2023 . 9 . 8

たまには注射系の治療も載せます。とは言ってもPRP療法は単なる再生医療でなく、Augmentation=増量です。

Augmentationとは組織の増量です。顔面の皮膚皮下組織を厚くして形を整えます。PRP注入はいくつかの部位には最適です。PRPとはPlatelet rich Plasmaの略で、訳すと多血小板血清です。自己採血して遠心分離して作ります。血小板は出血を止める血球の一つですが、組織成長因子を含みます。傷が治る際に働くからです。濃度を上げたPRPを注入すると、一度はまず血清の量で組織が増量し、水分は48時間から吸収されていきますが、成長因子も同時に働き、増量した組織が保たれます。ただし一般的には、表皮細胞を成長させて、皮膚(肌)に張りを作る作用が利用されます。この方法で確かに張りは造れますが、たるんで落ちたり、へこんで凹凸となった顔面の形態は治せません。加齢変形でも、顔面の生来の輪郭でその原因が骨格性でも軟部組織性でも、求められる方法は充填です。部位によってはPRP注入が第一選択です。

私は当初から、充填法つまり組織増量に対しての利用を、主目的と考えてきました。なぜなら、美容外科(昭和53年,1978年までは美容整形)に於いて、顔面の増量は従来から主流だったからです。父がよく言いました。「飲む打つ買うじゃなくて、美容医療の主流は”切る打つ入れる”だ。」下品な比喩ですが説明します。”切る”は読んで字のごとく、切開切除後の縫合術です。リフト系や眼瞼切開系など多様です。最近私の中では主たる治療です。”打つ”は注射で注入する方法です。今から50年くらい前まではシリコン注射も使われてました。蜜蝋とパラフィンの混合剤でオルガノーゲンと称する物体はエースのジョーさんに使われました。吸収されない注入剤はどれも、肉芽で包まれてゴツゴツになりました。その後1980年代からコラーゲンが使われました。もちろん吸収性です。ヒアルロン酸も開発されました。今でも注入剤としては主流です。”入れる”は固体を挿入することです。プロてーシスと言いますが、従来外傷性や先天性の欠損には使用されてきました。美容外科では1970年代からシリコンプロテーシスが定番でした。骨の上に硬い固体を挿入することは形態的に問題なく、生体に対しても親和性がない代わりに異物反応も軽微ですから、半永久的です。ただし加齢によって生体が衰えて皮膚や骨が菲薄化したら負担がかかることがあります。私は34年(父の時代から数えたら60年)の経験上から、部位を選べば一生ものだと知っています。亡き母には、何ヶ所かに死ぬまで入っていました。また焼き場で探しても、シリコンはよく焼けるのでも見つけられませんでした。

話がそれました。PRP注入は”打つ”治療ですが、私はシリコンプロテーシスに変わる”入れる”治療でもあるとも考えています。自己採血から作るので、量的には沢山作れます。同じ注入でもヒアルロン酸やコラーゲンより量的に圧倒的に長持ちします。創傷治癒作用から考えてそうです。また浅い層に長持ちする硬いヒアルロン酸を打つとボコボコになるのですが、PRPではなりません。ですから、皮下脂肪層を増量したい頬コケなどでは最適です。また皮下脂肪層も増やしますから、どの層でも使え、骨の上から表皮まで増量できます。つまりシリコンプロテーシスと同じ様な効果が出来ますし、柔らかい部位でも使える便利な”打つ&入れる”治療です。ですから部位的には多様に使えます。それではAugmentationに限って説明します。その鍵は輪郭です。

正面輪郭は逆卵型が理想とされます。ですから耳から頤に架けて顔の横のカーブは緩やかに外突が綺麗です。斜めから見て凹凸があると貧相です。父がいつも言っていました。頬骨が横張って、エラ(人間には鰓はなく正しくは下顎角⦅ただし胎児の時には鰓の原基はあり鰓弓という⦆)が幅があると、その間の頬がこけて上から下に向かってデコボコデコになり、原始人に見える。模式図を見せて「ピテカントロプスだ!。ピテカンちゃん。」とハラスメントしていました。骨格はどうあれ、頬がこけていると寂しい顔立ちとなります。

側面輪郭では目の下のクマが目立つと目立ちます。下眼瞼に目袋が出来るのは、上下眼瞼の特に下の皮膚は薄く脆弱ですから、進展が早く進行するし、骨の上に支持靭帯、筋、Malar fat、眼窩脂肪と眼輪筋と構造が複雑で、緩みが進むと下眼瞼だけが袋状になるのです。日本人をはじめとしたアジア人では白人に比べてMalar Complexが後退している場合が多く、要するにフラットですから、目袋が余計に目立ち瞼頬溝,Orbito Malar groove またはTear Trough(涙型の溝⦅南海トラフと同じ形⦆)が深くなる傾向にあります。側面や斜位から見て段々が見えます。

