先週に続き、若年者の重瞼術埋没法=MT法の症例を提示します。
症例:17歳、女子 蒙古襞が強いため、3年前に目頭切開とMT法をしています。今回MT法をします。
左図が術前
上左図が術直前の近接像、上右図が術直後の近接像です。ちなみに目頭切開の跡は見えません。
上図は術後冷却後です。ダウンタイムは皆無に近いです。
今回の症例は、若年者ですが、やはり母親が患者さんでした。一重瞼はルックスとして物足りないだけでなく、眼瞼下垂を伴なっている場合が多いので、治すように奨めたとのことです。
巷間では、若年者(成人前)の患者さんに対する美容外科手術は好ましくないという意見も聴かれますが、この観点で考えなおしてください。眼瞼下垂は先天性異常です。何度も言いますがアジア人に特有の遺伝子異常です。人類約70億人の中では、マイノリティーなのです。約2万年前に東アジアで発生した突然変異が蔓延したと考えられています。
したがって、一重瞼を二重瞼に戻す(あえて戻すといいます。)重瞼術は積極的に受けるべきだと思います。少なくとも、私どもの様に長年形成外科と美容外科の診療、研究、教育に携わってきた医師としては、医学的には正しい医療だと考えます。
これも毎回述べるところですが、日本では、美容外科診療を忌避する世相があります。保険診療の医療は正しくて、自費診療の美容外科はアヤシイとする風潮があるようですが、これはマスコミが面白がっているだけで、欧米ではこんなことはありません。
これからは、ちゃんとした医療なら、自費でも、保険でも享受されるようにした方がいいと思います。などとまた、小難しいことばかり書いてしまいましたが、この経過を見て、「こんなに楽に受けられるのね!。」と言いつつ、来院される患者さんがたくさんいらっしゃるというのは事実です。
本日が術後1週間で、写メを送ってくださいました。まったく腫脹がなく、開瞼は良好で、二重の形も可愛いですね。よくある可愛い目元にできました。
彼女は、サッカーをしているそうで、やはり眼瞼下垂状態では視野が狭くて、プレーの質を低下させていたと認識されているようです。今回手術を受けて、プレーの向上がもたらせられるといいですね。
そういえば、ワールドカップの総括をするのを忘れていました。眼瞼下垂がもたらした1次リーグ敗退をテーマにいずれ説明したいと思います。