今回の症例では、まず術後4週間の画像で美しい外鼻形態の説明をします。ポイントはダイやモンド型の鼻尖です。外鼻は全体のバランスが求められますから、目隠しで鼻稜まで描出します。
正面画像でのダイヤモンド型とは鼻尖の周りにある影がタイやモンド型です。上左画像で鼻尖真ん中にあるハイライトが凸。両側ダークです。影の形は上方に向かってすぼまり、下方は鼻柱に向かって細くなるのですぼまっています。上右図はこれをトレースしました。
鼻尖を下から見てもダイヤモンド型です。前方凸はもちろん強調して作り上げました。鼻尖の両側のくびれから鼻柱に向かっては細くなるので影ができます。鼻柱の皮膚は濃いので逆ハート型みたいになっていますが、ダイヤモンド型にカットされた形と言っておきます。
本来鼻スジ(鼻稜)はまっすぐが美的です。鼻根が低いジャンプ台型だと野暮ったく貧乏くさい。鼻骨先端部が高くて鼻尖が下がると強い鷲鼻=意地悪っぽくなります。また鼻陵がストレートで鼻尖の上がちょっと下がってから鼻尖がツンッとしているのがアップノーズです。白人の可愛い鼻です。日本人(アジア人)に多い鼻尖が情報にある形はショートノーズです。
なお鼻尖の上下の位置は、上口唇(白唇部)と鼻柱との角度=鼻唇角が90〜110度が美しいとされます。下がりすぎるは魔女鼻に、上がりすぎは馬鹿っぽく見えます。 本症例は105度と理想的にできました。
症例は鷲鼻でした。鷲鼻とは鼻尖が鼻稜線の延長線上になくく徐々に下がっていく形です。これを治すためには鼻尖を鼻稜の延長線上の高さに持っていくのですが、その鼻尖のcontourがダイヤモンド型に作らないと不自然になります。また、鼻翼の付け根は大きくないのに丸く張り出している症例です。このような例は多くありません。鼻翼の大きな人の多くは全体の幅が大きいのです。その場合付け根を辻める必要がありますが、丸く張り出してる例ではその部分を切除する手術が適応になります。下図が術前です。
鼻尖のポジションとシェイプを作り上げるのためには軟骨を移植して増大するので、その方向と形態とサイズのデザインを提示します。鼻尖の美しさは移植軟骨の形成に左右されます。今もは軟骨の形を紙上で2次元画像化してみたシェーマを載せて、術前と術後4週間を比較しダイヤモンド型になったのを説明します。
耳介の中でも外耳孔の後部の耳甲介から取ります。厚さも1mmとほぼ一定しています。今回は10×15mm採取しました。まず耳介軟骨を3枚に切り分けます。
土台が縦10㎜横8mmのダイアモンド型。2枚目が鼻柱方向を増量するためで縦はやはり10㎜で幅は6mm。3枚目は鼻尖をとがらせるための3段目で、3×4mmとしました。
これを3段重ねにします。3枚をナイロン糸で縫合します。
上左図が正面から見た模式図。上な数が横から見た模式図。上右図が下から見た模式図です。形は判りますよね。そこで本物の術前と軟骨の模式図と術後4週間の画像と比較してみます。
正面像です。耳甲介からの移植軟骨が入った結果丸い鼻尖が小さく尖がっています。これがダイアモンド型です。
側面像です。移植軟骨の形が鼻尖の高さと形を改善しているのが解かります。術前と術後では鼻尖の下の長さに明らかな差が見られます。デザイン通りの形が作り上げられました。
下面像です。移植軟骨分の高さとシェイプが変化しました。一見すると尖りすぎていますが、下から見ればの話しです。
4週間経ましたが完成にははまだまだかかります。軟骨が生存し定着して位置が決まるのに(縫い付けてもずれる可能性はある。)最低3週間、覆う皮膚が意図したような形に癒合するのにも3週間はかかりました。今回は術後の変遷は提示しませんでしたが、そのような形に癒着して来たのが画像で見られますよね。これも毎回経過を診て来ているから知っている事です。しかし美しい!
更に皮膚の腫脹が無くなり、移植軟骨の形態が透けて見えないか、3ヶ月までは診ましょう。ダイヤモンド型は定着するでしょうが、はっきりしすぎないかが見所です。