2017 . 5 . 15

上口唇(白唇部)短縮術=鼻下切除術が流行です。4週間の経過を魅せます。

1年程前から流行となった上口唇短縮術の画像だけ羅列します。何故流行しているのか、それはもちろんこのブログでの情報提供活動の賜物です。

ブログは現在のところ、宣伝広告とは見做されません。費用を払ってバナーを作っている場合は広告ですが、当院のホームページやブログは作成費用だけしか負担していませんから、広告宣伝ではありません。あくまでも情報提供です。

そして情報いうよりは、知識を披歴しているつもりです。知識は真実を説明します。事実は画像で提示します。提示許可の症例にはサービスしていますが、こちらで選んでいるのではありません。

もちろんブログに症例を提示する目的は患者さんに結果の良しあしを認識していていただきたいからです。そして経過も予め理解していていただき診療に臨むためのスケデュール調整にも役立てていただきたいからです。

ただしその目的は患者さんの誘因を唯一の目的としているのではありません。他院では経過を提示せずに、しかも良好な長期的結果の症例だけ提示していますから、これは誘因行為に非ずして何でしょう?。私はうそのない症例提示を心掛けています。

では本手術における私の優位性は何か?、それは後段に記すとして、まずは症例提示をします。

症例は50歳代の女性。加齢に伴い弛緩し、口唇長18㎜となる。口角が余り下がっていない 。デザインは鼻翼基部〜鼻翼基部で可能。裏返りを僅かに求めて皮下脂肪層半層まで切除のプランとしました。

百聞は一見に如かずということで、まずは画像を流していきます。流すと言っても動画ではありませんので悪しからず。日めくりです。

術前の正面層と右側面像。デザイン図=切除は4㎜です。

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下に術直後の画像。創は目立ちます。腫脹も起きます。

DSC00779DSC00781DSC00778下に術翌日の画像。腫脹が亢進します。併して運動障害も生じます。でも静的形態は良好化しています。

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1週間で抜糸しました。まだ創跡は赤い線です。腫脹の改善は早いで方です。運動障害は解消しつつあります。(だから動画が欲しかったのですが・・。)

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術後2週間ではメイクして来院されました。創跡は隠せて生活に支障はないそうです。まだ創跡周囲の組織が硬く自覚症状は感じるそうですが、運動痛や運動障害はないそうです。

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そして術後4週間で撮影させていただきました。今回はノーメイクです。さすがに傷跡はまだ赤い線が診られますが、まったく幅は出ていません。

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とにかく形態的に良好で、しかも傷跡も目立たないのでお悦びです。口唇の白唇から赤唇の外反度も短くなった分傾斜が変わり、赤唇はわずかに厚みが出ました。品の良い程度に裏返っています。とても50歳代に見えなく、なかなかセクシーです。術前からの計画通り、相対的な口角の下垂は見られません。

それでは、私の行うこの手術のポイントを説明します。口唇(白唇部)短縮術=切除術は、顔の前を切開する数少ない美容医療の手術です。ですから手術の有用性は、何と言ってもいかに傷痕が目立たなくなるかに尽きます。有用性とは有効性と有害事象のバランスです。有効性はあるに決まっている手術です。加齢に伴って伸びるから短縮させたいし、若いのに鼻の下が伸びている症例は言葉の通り間抜けで品に欠けます。治したい人はたくさん居るのに、傷が見える部分だからにわかには受けられません。

そこで何と言っても真皮縫合の優劣が左右します。この手術でも縫合は3層します。筋縫合、真皮縫合、皮膚縫合の順ですが、真皮縫合の終了した時点で傷が隙間なく合わさっていれば、傷跡の幅が中期的に拡がりません。この技術は、形成外科医の修練でしか身に着けられません。

日本はやばい国で、形成外科医療を修練していなくても美容外科を開業できる世界でもまれな医療制度を制定しています。政治の不作為です。だから、非形成外科医が美容外科を開業して、広告宣伝に頼って技術が伴わないのに切開手術をします。当院にも他院で受けて傷跡の幅が広がった人がひっきりなしに来院します。そして私が治しています。

これは誘因行為ではありません。むしろ義憤を持って記しています。いずれは形成外科を修めないと美容外科を開業できない時代が来るでしょう。それまではこのブログの様なうそのない症例提示と事実の記載を頼りに来院されるしかないでしょう。

また大段から振りかぶって書いてみました。それもこれも、本症例の患者さんが大変に満足して頂いているからです。ありがとうございます。