白唇部短縮術と口角挙上術を併施した症例の2週間目の画像から提示します。
何故か口唇短縮術と口角挙上術の組み合わせのブログ提示が続いています。ブログ提示の承諾(いわゆるモニター)を得られればさらに20%offとなります。しかも口周りの手術は、局所画像だけなら顔が判らないので、ブログ提示してもばれない部位の手術でもあります。それだけでなく、患者さんはブログの画像提示をご覧いただいてから来院されるのですが、ちゃんと経過を追って画像提示しているクリニックは少ない様です。だから私の画像提示はウソがないので信用出来ると捉える患者さんが多い様です。
症例は26歳、女性。ご覧の様に歯列矯正中ですがそれは前後位置で、上下長を治したい形態。内眼角間30mm、鼻翼幅36mm、白唇長17mmと長いし、鼻の幅もある。相対的に唇の横長も短い。逆に横長に比して厚みはある。
評価;まずどう見ても長い。だから切りたい。鼻の下だけの白唇を切除すると口角が下がって見えるので口角リフトは必要です。鼻翼のサイズがあるのですが、顔面とのバランスはよい。唇を大きくしたいなら、口角リフトのデザインを検討した結果斜め方向45度に向かってあげたらいいのではないか。さらにシミュレーションして、切除は口が閉じるギリギリの7mm。口角は8×8mm頬骨弓方向へつまり45度方向に引き上げると同時に内側に向けて丸く増やすデザインにしました。
もう一度術前の正面像と右側面像を提示します。
鼻の下が長いのは一見して確かです。なんか下顔面が間延びしている。特に側面像でエステティックラインがゼロなのに鼻の下が長いのでバランスが白唇がべたっとしている。もう一つ唇の裏返りは少々足りないので、白唇部切除の深さは口輪筋までではなく皮下脂肪層内に留めて、軽く外反させる事にしました。
術直後の正面像はすごい画像となります。腫脹が起きます。口はしゃべる食べる為にいつも動くから、血流が豊富でなければならないのです。顔面には多量の血液が流れます。特に口周りは動静脈が豊富ですから、術後も血が滲むのです。実際術中に口唇動脈は見えました。丁寧に三層縫合するのですが、縫合するから血が止まるのではありません。隙間から滲み出ます。でも、血が滲み出る隙間はほとんどないので、皮下組織内に流れます。それが激しい腫脹になるのです。ただし鼻の下の創はピッタリ寄せられています。いや本当は二層目の真皮縫合をする時点でピッタリ寄っていました。美容目的で顔の前方を切開する手術は数少ないのですが、目立ったら嫌だから当然です。だからこの手術は、形成外科医の独壇場だといえます。真皮縫合が重要です。真皮縫合で真皮層を寄せ続けないと幅ができてしまうのです。引っ張られて広がるので当初は線だったのがツルッとした帯が出来てしまうのです。これが他の外科系が縫合した創跡が目立つ原因です。実は顔面は上に述べた様に血行がいいので、形成外科医が真皮縫合して、真皮層が一度くっ付いたら広がらない部位なのです。
日本では開業時に診療科目を選ぶのに、修養した科目の証明を要しません。法律の不備なんですが、先進国では日本だけです。だから、形成外科や美容外科を開業するのに形成外科・美容外科を修練していない医師でも診療しています。昨日まで麻酔科医だった医師でも今日から美容外科医を名乗れます。だから形成外科の修練をしないで顔面を切る医師が横行しています。医療制度上の不備です。日本は酷い国なんです。
もう一度術後2週間の画像を提示します。まだまだ創跡は目立ちます。本症例は白唇部も口角も切除量が多いので、当然の如くダウンタイムは長引きます。でも形は見えて来ました。運動も回復して、表情としてはなかなかいい。とにかく、創跡は目立たなくなります。それにもちろん既に抜糸後にはメイクで隠せます。これまで提示した症例をご覧いただけばお判りだと思います。次回術後一ヶ月目の形態的評価をお楽しみに!