極稀にあるうまくいかなかった結果を修正する症例です。ですが前回は控えめにしたので今回はさらなる向上を図る希望があり、患者さんの御好意もいただき、全体を”入れ替える”のに、初回手術の費用から割り引いてさせて貰います。恥を忍んでブログ提示もさせてもらい、その２０％オフも加えて２０万円＋税での手術です。でも皆さんの参考になるのではないでしょうか？。シリコンプロテーシスは入れ替えが効きます。形態的にも改良して段階を追って上を目指したり、または機会に応じて変更することもできるという例です。
症例は２５歳女性。かれこれ５年前（成人後）から当院で注入治療を受けていた。２年前に私に罹り、眼瞼の治療から入った。その後鼻のヒアルロン酸では物足りなくて、しかも幅が出たし、上外側軟骨部が陥没したので、相談の結果プロテーシスを希望された。なお鼻尖は鼻梁の延長よりも充分に高い症例です。２年前に手術に到った。
手術中の形は良かったが、抜糸時には左鼻骨尖部が倒れてきたのに気づいた。テープで左から右に押して修正を図ったが治り切らず。３ヶ月後には頤形成に到る。半年後に診ても鼻根部は右で鼻骨尖部が左にシフトしているため再手術を検討に入った。昨年末には眼瞼の埋没の際と目頭形成術をし、鼻は経過観察していた。
本年５月に再来。鼻根のシフトが気になる。左の鼻骨尖が凸であるからでもあるが、削るかは検討の余地がある。剥離追加で対応したほうが安全と考えた。すると患者さんは「もう少し高く長くしたい希望。」２週間テープを張り続けることができれば治せると考えた。最大２㎜のプロテーシスを４㎜まで可能と示唆。シャープにしたい希望。上外側軟骨部も下方へ延長して陥没を無くしたい。鼻根の眉間方向へは５㎜程度延長して彫りを作りたい。結局プロテーシスを再作成して入れ替えることとなりました。
今回手術のスケジュールが立てられたので、確認のためにもう一度診察します。プロテーシスの傾き(屈曲)は、鼻骨尖部の右側の剥離と鼻根部の左剥離で治す。前回鼻骨尖のHump部を薄くして鈎鼻ではなくなったが、鼻綾が反ってジャンプ台状態が見えるため治したい。上外側軟骨部は２㎜増量。鼻骨尖部は増やさない。鼻根部は１㎜増量で幅広にしたい。
これまでの経過中で改善点は頭に入りました。それでは慎重に剥離追加して、丁寧にプロテーシスを作製する事が大事です。その際抜去に手間が掛かる事が念頭にありませんでした。I型は上にあるので、鼻孔縁からの侵入は遠く、狭い術野からの把握は難易度が高いのです。画像を診てもその点は判りませんが、形態改善は判ります。
正面像で左から術前、術直後、その直後にテープ固定後。
下面像でも術前には鼻梁のカーブと傾斜(屈曲)が判ります。立体的にジャンプ台なのも見えます。術直後のテープ固定前には鼻梁がまっすぐに見えます。
上には左から術前右斜位像、術直後斜位像、術前左側面像、術直後側面像の順。立体的に改善性が判ります。鈎鼻が目立っていたのが改善されています。鼻梁がジャンプ台だったのが、鼻根からまっすぐ直線的になりました。鼻尖が高いからこれで良いのです。
抜いたプロテーシスだけ撮影しました。最も軟らかいシリコンゴムです。現在製造されていません。何故かと言えばやはり曲がりに弱いからです。しかし、硬いシリコンプロテーシスは危険です。少なくともL型では露出したのを何人も診ました。現在I型の軟らかいシリコンプロテーシスのみ使用していますが３０年間で露出の経験はありません。
ただし本症例の如く屈曲はあり得ます。でも治し方も知っています。長年硬いプロテーシスが入っていたのを、私が軟らかいI型に入れ替えて鼻尖を形成した人が何症例もあります。そのうちの何人かはもう来院されません。悪性疾病に罹っていて、年齢的にも寿命を全うされたものと思われます。シリコンプロテーシスも一緒にあの世に行きました。ただし火葬すると燃え尽きます。一昨年母を弔いましたが、焼き場で骨を拾う際に探しても、隆鼻術のシリコンプロテーシスは見つかりませんでした。父はよくシリコンを燃やす実演をしていました。いまなら火炎報知器が感知して面倒な事に成りますよね。
因みに一般人がシリコンプロテーシスを怖がりますが、シリコンプロテーシスの素材そのものは害は全く起こしません。また経年劣化も全く起こしません。上記の様に組織を傷める危険性と、周囲の組織の経年変化に伴って、形態的に変化し得る事があり得るから難しいのです。ただし形態的変化に対しては修正出来ます。露出の危険が見出されたら直ちに形成すれば変形を来しません。その為には定期検診を怠らない事が必要です。
その点、本症例は数年来の定期的な診療を怠らないし、信頼関係が成立しているのでタイミングを計って治療を繰り返してきました。しかも今回は、形態的に向上を図る希望もあり、サービスしましたが費用も頂き、ブログ掲載も承諾されました。有り難う御座います。今後の経過観察が楽しみな症例です。
下に術後１週間で抜糸した直後の画像です。
まだ術後１週間なのに、フルメイクで来院されました。可愛さ倍増して笑顔で私もうっとり。その上診察室に入るなりいきなり、「すごく綺麗！。」と大喜び。こう言われて嬉しくないはずはありません。私がへらへらしていると、「抜糸ですよね？」と言われて目を覚まし、「アアッ、耳もね。」とあわてて、抜糸した直後が上の画像です。確かに綺麗！。口紅がラメでセクシーな色でありながら口元に品があるのはE-ラインが整っているからです。
