨いてくれば、この二つの手術を思いつく医師が出現するのは当然とも言えよう。

昔から、鼻唇溝=法令線(私は人相学の占い師ではないのですが、皆さんはこう呼びます)を埋める治療は求められてきました。”しわ、しわ”って患者さんは言うけれど、溝です。骨格的に折れ返り線で表情筋の付着が引きつけて凹む部位なのです。骨格的に貴族は平らで、偉そうな貴族は無表情だから鼻唇溝が浅いと見られたのでしょう。戦後すぐにシリコン注射が行われ、吸収されないのはいいのですが、経年変化で線維化して、ブツブツになった人が多発しました。私が医師となった頃からは吸収される素材が数多く試されました。でもやはり、定着させたい人は多く、父は鼻のシリコンプロテーシスの大家でしたから、鼻唇溝にも入れられないかと私と相談しました。当時形成外科医として、顔面の悪性腫瘍摘出術の跡の再建術に、鼻唇溝皮弁形成術を頻用していた私は、同部の解剖学的構造を父より熟知していましたから、検討に入りました。鼻唇溝の深部には筋が付着している為厚く、太い血管も鼻唇溝の中にはなく外側に避けられます。だからむしろ、鼻翼の内側から梨状孔の上を経て鼻唇溝に至れば難しくないと言ったら、すぐに実行しました。挿入物は簡単に造れました。

鼻唇角プロテーシスは台付きL型プロテーシスの台だけを応用したのですが、これまでにもブログに書いてきました。もちろん父からの伝承です。ただし、適応患者が増えたのは、私が台付きL型で危ない目に遭ったからです。父が入れた台付きL型プロテーシスは、高い為に負担が多い患者さんでは、加齢により皮膚が菲薄化すると、鼻尖の部分から露出してくるケースが診られる様になりました。概ね20〜30年の経過中に生じるので、患者さんは父が亡くなってから私に罹ってくるしかなく、何人も治しました。そもそも学会でのコンセンサスも立てられていました。JSAPS=形成外科医出身の日本美容外科学会でも毎回議論しています。鼻尖にプロテーシスを入れると必ずと言って良いほど、露出する可能性が高いので、つまりL型は使うべきではない。対して鼻尖よりも上方はまず安全で、自家組織では足りないか硬すぎるものしかないので、I型プロテーシスは否定されない。ついでに台付きL型プロテーシスは、現在入れる医師はいないので(父は出席していませんでした。)否定的されました。でも台だけの、つまり鼻唇角プロテーシスだけは問題ないと言えます。しかも、切開が鼻孔の中の後方だけなので、見え難いのも利点です。ただし意外と腫れが見えます。もう一つ、10年くらい前から鼻中隔延長術が為されていますが、鼻尖から鼻柱の途中までは下方移動できても鼻唇角は難しく、喰い込んだ鼻(鷲鼻という人もいる)となる為に、鼻唇角プロテーシスの適応患者さんが増えました。

手術法は私が父と開発しましたが、例数は最近増えました。韓国が流行させたのですが、実は父が生前に私と同年代の何人かの医師に請われて講義をした際に教えたのです。VクリニックとRクリニックの、私も仲の良い医師です。彼らは韓国の医師とも交流があるので、また聞きで教えたのでしょう。実は韓国は美容外科の先進なのではありません。広告が自由で、国を挙げて美容外科を興隆させる政策を立てているから、美容外科医療に対して国民に忌避観念がないだけです。その証拠に、韓国に行ってみれば解るのですが、一般人の多くが受けていますし、政治家も受けてオープンする国です。でも実は、日本や欧米から美容医学の知識を仕入れています。

症例は20歳女性。鼻稜(鼻スジ)にI型プロテーシスと鼻尖(鼻の頭)と鼻柱の途中までに耳介軟骨移植術を受けた。しかしまだE,Aesthetic -ライン,lineより口唇が3㎜前方であり両顎前突が主体である。結果として、鼻尖から鼻柱の中間までが下方移動されていて、鼻柱基部が下がっていないから相対的に喰い込んでしまい鼻唇角(側方視で鼻柱と上白唇の作る角度)が約60度(直角以上が美的)となった。鼻中隔先端から鼻柱表面は触診で約5㎜。鼻柱基部を今より3㎜は下方移動したいから、鼻唇角プロテーシスは上下長が8㎜以上必要。ただしそれでも90度以上は不可能と思われた。さらに両顎前突なので、骨格的に折れ返りである鼻唇溝の上方の三角形のくぼみが深い。ヒアルロン酸でも埋められるが、患者さんは定着させたい希望で、そうなると鼻唇溝プロテーシスの出番です。深さからして最低3㎜は増大したい。

口角は口角下制筋にボトックス注射と口角にヒアルロン酸注入をしていて、表情時には挙がるが、静止時は下がる。口角挙上術の適応はあるが後日検討とした。赤唇と赤唇縁にヒアルロン酸注射していて綺麗だが、人中部の上白唇の長さがあるので、短縮術で改良できることも説明した。

