2021 . 3 . 31

ゴージャスな女子に7年振りの上白唇短縮術の追加は効果的!。その切開部から鼻唇溝プロテーシスの追加修正も初めてトライしました。

よく登場してもらう患者さんです。長年診てきました。題名でお分かりのことと思います。とにかく可愛い女子で、振る舞いも可愛い。性格が良いというかキャラクターが明るい。言ってみればタレント性が高いのです。周囲のみんなを楽しくさせます。しかも身体がゴージャスで格好いいから見ているだけでこちらが高揚します。

ただしと言っては申し訳ないのですが、身長が高く、スタイルがいい人は、往々にして顔面も長いことが多く、言ってみれば白人的(チビデブ短足のアジア人の逆)です。日本人の社会では異端的な顔貌となります。特に下顔面が長いと目立つのです。そして下顔面の中でも、上口唇が長いと間延びしてバランスが崩れます。したがって本症例は二回目の上白唇短縮術を施行しました。

鼻唇溝は法令線と呼ばれます。人相学でも占いでもないのですが、皆さん医学用語を知らないから仕方ないのでしょう。でも線は角度の問題です。表情ジワですから、広がっているか窄まっているかで印象が全く違います。したがって鼻唇溝は上方の三角形のくぼみを埋めれば、線も目立たなくなります。しかも広がります。毎回書いてきましたが鼻唇溝プロテーシスは私と父の考案です。韓国が盗みました。しかも彼等は鼻翼内から挿入する技術は持ち合わせていません。

ところで、上白唇短縮術の際に鼻唇角プロテーシスを挿入したことはありました。今回鼻唇溝プロテーシスを入れ替える際に応用してみました。これまでして来なかった理由は、ここが解剖的に込み入っている部位だからです。案の定、イベントが起きました。どのような経過となるでしょうか?。観ていきましょう。上手くいけば新規患者にも利用できますから。

症例は37歳女性。7年前に私が上白唇短縮術を施行しました。記憶では私の三例目です。18㎜を5㎜切除し13㎜となりました。経年変化で患者さんは伸びたのを気にされて、測ると現在16㎜でした。当時は鼻柱部で寄せるデザインはまだ使っていませんが、生来赤唇は綺麗な形で美しいと思います。4㎜切除が可能と伝えました。また、7年以上前に私が鼻唇溝プロテーシス(貴族手術との呼称が横行する前)を入れています。左側が外下に移動してきたと告げられました。

2週間後診て再検討します。鼻唇溝プロテーシスを取り出して糸を掛けて入れ直して、糸を皮膚表面に引き出して縫合して、固定するプランを示しました。

手術当日再確認します。引き出した糸は最低2週間留置し、位置が固定したら抜去する予定を告げました。と突然閃きました。上白唇短縮術の創からの出し入れをトライさせてもらえないかと考えたのです。患者さんとは信頼関係が深いので、「いいですね!。」と言って下さり、私が「やったことないですよ。でも出すのが楽でしょう?。」「だからポケットのサイズを合致させられると考えられます。」「やらして下さい。」と願いしました。患者さんは「鼻翼が頬に埋まっているのがいやなんです。」と訴えるので、出し入れが上手いきそうなその方法を使うことにしました。

手術の内容は画像で順を追って説明します。

IMG_7469術前の正面像。左側の鼻唇溝プロテーシスの位置は見ても判りません。口角が可愛い口でも白唇が長くなったのは気になります。

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術前の四方向を視ましょう。鼻唇角は約90度で綺麗ですし、赤唇の形も綺麗ですが、白唇が頤に比して長い感じが面長感に繋がっています。

鼻唇溝も鼻翼はも右側面では見えるのに、左側からは見えません。前へ押し出していないのです。視診ではその差が見えるだけですが、触診では位置が違いました。外方にあります。

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デザインを正面から。白唇は幅4㎜切除のデザイン。今回は鼻柱部で1㎜ずつ寄せました。近接画像で左鼻唇の上方の三角形の点線はプロテーシスを触れてマーキングしました。

IMG_7483手術中に、白唇短縮術の創内から、鼻唇溝プロテーシスを見つけた際に記念写真を撮りました。開いた剪刀(鋏)の先に白いものが見えました。通常鼻唇溝プロテーシスは鼻翼の内側から挿入するので、白唇短縮術の創内から入れ替えするのは初めてです。前回此の様に骨の前の深いところに入れたのが視認出来ました。

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取り出したプロテーシスと新たに入れるプロテーシスを撮りました。上左図は正面像で、左が前回の物、右が今回のわずかにサイズアップした物。上右図は側面から撮りました。厚さもアップしました。

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術直後は白唇だけでなく赤唇まで腫脹が激しいのです。閉じ無いのは麻酔の影響です。