抜糸しても鼻孔縁の切開だけなので見えません。鼻根に止めた固定糸の跡は赤い点ですがこれなら消えます。何故かこれも目立たない人です。
そうです。その目で顔面中下半分の画像も見れば↙︎⤵︎
頤は１年ちょっと前に私が作りました。鼻は改善して高くして、E-ラインが出来上がりました。口は触っていませんが厚みがある口唇が色っぽい女性です。
ちなみに眼瞼はいつものセットでパッチリさせていますが、今回はモニター対象外なので載せません。目隠しです。とにかく可愛い女子です。
斜位像が見事です。あんなに抜くのに苦労して、内出血もして、あんなに腫れたのに何故か吸収が早い。形態的には、わずかにHump 鼻骨先端の凸＝鈎鼻が残してあるのが自然です。高さは元から５㎜高くしてあるのですが、E-ラインからして彼女には合うサイズで、合っているからむしろ自然です。実は鼻尖が高いからできるのです。あたかも私が軟骨を載せた様な鼻尖です。
側面像では、鼻梁線が若干伸びました。上端が目頭と眉の間が適切で、綺麗な鼻です。私は術前に目頭の間から１．５㎝以内にとどめてデザインします。
今回恥を忍んで修正術の画像をブログ提示しました。でも喜んでいてくれてホッとしています。でもプロテーシスの固定性は術後数ヶ月まで変遷し得ます。鼻根の固定糸はさすがに邪魔なので術後１週間で抜きます。ですから、少なくとも術後１ヶ月までは夜間テープ固定をお願いします。もうう既に患者さんが自分で貼り替えています。上手です。患者さんが美的センスがあります。更に「これからも曲がりが生じそうなら治せます。」と患者さんが治療に協力してくれるのです。内面的にも美人からのお言葉を頂きました。次回術後１ヶ月をお楽しみに！
いよいよ下に術後１ヶ月の画像です。
曲がっていません。テープで固定してくれたからです。下面像でも傷跡は見えません。
わずかに残る鈎鼻が自然です。理解してくれる女性なので説明しました。下に書きます。
美しいので、また中下顔面像を載せます。鼻の下(白唇部)が長くなくて、C-カールもあるので、子供っぽい可愛らしさが感じられます。そのため口が前ありますが、頤がツンとしているからE-ラインが直線的で口元が締まっています。そこに鼻スジを通したので美人の要素が加わっています。
いつもキレイに口紅を引いて来てくれて、会うなりニコニコ。今回の手術により、鼻がツンとして美人の要素を向上させたのですが、性格は明るく可愛い。その乖離性が見事に調和しています。
まだまだ定着には日時を要します。経験が知っています。次回術後３ヶ月で完成としたいですね！
術後３ヶ月で画像を頂きました。
正面像と下面像では曲がりが見えません。スッと通った鼻すじが綺麗です。患者さんも自慢の様です。
斜位像と側面像は美しいラインを魅せます。あえて言うなら、本症例の患者さんは鼻尖が高くて美人の要素を備えていたから、鼻綾の改造が見事に功を奏したのです。美しい人はより美しくの典型例でした。
いやあ〜私としては、約５年間に亘って本症例患者さんの美容形成外科的手術を施行させてもらいました。毎回楽しかったし、患者さんが美容的ば理解力が高いので、それぞれの治療が美容的形態的に毎回点数を上げてきました。でも今回診療時に「あと何にもないですよね？」と言ったものだから、患者さんも「完成ですよね！。もう触るところないですね！。」と言って退出されました。造作の形態と内面性がこんなによく出来た患者さんを診られなくなるのは寂しい気もします。でもこれで完成なら美容形成外科医冥利に尽きるということです。
上に書いた様に美容医療でも医療です。定期的に診察して必要ならメンテナンスをした方が安全です。また診る日を楽しみにしています。
当院では、2018年6月に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。」医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。
施術のリスク・副作用について：・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは１～２週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、３ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに２週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、２週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後３日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後１週間（抜糸まで）は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
本年６月から費用の説明も加えなければなりません。今回の手術は I型シリコンプロテーシス挿入による隆鼻術は抜去の費用も込みで２０万円＋消費税です。出演料として２０％オフとなります。
