2018 . 12 . 19

白唇部短縮術だけにしようか?、口角挙上術も受けようか?、迷った結果は?。良かったんじゃない!

私は最多症例数の口周りの手術をして来ていると思われます。要因は丁寧に時間を掛けて手術出来る環境が整っているからです。診察して計測して、適応を決めるのにも、デザインを検討するのにも時間を掛けます。医療スタッフの充実も寄与しています。

とにかく丁寧に縫合しないと、創跡が拡がって後戻りします。患者さんの中には、未だに創跡が後で拡がる事があるのを知らない者が居り、説明に苦慮します。でも私は説明抜きに襟を正して、拡がらない様に一生賢明に縫合します。ただしその為の技術は、形成外科医療を研鑽しなければ身に付きません。いきなり美容外科に就職したり、他科研修後いきなり美容外科に転科した医師しか居ない、チェーン店の美容外科(TVCM中)には、形成外科的技術は求められません。一時は彼等も手を出していました後戻りが続出しました。トラブル続出だった様です。SNS上も騒がしかった様です。だからといって私もいっしょくたんにしないで欲しいものです。

今年もわずかあと一週間です。年100例以上の口周りの手術をしてきました。その中で創跡が広がったのは3例だけです。測っていますから数字が証明しています。SNS上でも画像が証明しています。そして年末になって、今回口周りの手術がまた進歩しました。患者さんの御陰です。新展開です。これも多数症例を手術して来た途上の一つの道標かも知れません。これからもまだまだ進化して行きたいと思います

症例は32歳の女性。白唇中央部の長さが16㎜だが、E-ラインより口が5㎜前方で長さが強調されている。歯牙と歯槽共に前突。そのため白唇が内反型。現在歯科矯正中。555765。24:31で上が4㎜長い。人中と弓と口唇結節作りたい。5㎜切除でも閉口不能となるが、術前に既に下口唇は力が入っていて頤は梅干し状態である。数字的には5㎜切除を適応。外反(C−カール)させる。人中が浅く、弓はなだらかなので1㎜寄せて、強調したい。

予約の段階では、先ずは白唇部短縮術単独施行を希望されました。既に口角は下がっているし、口が出ているから、横に拡げると余計に目立つとの危惧を持たれていたからです。私も二段階で施行してもいいと考えました。ところが、手術当日になってやはりしたいかと申告されました。手術時間のタイムスケデュールは変えられません。翌日は時間が残っています。そこで二日続けての手術なら可能と思いました。

これまでに眼瞼切開は受けているから内眼角間は参考にしない。下顔面に余白がありリフトも検討している。口角は下がっている鼻翼幅33㎜:口唇幅43㎜で黄金比率に合わせると口唇が6㎜小さい。口角は頬骨隆起方向に5㎜を予定した。ただし白唇部短縮術を施行して口唇が腫れるとデザインが難しい。そこで、一日目に口角もマーキングしておこうと考えました。ピオクタニンインクを25G針に付けて入れ墨しておいて、さらに切開を浅くとレースしておけば翌日まで消えないと考えました。

さらに、術直前に診ると鼻翼基部と赤唇縁の距離に左右差がありました。計ってみると1.5mmの差があります。そこで初めて左右の切除量を変えました。画像をご覧ください。ただしその分赤唇の厚さにも左右差がありますから、どうなるかは結果をお楽しみに。

IMG_2865IMG_2870正面像を視て下さい。上の診察所見が判りますよね。両側の鼻翼基部から垂線下の赤唇縁まで測りました。赤唇の厚さにも左右差があります。

IMG_2866IMG_2869右斜位像と左側面像ではE-ラインが判ります。口角の位置も判ります。

IMG_2874白唇部切除は右最大4.5mm:左最大6mmとしました。口角の斜め上の点はまだペンだけのマーキングです。

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術直後の正面像と近接画像。下からも撮りました。創の位置が判るでしょ?。本症例は術直後には、もちろん口は閉じられません。そして、赤唇縁の高さと赤唇の厚さはかなり対称的に出来ました。微妙に赤唇の厚さには差が残りましたが、経過を診ないと何とも言えません。

尚、口角から斜め上に向けて口角挙上術のデザインのマーキングがトレースしてあります。

IMG_2880IMG_2883側面像で診ると、白唇部短縮術の術直後で口唇中央と口角の相対的な位置関係はさらに口角が下がっています。E-ラインと口の関係は変わっていませんが、短くなると両顎前突に因る口周りの突出が軽減して見えます。

そして翌日です。なお口角の位置は、翌日診ても左右差がありません。同じ方向に同じ量挙げることにしました。デザイン画を撮り忘れました。口角から斜め上に向けて三角形に皮膚を切除し、口角部の赤唇を吊り上げて縫合しました。

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赤唇が白くなっているのは麻酔薬に止血の為に血管収縮剤としてアドレナリンを配合しているからです。数時間で赤さを取り戻し赤唇に形が見えて来ます。