手術当日に確認します。鼻唇角プロテーシスは最低8㎜。鼻唇溝プロテーシスは最低3㎜厚。その部分は画像を見れば判ります。

今回はまず術前と術直後の画像比較から。

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正面像では立体視できないのですが、影で判ります。術前は鼻柱基部が影に隠れて見えません。鼻唇溝に黒い影の線がみられます。デザインがは中央化のための両側鼻柱基部のマーキングと鼻唇溝の深い上三角部にマーキング。術直後は鼻柱基部が見えます。折れ返り線ですから黒医影の線が見えます。鼻唇溝のくぼみは見られませんが、実は局麻剤に血管収縮剤のアドレナリンが添加してあるから皮膚が白いのです。

さて何を入れたのでしょう?。

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上左はデザインですが、鼻柱基部の下の二本線のマーキングの中に鼻唇角プロテーシスの入るポケットを作る予定です。上中図はプロテーシス作成した後に横から見た図。9㎜幅です。鼻柱内に入ると鼻柱基部が4㎜下方移動する計算です。上右図はプロテーシスを前から見た図。正面から見た顔の鼻柱に入れます。

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上図は鼻唇溝プロテーシス。左図は両側の正面像。デザインの三角形に一致させて削りました。角は折れ返らないように丸めます。上右図は側面図。厚さは4㎜としました。

DSC00277-e1607673369192-150x150DSC00287-e1607673779155-150x150下面から見ても切開線(創)は見えません。上左が術前のデザイン後ですが、鼻の中のデザインは写りません。上右の術直後でも糸さえも見えません。

それでは両側側面図と斜位図を視て3次元的に比較しましょう。

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先ず側面図ですが、鼻唇角が判ります。左二葉は術前で鼻唇角が約60度と鋭角です。上右二葉は術直後で鼻唇角は約115度とオーバーコレクションに見えます。腫脹で押し上げられています。

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斜位像では鼻唇溝がよく判ります。ただし画像で見られる様に、二つの手術は隣あっている為に、周囲の白唇から赤唇まで、さらに鼻柱から鼻尖まで腫れてしまいます。

翌日来院して頂き、画像も頂きました。

DSC00325鼻孔から出血があったのは出血が多かったからです。人中の長さが伸びた様に見えるのは腫脹です。アップノーズとは間違いなのは毎回記してきましたが、確かにショートノーズが気になる。その日の担当医は腫脹の為でしょうと説明し、私に電話して報告した。画像で診られる様に、下の部位、赤唇から白唇、鼻柱から鼻尖まで腫れています。

DSC00326DSC00329側面像で鼻唇角は鈍角です。

術後1週間で診ます。

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診察室に入ってきて、すぐに和らいだ表情で目を合わせました。「ちゃんと下がってきたでしょう?。」と私が訊くと「でも、今までの中で一番腫れが強めかも・・。」と目を伏せます。私「だって、二つの手術ですし、小さい手術野では小範囲の腫れが小さい範囲の変化につながって目立つのです。」とか言い訳みたいな説明。でも直後に撮影した画像では、この様に笑顔で写ってくださいました。

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鼻唇角は腫脹で押し上げられていたが、降りて来た。実際48時間が酷かった。その後どんどん降りて来た。その様な経過日時は通常です。しかも基部に内出血がある。それだけ腫れが強かったと言えます。また鼻柱の移植軟骨に押し出されているのでもある。ただし角度はまだ鈍角でも115度→120度→105度と減ってきています。この経過では直角になるでしょう。鼻唇溝プロテーシスの位置は触診上適正でした。

術後2週間で魅せて戴きました。

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鼻唇角(鼻柱基部)の見え具合がちょうどよくなってきました。位置も中央にあります。鼻唇溝(鼻翼の横)のくぼみは全く見えないわけではありませんが綺麗に埋まっています。位置も適切です。三角形の物が三角形の凹みに埋まっています。

今回は両側の側面像と斜位像を診ましょう。

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鼻唇角は右側面像では下がってきても約100度に見えます。斜位像で口とのE-ラインの位置が優しくなりました。

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鼻唇角は左側面像では90度に見えます。鼻唇溝は両側斜位像とも消えて見えます。

「今は分度器を持っていませんが、鼻唇角は現在95度 ということで!。」とお仕着せますと、患者さん「着実に下がっています。」と納得されます。私は「この分なら90度で完成でしょう?。術前は60度から90度は難しいと思っていましたが、見事に出来上がりそうですね。」ついでに「上手いでしょう?。」とか訊いてしまいます。患者さんは気品をたたえた微笑みで帰りました。

とにかくNobleです。そうか貴族です。鼻も高くて気品に溢れます。知性的です。喰い込んでいない鼻は優しいです。

術後1ヶ月で診ました。

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鼻唇角プロテーシスの位置は中央に留まっています。人中がわずかに短縮して見え、赤唇縁の弓のカーブもなんとなく綺麗になります。口唇結節も押し下げられてセクシー度アップしています。

DSC01181DSC01183両側斜位像で鼻柱基部が見えます

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側面像で鼻唇角は約95度です。E-ラインが整っています。下面像で傷跡は見えません。鼻唇溝(法令線)には、下から見ても影がありません。

今や、この手術の結果を誇りに思って下さっています。私は予定したデザインで、鋭意努力しました。可愛い女性ですから!。結果は手術選択した患者さんが得た効果です。喜んでくれれば私も嬉しいです。

次回もう一回見られるのを楽しみにしています!。

当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

料金も提示します。鼻唇角プロテーシスは15万円+消費税。鼻唇溝プロテーシスは両側で28万円+消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。