今夏に休みを利用して手術を受けた患者さんが沢山いらっしゃいます。毎日の様にいい手術をしていました。それは、眼瞼下垂手術&重瞼術切開法と蒙古襞の拘縮解除する目頭切開手術:一辺4mm60度のZ-形成法の併施です。術後経過を診るたびに明るい。明るいのは目元のキラキラ感でした。
眼瞼の切開手術は、保険診療になりますが、目頭切開Z−形成法は自費診療になります。でも併施した方が自然です。何故なら、一重瞼と二重瞼の人では、蒙古襞の平均的な被さりと突っ張りが明らかに違うからです。一重瞼を二重瞼にしたのに蒙古襞が被さって突っ張っているのを治さないと、自然状態にはあり得ない動的形態になります。それを不自然というのです。
機能的形態が変わるのは、当然に変えたいから手術を受けるのですが、自然状態にあり得る状態に模っていかないとなんか変なままになります。患者さんが自然にと言うならば、自然状態にあり得る形態に変えるのが良い美容形成外科医です。でも費用がかさむので20%オフにするブログ掲載症例が多発します。だから今夏は掲示症例が多かったのですが、全例3か月を目処に画像を戴いていますから、11月になって再掲させていただいています。
症例は28歳、女性。先天性には奥二重で3年前埋没法を受けたが右側は約1年で浅くなった。LF11.5mmと軽度の先天性眼瞼下垂症で、ソフトコンタクトレンズを4年使用したために後天性眼瞼下垂症も合併している。眼裂横径24mm、内眼角間35mm、角膜中心間55mmと蒙古襞の被さりが強く、拘縮も強い。三白眼も呈しているし、開瞼時に前頭筋も収縮して眉を挙げている。
切開法で重瞼を定着させたいから受診。ラインは変えなくてよい。挙筋はLT法で強化できる。蒙古襞の拘縮のために、吊り目状態で内側の白目が隠れているし、黒目の上に掛っているのを解除しないと不自然な形態になるし、眼瞼下垂手術と重瞼術の効果を阻害するため、拘縮解除を目的としてZ-形成法による目頭切開を予定した。
術前、術直後、術後1週間、術後6週間、術後3か月の画像を並べます。術後経過がよく判りますよね。眼瞼の形態は明らかに改善していて、特に内側方面が丸く挙がったので吊り目が解消して、アーモンドアイになりました。そうです。そうしました。これがきれいな目の窓でしょ?。私はよくできたと思います。
続いて近接画像です。
ついで近接像。上段に右眼瞼、中段に左眼瞼。左から術前、術直後、術後1週間、術後3週間。
下段に術後3か月の左右眼瞼。エクステンションアイラッシュを着けてきてくれました。綺麗な二重がクッキリとはいり込み、パッチリと開いている目元に見つめられる様です。三白眼も解消して、前頭筋の代償性収縮による眉毛の挙がりも緩和されて目元がキリッとしました。目頭の創跡ももう目立ちません。これが術後3か月の結果です。
本症例は最近のZ-形成術による目頭切開手術の中でも、術後の肥厚性瘢痕が比較的目立った症例でした。6週間がポイントなのは、その時点がピークな症例があるからです。膨らみと赤みの程度の差はあれど、時期的に3か月で目立たなくなるのは標準的な経過です。目頭付近では余計なコラーゲンを創跡の上に盛ってしまいます。これが別名ケロイドもどき、本名は肥厚性瘢痕といいます。傷跡の線が赤く盛り上がる状態です。
創跡に縦方向の力が掛かると出来るのですから、目頭切開を三日月型切開して縦に弧状の傷跡を残すと必発で、結果的に拘縮が残ります。今でもやっちゃう美容整形屋がいます。そこで私達形成美容外科医は縦の傷跡を避けるデザインを探してきました。まずW-形成法です。でも一部に縦方向の傷跡が残ります。50%くらいの症例で肥厚性瘢痕を生じました。今から20年ほど前にZ-形成術が応用されました。当院ではさらにデザインを工夫して、現在まで駆使しています。縦方向の傷跡は無いので、肥厚性瘢痕は出来にくい筈ですが、ご覧のとおり斜めの創跡はあるので軽い肥厚性瘢痕は起き得ます。軽い程度なら約50%に起きます。肥厚性瘢痕は約3か月で平らになって発赤も消え、白い線になります。本症例では術後3か月で肥厚性瘢痕は軽快しています。実は患者さんが早く治したいのでステロイド注射を受けたからです。
もう一度術前と術後3か月の画像を比較して下さい。
印象が違います。術後3か月の画像では形態的に可愛くて、開瞼機能的に良くできています。今や14㎜のカラコンしなくても黒目の露出が増えました。代わりにエクステが良く乗っています。可愛いです。