鼻翼は横にも下にも引っ張られています。数週間で元の位置に戻ります。

IMG_2909IMG_2914側面像での上下赤唇交連は口が閉じないので不明ですが、口角との相対的位置関係は口角が挙がっています。

白唇短縮術の48時間後、口角挙上術の24時間後の画像も戴きました。

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白唇全体に腫脹は口唇します。いつも記して来た様に、48時間がピークです。口角部の赤唇は白かったのですが、アドレナリンが抜けて血管が拡がり今度は内出血してきました。紫色です。まだ口角の横の皮膚には波及していませんが、48時間までは広がる事もあります。吸収には2週間罹るでしょう。

本症例は面白い点が二つありました。

一つは、白唇短縮術と口角挙上術を一日置いて施行しました。こちらの都合でもあり、患者さんが迷っていたから仕方ないのですが、一日目の手術で腫れたら二日目のデザインが計測不能となる為に私は頭を使いました。ピオクタニンインクの入れ墨と、真皮層をなぞる#15knife(英語ではメスとは言わない)でのデザインのトレースを、一日目のデザイン時にしておいて二日目まで消えませんでした。だから予定通りのデザインで手術出来ました。たぶんこれ以上日を置いたら消えてしまい、腫脹が取れるまでは出来ないのです。

もう一つ、両側の鼻翼基部から赤唇縁の距離が非対称で、左右の切除量を変えました。結果的に口が曲がってなくなりました。実は以前に口唇裂の術後患者さんに片側の白唇短縮術をした事があります。口唇裂は先天性疾患で、生後早期に手術します。授乳や摂食が困難だからです。ところが創跡の線は成長が不良となる為、白唇の長さに差が付きます。片側が落ちたり鼻も曲がったりします。一次手術でオーバーコレクションする手術法(ミラード法が代表)もありますが、変化は個体差がありやはり曲がることがあります。過日当院に手伝いに来ている形成外科医との議論しました。白唇長の左右差は切除幅を変えて治せるでしょう?。今までなんでこれをしなかったのか二人で首を傾げました。白唇短縮術は口唇裂二次修正にも使えます。もう一人手伝いに来ているTk大形成外科准教授も利用してみようと、私と議論の上利用しようと考えたそうで、私に術式の教えを請いました。まだ利用していないそうですが、今後口唇裂二次修正のスタンダードになるのではないでしょうか?。本症例では左右差が明白でしたし見えました。切除幅に左右差を付けたら対称性が作れました。もちろん腫脹の軽減が影響しますから、今後の経過次第です。

いくつかの面で新展開が視られましたので、ブログ提示が遅れました。もう数日経て、術後1週間の抜糸後の画像で変化を診ましょう。

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赤唇縁の形は見事に対称的になりました。赤唇の厚さはも非対称性が目立たなくなりました。鼻翼基部下の垂線で赤唇縁までを計ると両側14.5で等距離でした。そりゃあそうです。術直前に計って、左右の切除量を変えたのでその通りの結果が得られています。

ただし今回口角の対称性は作りませんでした。診察時に触れていないことだからです。急な話なので術前には計りませんでした。

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今回計ると、人中部9.5mm(あれ切除した分より短い!)口角から鼻翼基部は右23mm:左20mmと差があります。

今まで口が曲がっている症例でも、そのまま同両挙げることがほとんどでした。もともと曲がっている人は変えなくても気にならない人がほとんどです。私が指摘してもそのままでいいという人さえも居ます。逆に何例かは挙上量の差を付けたこともあります。術前に患者さんが申告する場合もあれば私が指摘して計って左右の切除量を変えた症例もあります。

本症例はさらに赤唇の左右差に術直前に気づき、白唇短縮量に左右差を付けて、術直後に計ると揃いましたが、口角には関与していませんでした。術前の検討が足りなかったのかとも言えましょう。その点は、さらに今後検討しましょう。

なお口唇の横幅も足りないか?との申し出がありました。数字的には足りている筈ですが、本症例の患者さんは顔の部品が大柄なので判らないでもありません。口角挙上術は一次的手術でやり過ぎると戻せないので適量にしますが、追加は可能な手術です。この点は二次的に。

術後1か月で画像を戴きました。

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口の間借り具合は鼻の間借り具合に沿っています。口角だけはむしろ高さが合っています。どうでしょう?。私が求めた対称性は得られています。術直前に急にデザインに工夫を加えたのですが、口角は術直前に急に手術を加える事となり検討の余地がありませんでした。敢えて言えば鼻翼と両側鼻翼基部から降ろした2本の垂線が交わる赤唇縁の間は対称になりましたが、共に傾いています。比して口角は顔面の水平面に対して対称ですから、鼻や口とは交わっています。どちらがよいのか迷います。でもまさか、鼻と口を治す訳にはいきません。口角を傾かせればいいのかも知れません。何れにしても術後3ヶ月まで診ましょう。

IMG_3506IMG_3509側面像と斜位像では、E-ラインは改善していませんが、口元がすっきりしました。

次回術後3ヶ月をお楽しみに!

医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時追加修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも随時表現や補足の説明を付け加えていきます。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。