口角挙上術は丁寧にデザインすれば良好な結果が得られるのですが、1㎜以下の微妙な違いが起きると問題が生じます。これまでのブログ提示症例で読者の皆さんに視られているかも知れません。でも私はその点も治せます。また手術法として私の利用している上下を上に持っていく方法はよく挙がるのですが、たわみを生じない様にする技を要します。実はその点に置いて、最近でも日々進化していて、手術アシスタントとの共同作業が重要なのですがほぼ完成して来ました。結果こんなに見事な症例が続出です。
尚、他の手術法で綺麗に挙がらなかった人も居ます。最近増えました。創跡が短く出来るとの文句に惑わされて、上赤唇縁だけ切開する手術法で起きます。私に罹って治して欲しい人が少なからず来院します。でも症例に依っては完璧に治せません。下口唇の傷跡は時に肥厚性瘢痕を生じますが注射で治せますから、初回手術から私が頻用している上下赤唇縁を横V字に切開する手術法が適切です。更に言うと白唇部に切開線を残すアメリカのデザインは、アジア人の黄色い皮膚の平坦な部に白い線が出来るので最悪です。白人とアジア人は違うのです。
今回の症例は白唇短縮術単独で施行した後にやはり口角挙上術をしたくなったのですが、分けて受ける人は増えています。逆に言うと口角挙上術の進化に伴いダウンタイムも短縮し、ほとんど目立たないで受けられる事が皆さんに認識されて来たからでしょう。その意味で典型的な症例で、術後早期から何事もなかったかの様に日常生活出来たとのことでした。敢えて口が開き難かったのは通常のコースですが、それも治って来ているそうです。
症例は、40歳女性。私を見つけて眼瞼の形成からしてきました。とは言っても難しい症例です。幼少時の左眼球手術の結果義眼を装用しています。分りきっている事ですが眼球の動きは対称的でないにしても、容認できます。でも成長時における眼瞼の問題を生じていて、これは容貌において対称性をさらに損ねるため、まずその点に対する改善手術を何回かに分けて施行してきました。私が、形成外科医であり美容外科医である本邦で数少ない医師である事を理解していたからこそ、私に委ねてくれたのでしょう。現在対称性が得られています。
1年前から私が取り組んでいます。同時に口周りの手術も検討してきました。当初から、人中部白唇長16㎜でも、E-ラインより口唇が前でモッコリ型の上(白も赤も)口唇です。先ず人中部白唇短縮術を施行しました。
内眼角間33㎜:鼻翼幅35㎜:口唇幅47㎜で鼻翼は縮小術の適応なので、最近定番となった白唇短縮術時に鼻翼縮小術を併施した。両側鼻翼内側を2㎜ずつの皮弁法で寄せた。32㎜で定着した。白唇は3㎜切除し、人中や弓は作らなかった。現在13㎜で後戻りはない。その際口角挙上は二時的とした。
本年に入って再来。内眼角間(その後私が目頭を治した。)29㎜:鼻翼幅(半分後戻りするも定着)33㎜:口唇幅(鼻や白唇手術の結果が影響した。)46㎜で最低4㎜拡大したい。しかも左右差が診られ、右は1㎜横に3㎜上にする為に30度4㎜。左は1.5㎜横にする為に30度5㎜の挙上を計画した。上口唇の切開は鼻翼基部の下まで挙げる為に10㎜必要。
画像は各方向を比較して視ていきます。
正面像は左から術前、術直後、術翌日です。術直後は局所麻酔に含有した血管収縮剤の影響で赤唇が白くなっています。翌日には診られません。口角の上の点状の陥凹は真皮縫合を引き込んだ点です。吸収糸なので3か月後には平らに戻ります。
近接画像は上左が術前、上右がデザイン画、下左が術直後、下右が手術翌日です。デザインの三角形切除の頂点に口角があります。翌日には血痂もなく何事もなかったかの様です。
術前に比べて口唇の幅が適切になりました。鼻翼幅:口唇幅=5:8の黄金比率です。上口唇短縮術は大なり小なり富士山型になりますが、口角挙上術をすれば優しい口元になります。
術後1週間では創跡が目立ちません。実は本症例の患者さんはマスクをしないで遠方まで帰りました。気にならなかったそうです。抜糸したら口紅も引けます。
上は左から術前斜位、術直後の斜位、術前側面、術直後の側面像。翌日も疼痛軽度で腫脹も軽度。内出血も無かったようです。
下には術後1週間の抜糸直後です。
内出血はわずかに黄色く顕在化しました。
口は力を入れないと閉じませんが、閉じようとして下口唇を挙げれても頤の梅干しは目立ちません。尚開口は術翌日で1横指、術後1週間で2横指。平均的に術後1か月で3横指になります。出来れば痛い程の開口を避けた方が創跡に好結果をもたらします。
今回の症例は経過が良好です。実はデザインに細心の注意を加え、手術時の縫合にも工夫が加わっています。つまり私達の進化の賜物です。今後とも同様の好結果の症例が多発するでしょう。
実は本症例の患者さんとは一つ一つの手術の結果が良好である事を診ながら次へ進んでいるので関係性が濃厚で信頼関係が醸成されているから、患者さんの精神的安定性が良好な経過をもたらすのです。
術後1ヶ月で魅せてもらえました。
ご覧の様に、真顔でも口角が下がっていません。上右図は笑顔をつくってくれました。優しい表情です。
斜位や側面像では口元がすっきりしました。近接画像で診ても創跡が目立ちません。上に書いた様に精神的に安定している人は創跡の治りも早いのです。
当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。