今回はよく行われる埋没法の重瞼術の症例です。経過を継時的に提示します。なんと経過が楽なんでしょう。ダウンタイムが皆無に等しいといえます。
まずは下左図が術前で、目を開くのが辛そうです。下右図が術直後です。ちょっと腫れています。
下左図は術後約1時間で腫れもほとんど見られません。下右図は1週間です。可愛いですね!。
美容医療とは形成外科と美容外科を主体として考えればいいのですが、本来、美容医療とは、形態(見た目)の改善を目的とした医療分野を総称して言っているだけで、標榜できる科目名ではありません。但し数年前に標榜科目名の認可法が変更され、組み合わせで科目名を標榜することが可能となったので、美容皮膚科という科目名も使えます。皮膚科医療では、重度の疾患の頻度が低いので、あまり仕事がないので最近では、美容皮膚科への参入が多くみられるようになったのでしょう。そのうち、耳鼻科や眼科が美容を上に付けるかもしれません。ちなみに整形外科は顔面の外傷疾病治療をしない科目なので、美容を付けられないはずで、美容整形外科はあり得ないはずです。
前置きが長くなりましたが、私は幼少時から美容外科医になることを感じていました。これまでテーマ「美容医療の神髄ー歴史的経緯」でも、記述の端端を見てお解りだと思います。私は美容外科医であることを宿命と考え、一生涯美容外科を全うしたいと夢見ています。
今回の症例は幼少時から、逆さ睫毛でお困りだった患者さん。一度埋没法で重瞼術を受けた後は、改善が見られていたが、二重を広げる希望で20歳になったのをきっかけに、もういちど重瞼術を行った患者さんです。母親も当院での症例で娘さんにおすすめいただいたのです。私は26年間の美容外科医としての診療をしてきました。その間に、このように親子での症例は昔から少なからず経験しています。ましてや父が美容外科診療を始めたのは、52年前ですから、父が親を、私が子を診療した症例集は数え切れほどあります。
美容医療の中でも、重瞼術は機能的要求が伴うものです。この症例でも逆さ睫毛が主訴の一つです。逆さ睫毛は、眼瞼下垂を伴なっていることが多いのですが、一重まぶたまたは、奥二重、またはメ細工等でできた浅い折れ返りだけの二重まぶたもどきでは、皮膚性の眼瞼下垂をほとんどが伴なっていて、逆さ睫毛も当然に伴っています。そして、この原因は、一重瞼というアジア人特有の構造的問題があるからです。
何度も言いましたが、生物としての人間は本来二重まぶただったのですが、アジア人に異常遺伝子が発生してアジア人に継代されてきたのです。この構造は機能的損失を伴うので、改良するべきなのです。この異常は、日本では半分近くの人口に蔓延しています。疾病なら機能的損失の予防として、予防接種の様に国家が担保して、医療に誘導して欲しいのですが、さすがに費用的に余裕はありませんので、これまで有史以来行われてきませんでした。
それに、日本では、美容医療に対する曲がった観念が強いので避けられる傾向がありました。これまで、テーマ「美容医療の神髄ー歴史的経緯」で触れてきましたが、この原因の一端は前世代が取ったアヤシイ美容整形に対する批判的評判の結果であることは、否めません。私はそれを糧として育てられたわけです。ですから逆に、より良い美容医療を、「医療」として遂行していきたい気持ちです。いや、それが私の生涯一美容外科医としての勤めであります。
今回のケースは親の世代が、良質な美容医療を享受してきた世代ですから、美容医療に対する有用性(=有効性>有害性)の認識が高く、むしろ楽しんでいる感覚があります。それだけに満足感が高く、我々としても達成感が高いです。
またまた、振りかぶって難しいことばかり述べてしまいましたが、要するに、みなさんよい結果をもたらす美容医療を提供したいとの誓いを述べたまでです。