私は口周りの手術をたくさん施行してきました。美容外科医は体中の美容的な向上を図るのが務めですが、 私は首から下は(乳は除く)あまり好きでない。割と体力を使うからですし、服の下は出来上がりがよく目に見えないからです。顔面の美容外科は医師となって30年来の、いや美しさを作り上げるのは産まれながら60年来の天職です。
顔の輪郭も重要なファクターですが、部品としては、眼瞼、外鼻、口周りが大きな部分を占めます。眼瞼形成術はもちろん好きな分野です。特に目頭形成術は形態と機能の改善に欠かせませんが、当院の二人の医師は、どちらが上手か言明しないとしても、国内第一と第二人者です。鼻にはI型プロテーシス+軟骨移植が適切で、自然で美しい形態を安全に作り上げられると評判です。
口周りはつい5年前まではあまり触られませんでした。今でも口角部以外の赤唇は滅多に触りません。鼻の下は唇です。洋語でWhite lipは白唇、Vermillionは赤唇です。先日外国在住の日本人に聴いたら理解していました。父が携わっていた美容整形の時代から、唇を厚くセクシーに、白唇を短縮するのもトライされていました。ですが父は赤唇縁を切りましたから、却って貧弱になりした。
私は形成外科医ですから、口唇裂の診療の勉強もしましたし、外傷や腫瘍に対しての口周りの再建術の経験も豊富です。結果として分かったこととして、赤唇縁はそのわずかな膨らみが唇らしく魅せます。決して赤唇縁を触ってはいけないのです。
今から5年前にUSAの有名な美容形成外科医が、白唇部を切除短縮する手術法を学会発表しました。これは光明だと考え、その論文を目を皿にして読みました。その名も”Gullwing incisionn”という題名です。スーパーカーのドアー(ランボルギーニカウンタック:今でもたまに見かけます。)みたいで魅力的でした。直ちに昔からの患者さんに対して手術し、その後も評判になってどんどん増えました。SNSで画像を比べると一番綺麗だからです。
上口唇短縮術に於いては、形成外科の学会専門医である私の縫合術と、美容外科の知識(あくまでも学問的知性です。)を勉強してきて美容学に精通している私の、二つの面で優位性があります。両方の専門医は日本に100人は居ません。
形成外科医だけが、顔の前面を切っても綺麗に縫合できます。真皮縫合の技術は形成外科でしか研修しません。他科や美容外科だけの医師には出来ません。本当です。だってSの医師に聞いたんですから。それにチェーン店では丁寧に時間をかけて縫合させてくれません。彼らはビジネスですから!。ところが逆に、美容外科の知識を身につけている医師は形成外科医には少ないのです。何度も書いてきましたが、私は生まれながらの美容外科医で、32年前北里大学形成外科・美容外科に入局してすぐに美容外科の本を買い集め、論文を読み漁り、父のクリニックで診療してきました。その素養を持ってしなければ、口周りのバランスをとった手術は出来ません。
私は美容形成外科医として口周りの手術に邁進しています。上に書いた理由からちゃんと計測してバランスを取りながら、丁寧に真皮縫合が出来る医師は本邦には数少ないのです。ですから私が頑張るしかないでしょう。
症例は、42歳女性。今年の春に下眼瞼のクマ取りの手術を当院で受けている。当時から白唇が長いのは気になっていて、他院もいろいろ見ていたが、ツィッター等SNSで私の評判を聞きおよび、それに当院に罹ったから私のブログも熟読して下さり、再び当院に罹った。
診察すると、人中部の白唇は上下長19㎜。赤唇が薄いが人中は狭く、Cupidの弓ははっきりしている。E-ラインより+3㎜口が前。計測はしませんでしたが、面長で顔の幅はない。それは上顔面(生え際〜眉下)75㎜:中顔面(眉下〜鼻下)65㎜:下顔面(鼻下〜頤尖)69㎜と全長が長い中で、中より下が長いのと、その中でも上口唇(白+赤)28㎜:下口唇(赤〜頤尖)41㎜と黄金分割比率の5:8より上が4㎜長い。
実は口角も下がり始め、顔面横部品費が内眼角間31㎜:鼻翼幅35㎜:口唇幅45㎜と黄金分割比率より口の横径が6㎜小さい。口角挙上術も適応となりますが、まずは上口唇短縮術をしたいとのこと。
画像は術前と術直後の各方向から。
上列は左から術前、デザイン後、術直後。間延び感は明白でした。デザイン分切除します。術後はスッキリしたでしょう。
近接像でもさっぱりします。
上列は右斜位と左側面の術前と術直後。術前はE-ラインより口が前でも、頤が長く、上白唇はさらに長かったのです。黄金比率の5:8は見た目に反映し、だから信用できます。術直後は白唇がスッキリしたのはもちろんですが、すでに腫脹は起きています。頤は不随意に下口唇を挙げるために前に出て3次元的になりあたかも短縮して見えます。なお頤の梅干しはできない症例です。
術後1週間で鼻の下だけ抜糸します。
術後48時間までは腫脹等が亢進します。鼻翼も外と下へ一度さらに引かれます。でも画像を見れば分かるように、さすがに1週間目は軽快傾向です。患者さんは一番ひどい時の状態が頭にあるので「もたつき感がいつ治るんでしょう?。」と心配します。私「術後1ヶ月半が平均的ですね。」と説明するも患者さん「ブログ全部視ています。知っています。」と言いながら帰り際にまた「いつ治りますかね?。」下のように3次元的に診ると・・。
確かに腫れはピーク時の半分は残っているでしょう。でも白唇はC−カールを呈しています。白唇の腫脹が減ったからです。逆に閉口が可能になり、下口唇の力が抜けたのに、E-ラインは直線化しています。
最近は鼻翼の横の抜糸を遅らせています。Dog earを辻褄を合わせて縫合するのでそう治癒が遷延するからです。その間にDog earの膨らみは収縮しながら癒合していくので、膨隆が消失するのが早くなりながら創傷治癒がなされます。糸は鼻翼と鼻唇溝の折れ返りにあるので、前からは見えないそうです。その上にもう一度見せてもらうことになるので私も安心です。
こうして術後2週間で再来してもらい、鼻翼横の残りの抜糸をしました。画像は忘れました。そして術後1か月です。
なかなかすっきりした良い白唇で、赤唇もわずかに裏返って+アルファーの効果があります。
斜位や側面像でも口元が優しい。E-ラインより口が出ているのも気にならない。赤唇と白唇の比率が可愛く魅せるのです。
当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページの修正を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
6月から費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。局所のブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。