今回の症例は、解り易い題名の割になかなか結果が見えない症例です。
上左図から時計回りに、術前、術直後、術後2週間、術後4週間です。
術前と術後の変化は明瞭です。題名にありますが、目が離れている(球が離れているだけでなく、窓が離れている。)のは、蒙古襞が残存しているからです。一重まぶたのため、眼瞼下垂症状を呈している(開眼時に前頭筋が収縮し、眉毛が挙がっている)から、眠そうな顔つき。
以上の術前の状態を手術で改善したら、形態的に良くなるだけでなく、目の窓が大きくなれば、視界が広がり、機能的改善が得られる筈なのは、私達にとっては分かり切ったことです。
手術は、切開法による眼瞼挙筋前転術と二重瞼形成による皮膚性眼瞼下垂の改良術。蒙古襞による内眼角拘縮の解除=切除を伴わないZ−形成法による目頭切開手術です。
切開術直後は創があり、腫脹もあり、挙筋も強過ぎて、結果とは言え無いのは皆様ご存知だと思います。1週間で抜糸しても、創跡はまだ目立つし、腫脹もかなり残っています。開瞼はオーバーです。今回は提示しませんでした。
いよいよ2週間で画像をいただくと、まあまあです。黒目の上はちゃんと隠れています。二重の上の皮膚軟部組織のぶくっとした腫れも取れて来ています。創跡は赤い線ですが、もちろんメイクで隠せます。さらに目頭の形は、術直後(上右図)は鋭角に尖っていたのですが、2週間後(下右図)では、適度に丸く自然な形です。蒙古襞に因る吊り目状態も解消しています。
さらに4週間で、よりよい形を予想していたのですが、下左図の様に右眉毛が挙がり、なんか不自然な表情に見えます。だから、動画を撮りたかったのに!。たぶんダイナミックな(動的と訳します。)表情としては、自然に動いていると思います。瞬きも、見つめる動作も、話しながらの目線の動かし方も自然に出来ている筈です。もしそれが平常心で出来ていて、弱々しい目元で無いのが現せたら、手術結果は大成功です。
もう一度近接像で術前術後を並べてみます。
上左図が術前の左側のデザイン。上右図が術直後に縫合直後の左側。下左図が術後2週間の左側。下右図が術後2週間の右側です。
創跡は2週間では赤いだけです。やはり、右の方が眉毛が挙がっています。
いつもの通りZ−形成法による目頭切開術は自然な形を作り出せます。いいですか!自然な形は自然界の標準的な形態を呈しているということです。この様な症例では、何もしなければ蒙古襞が突っ張っていてまぶたが開きにくい。機能的に異常な状態です。つまり不自然な形態です。間違って出来た構造は、神のいたずらです。神様が意図した形態ではなく、神のしもべである人間が治してあげなければなりません。そうして自然に戻してあげなければなりません。だから、欧米のキリスト教圏では、神の作り賜うた人が、人を改善することは神の思し召しとして善行とされます。だから美容医療の一部としての形成外科・美容外科医療は善行とされるのです。そして美は形態の完成系ですが、これを真実の愛と考えるのです。私達は、神の説く真・善・美を体験できるのが美容医療であると考えます。
またまた、すごーく振りかぶったブログですねえ!っと言われるのは承知です。それだけ真面目に美容医療に取り組んでいるのです。
とは言え結果がもう一つ見えない。本症例の動画を提示できる様にしたいと思いますので、お楽しみに!