2023 . 6 . 19

眉下切開の提示は久し振りですが、結果は良好です。

眉下切開術は皮膚、皮下脂肪切除術です。前葉性眼瞼下垂症に対する手術で保険適応です。いつも書いていきましたが、眼瞼下垂症手術には診断が重要です。先天性と後天性.前葉性と後葉性を鑑別診断して、手術法を検討するべきです。分類してみます。

先天性前葉性眼瞼下垂症とは、一重瞼の事です。一重瞼は全人類のうち約10分の一に存在する突然変異による異常な形態で開瞼機能を障害します。二重瞼では瞼を開く眼瞼挙筋から枝分かれしたコラーゲン繊維が皮膚に付着していて皮膚も持ち上げるのに対して、一重瞼では遺伝的にその構造が欠如しています。ですから治療法は一言!、重瞼術です。眼瞼挙筋と皮膚を繋げる改良方法です。決して美容目的だけではありません。もちろん目の窓が大きい方がキラキラしますが、視界が良好な方が視情報が多く入るのは当然で、知性も向上するはずですから、重瞼術は機能的目的の手術です。

後天性前葉性眼瞼下垂症とは、先天性が有ろうが無かろうが、加齢に因る皮膚、眼輪筋の伸展を言います。上眼瞼の皮膚は体中で最も薄く、だから早期に伸びてきます。持ち上げてみて取る幅を決めるか、二重瞼を広げて引き上げるかが求められます。

先天性後葉性眼瞼下垂症は、眼瞼挙筋の筋力が生来弱く産まれた人です。第一眼位で角膜が隠れるほどの重症例は、生下時後の早期の少なくとも3歳までの視力が発達していくのを阻害しない様に手術をするべきです。軽症から中等症では見過ごされている人も多いのですが、成長後困る様になる前に治すべきです。たまに成人後来院されて難しい手術を要請されます。

後天性後葉性眼瞼下垂症は、加齢により眼瞼挙筋が伸びた状態です。伸びると今までと同じ力で挙筋が収縮しても瞼縁が挙がらなくなり、前より力を要するので疲れてきます。いわゆる眼精疲労です。加齢が原因の一つですが、コンタクトレンズ装用が加速します。後天性後葉性眼瞼下垂症の原因の大部分を占めている印象です。手術法は、眼瞼挙筋腱膜を瞼板と繋ぎ直す、挙筋修復術ですが、眼瞼結膜側から糸だけで止める方法と皮膚側から侵入して縫い止める方法があります。

鑑別法ですが、前葉性は診て判ります。ブジーを当てて重瞼を引き上げてみたり、手指で皮膚を引き上げてみたりしてシミュレーションすれば、結果も見えます。二重瞼で後天性前葉性が進行した場合は眉下での皮膚切除も可能です。手指で引き上げたら切除量を決められます。後葉性の鑑別診断法は二法を併用します。挙筋筋力が正常域なら先天性ではなく、またフェニレフリンテストで挙がれば後天性が主体です。両者の合併症例もありますが、いずれにしても手術法は使い分けなければなりません。眼瞼結膜側からの修復術(LT法)を先天性に施行しても、早期に戻ります。

今回は重兼が狭い先天性前葉性が軽度存じている症例が加齢で荒天的に皮膚が伸びて開瞼が低下したために、前葉性に対して眉下で皮膚、皮下脂肪を切除して上眼瞼を引き上げました。切開手術なので保険適応ですが、好意でブログ提示を許諾されました。ありがとうございます。

症例は34歳女性。初回のカルテを移します。これまでの美容医療で上眼瞼切開脂肪除去は受けている。重瞼は狭い。LF,Lwvator Function挙筋筋力(正しくは滑動距離)は12㎜で先天性後葉性はなく、皮膚が弛んだ前葉性です。眉下で眉を挙げる5㎜切除が可能。

術直前の確認。眉下5㎜幅切除。眉は描く。眉尻は流れで下げる。

画像は眼瞼部を順に。

上左図は術前。上右図はデザイン中。眉頭と眉尻は点まで切除します。

上右図は術直後。上右図は術後6日で抜糸しました。視界が広くなりましたとおっしゃる。眉下の傷跡の赤い線は薄くなり始めました。

術後3週間ですが、赤い線はさらに消えつつあります。まだ腫れが若干残っています。

術後1ヶ月半ですが赤い線は消えてきました。もちろん幅はゼロに等しいです。

術後3ヶ月で完成を診ましょう。

遠近二葉で診ましょう。上左図の遠景ではキリッと開いています。上右図の近景では重瞼がきれいです。

左の眉がちょっと挙がっていて、重瞼が広く写っています。開瞼にも差が診られますがそのためです。傷痕はまだ赤いのですが、必ず白い線になります。

当院では、厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。

施術のリスク・副作用について:・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えます。眉下切開術は眼瞼下垂手術の一種ですから、保険診療です。点数で6000点×2=12000点。出来高請求で薬剤代等込みですから、3割負担で約4万円です。モニターでもこの費用をカットしてはいけないとの厚労省からのお達しですが、個人情報提供のための同意書は頂いています。つまりこのブログ提示はご好意です。ありがとうございます。