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⒋方向で見ても、腫脹で口が尖っています。鼻唇溝プロテーシスの位置は触診上適切でした。

IMG_7730 下面像で、鼻尖が左➡︎右シフトしています。鼻唇溝の操作で左翼が腫れているから押し寄せられているのでしょう。ちなみに下から見ると左鼻唇溝は埋まっています。

ところが翌日診ると、左側の鼻翼の横(プロテーシス腔)だけでなく、頬まで腫脹が激烈でした。剥離時に血管損傷したと考えられる。そしていよいよ術後満3日で疼痛が増強して、予定外に来院されました。朝左鼻翼部の痛みが強くなり起床したそうです。私は大阪院勤務だったので他の医師が診てくれて、念のため抗菌剤の点滴や内服処方をしてくれました。翌日から炎症所見は引始めました。3日間再来して点滴を継続されました。

そして術後満7日は私が再診しました。

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疼痛は軽減しました。腫脹はまだ残ります。症状の極期は歯牙や歯茎も自発痛を感じたそうです。

そして、実は私が診ていない4日間、代理医に診察して欲しくて電話で伝えたのですが、うまく伝わらなかったので念入りに診察しました。口腔内と鼻翼内からの視診と触診です。早速口の中から診ると、プロテーシスは触れません。鼻翼内は痛いので覗くだけにしましたが、プロテーシスの突出は認めませんでした。鼻翼内は綿棒で触ってみましたが触れません。つまりプロテーシスが体表(鼻の中も口の中も体内ではありません)に露出しての感染したのではなかったのです。しかし経過中の治療としては、抗菌剤が功を奏しました。考えられることは、血腫が吸収される際に炎症が生じたと考えられます。

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4方向で診ると、左頬前の膨隆が残っていました。口元の腫れは軽快中です。

術後2週間で診ます。

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鼻唇溝の上方の三角形のくぼみは埋まっていますが、左頬前の膨隆は残ります。また左鼻翼の外からプロテーシスの入れ替える際に皮膚を傷めたのでしょう。傷跡が赤く幅が出ています。

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四方向では、口元の腫脹はさらに減っています。左の頬前=上顎=鼻の横はやはり腫れていますが、減ってきました。両側面像での頬前と鼻翼の前後関係は対称化してきていますが、両側斜位像では左の方が膨隆しています。

IMG_7847下面像での鼻尖のシフトはまだ見えます。

術後1ヶ月で見せてくださいました。

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正面像でメイクしていると白唇の腫脹は軽快して見えます。近接画像ではまだ2回目の傷痕が赤く、左鼻翼の横の傷跡は幅が見えます。切除再縫合を予定します。鼻翼がわずかに引かれるでしょうが1㎜程度ですと告げたら、「容認します。」と云われました。

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こうして下から近接画像を診ると、鼻尖矢鼻柱の位置は正中化しています。ところがやはり、頬前を下から視ると、左が前方にあります。↙︎

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しかも4方向で診ると、前よりも丸く膨らんでいます。つまり狗縮傾向なのでしょう。という事は血種の可能性が高いということです。血腫といっても、頬前は剥離していないので、組織内に浸潤したと考えられ、凝固するに従って組織が収縮していき、ボール状に狗縮して来たのでしょう。まんじゅう型の容積がボール状になるのは狗縮の結果と言えます。つまり血腫で増量したからだと考えられます。

今回は左の鼻唇溝プロテーシスを入れ替えてみた結果、イベントが片側にだけ起きて、視覚的に左右差が大きく見られるが為に目立ったのです。という事は考てみれば、鼻翼内からでも起き得たのかも知れません。

他医とも検討してみましたが、血管や神経の損傷はむしろ狭い視野である鼻翼内からの方が起き易いし、数日で増量して、炎症所見は反応性で、数週間で狗縮してボール状になるのは血腫に違いないと考えました。次回創跡修正時に穿刺してみるつもりですが、液体でなければ吸引出来ません。後輩医にも1.5か月では難しいかもと教えられました。私は、今後とも時折吸ってみる方法は取りたいと思いました。でもむしろ、彼のサジェストとしては、マッサージというか圧迫で狗縮したコラーゲンを潰しながら切っていく方が効果的ではないかと云われました。深部が骨なので効果的だと考えます。

ゴージャスな患者さんにイベントを起こしましたから私は戸惑っています。ブログを書きながら文体がバラバラメチャクチャなのはそのせいです。これまで何回も良好な結果を造り上げて来たのに、患者さんはもっと困っています。そこで申し出に応じて、次回術後7週間で修正手術を予定しました。画像もまた頂き経過を提示していきます。

お楽しみに!じゃあなくて巧くいきます様に!。