症例は25歳女性。1年前眼瞼下垂症に対して切らない眼瞼下垂手術を希望され、診察して後天性後葉性眼瞼下垂の診断の下、NILT法をしてお悦びでした。その経過観察中に顔面輪郭が気になった。骨格的には、頬骨幅が130㎜以下で両側の下顎角間も95㎜以下とどちらも大きくない美人の部類。ところがその後、他院で頬の脂肪吸引を受けたら頬がこけた。輪郭が直線的でさらに前方にはエクボも出来る寂しい軟部組織となった。さらに下眼瞼の下の前方のMalar Complex,頬上顎体部=下眼瞼を底辺として鼻の横、頬の外を結ぶ逆三角形の部位の骨格がフラット,平板なのが貧相なのも頬こけに影響している。クマは瞼頬溝がわずかに見える。Malarは骨の変わりに軟部組織をAugmentしてから、クマの溝を同じ高さにするのが綺麗です。顔は横幅がなく前に丸みがあるのが美人の条件です。PRP注入は何回か提案したが、今回時間が取れて改善点を理解されたので3CCを配分して出来ると考えた。上手く分けて、Malarとクマと鼻唇溝に1.4CC、頬こけに1.6CC

画像は各部位を各方向から、注入前、注入後で比べて観ましょう。

正面像では頬の輪郭が明確に変わりました。頬骨弓から頤尖に架けて、特に口角の真横に架けてのカーブが術前は直線的でげっそりしていますが、術後は丸みを帯びて逆さ卵型になりました。下眼瞼のクマ(瞼頬溝)も消失しているのが判ります。Malarの変化は前方からは見えません。

近接画像でも、卵型の輪郭が優しいです。

目だけを隠して下眼瞼から鼻の横=Malarを見てください。瞼頬溝がないだけでなく、フラットでない頬前=Malarが明るい感じです。

やはり4方向が判り易いでしょう。

上列と下列の斜位像ではMalarの丸みが可愛さ倍増です。頬コケは影が消失しました。

側面像ではもっと判り易いでしょう。

Malarはこけていると寂しい雰囲気です。丸みがあると優しい感じです。頬こけはやつれた感じです。丸みのある顔は若々しい雰囲気です。

どの部位でも増量は少量ですが、輪郭が曲線を描くと綺麗です。

注入後2週間で見せて下さいました。遠景を見て下さい。輪郭が卵形です。近景も優しいです。

下眼瞼も見て下さい。くまが埋まっています。

側面蔵像ではMalarに丸みが出来て。

斜位像ではくまが見えません。下顎縁のカーブも優しいでしょう。

そう入ってもPRP注入後2週間は一度減っています。直後は血漿(体液水分)の量だけAugmentしています。水分は48時間後から吸収されます。refilling stage,還流期といって、約2週間かけて吸収されていきます。その間同時に成長因子が働き増量されています。PRP療法は創傷治癒過程を利用していますから、3ヶ月までは消長(波)が有ります。次回をお楽しみに!

注入後1ヶ月で来院されました。ひと目診て、ちゃんと増えています。患者さんも優しく笑顔で答えます。

頬のコケは目立たないままです。Malarもフラットではなく保たれています。鼻唇溝は上方の三角形が埋まっていると線も見えません。

↑右から見ても、↓左から見ても、下顎の輪郭が綺麗で優しい。Malarが柔らかく前に出ていて明るい

なにしろ明るく優しい女子です。美人度倍増しています。

術後3ヶ月です。

注入前と注入後を比べて、3ヶ月の画像を観ると、半量残っています。優しい感じは保っています。

斜位像でも側面像でもげっそり感は診られません。

輪郭も部品も美人には違いありませんから、頬のコケとフラットなMalarを充填するだけで、さらに美人度アップです。

下には注入後半年の画像を頂きました。

まだ半量残っています。何故なら、PRP後に定期的にYAG LASERを照射してきたからです。効くんです。

斜位像でも側面像でも、げっそり感は見られません。

当院では、厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。 医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

PRP作成から注入治療までの料金は1CCが10万円+消費税、2CCでは15万円+消費税ですから、2cc以上がお得です。通常頬こけには1CC以上、瞼頬溝には1CC以下、鼻唇溝には深さによりますが1CC以下で足ります。なお、PRP後のYAG LASERは本来1万円のところ、五千円にしています。