ご存知の通り、昨年３月以来約１年間は外国人が来院しませんでした。渡航制限は水際対策としてもうっとも有用だからです。ましてや本邦には外国客船が最初の発生源だったので、厳しくなりました。敢えて見直したら、一昨年までは主に中国人患者の売り上げが当院の売り上げの約三分の一以上を占めていました。どこもかしこも経済的に厳しい中、当院でも新型コロナ,covid-19に大きく影響されました。逆に今考えれば、むしろ何とかミクスはお札を沢山刷って、円安で外国人を呼んだだけの政策だったのかと言えます。
ただし私に関しては、口周りの手術がマスク義務化のため減らずに、私は自粛に応じて、一応勤務日数減少していたため、仕事の多くが口周りになりました。鼻もです。さらにリモートワークの会社員は眼瞼の手術後も目立たないので受けらた人が結構居ました。
ただし逆に、日本人でも外国在住者は帰ってこられません。１年間家族と会えない人が居ます。また日本在住の外国人は本国に帰れません。今回の患者さんは、日本在住の中国人です。漢民族とは、北東アジア出身の新モンゴロイドと南方出身の古モンゴロイドの混血です。南の古モンゴロイドの遺伝子は日本人には少なく、中国に特徴的です。中華人民共和國は人民の居住地ををシャッフルしたので、どこの出身者がどの遺伝子を持っているかは不明瞭となりましたが、顔の特徴には人種が影響しています。例えば、現在の王外務大臣は漢民族の中でも元王族の姓でその顔立ちです。
今回の患者さんは特徴的な顔立ちで、顔は大きく、目はぱっちりしていて、鼻が大きく低い。日本人なら数少ない縄文系の顔立ちですが、中国人には多く存在するようです。よく見ますよね？。まずは鼻を治しました。でも難しい症例でした。見ていけば判ります。
症例は５４歳女性。一目見て鼻が低い、大きい。人によりと書きましたが、アジア系の外国人ですから、人種差が影響しているのか環境要因かは分かりませんが、滅多にないサイズ(鼻根から鼻背の高さと鼻翼の幅)です。これまでにH−Aを私が何度か注入してきましたが、他の医師が溶ける糸を入れてみました。鼻翼にも埋没法を提案しました。でも、私は既に、昨年夏には鼻尖軟骨移植とプロテーシスの提案をしています。やはり、昨年は来院を少なくしました。でも実は、ボトックスやH-Aは定期的に受けていました。
今回突然シリコンプロテーシスだけを希望されました。鼻尖は耳介軟骨移植にするべきです。でも費用の問題からプロテーシスだけを予定します。そこでI型を予定しましたが、術中に鼻尖の直ぐ上までのショートL型にしました。
画像を診ましょう。
正面像で上左図は術前、上中央図はプロテーシス、上右図は術直後にテープ固定後。プロテーシスの形通りの変化を見せようと思ったのですが、テープでよく判りませんね！。プロテーシスの下端は鼻尖の直上になります。鼻根部の黒線がプロテーシスの上端です。鼻翼のサイズは判ります。
鼻翼のサイズは予定通りです。
近接画像でよく見ると鼻尖の上までプロテーシスがあります。
立体的な形態変化を魅せます。上は左から、術前の右側面、右斜位。術直後の右側面、右斜位像。やはりテープでよく判らないかも知れませんが、鼻根から鼻尖の上まで増高しています。
上は左から、術前の左斜位、左側面像。術直後の左斜位、左側面像。４方向を診ると、増高度が判ります。下には術後１週間後。
プロテーシス挿入術後の腫脹はかなり軽快してきました。形が見えてきました。ところが鼻翼が後戻りしています。
４方向で診てもプロテーシスは安定していて、格好良く出来ています。眉間の彫りが出来て、鼻根まで高く、鼻稜線がストレートです。鼻尖も充分似た角、鼻陵の延長線状にあります。鼻尖に次会軟骨移植を追加する為のスペーサーの役目を果たしています。
下列はその後
下列は、やはりこれでは不足なので修正追加しました。
鼻翼内で両側の真皮弁を引っ張り出して、糸を掛けて、縫い寄せました。
サイズは３４㎜にしました。
少し鼻尖が上方に押し上げられます。
下列はその１週間後
やはり後戻りが起き、３５㎜でした。
それにしても鼻スジは格好良いでしょう。術後２週間ではわずかに曲がっていましたが、シリコン膜とテープで圧迫固定したら、ど真ん中に戻りました。もう留まることでしょう。
早くも術後３ヶ月が参りました。術後１ヶ月の画像データは紛失しました。ごめんなさい。
ご覧の様に鼻尖の形態は良好で中央化しています。
４方向で診ると、鼻筋はまっすぐで、鼻尖は延長線上にあります。これがL型の特徴です。今回残念ながら私は拝見できませんでしたから、近々見て次を考えます。
当院では一昨年に厚生労働省より改定され施行された「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しブログを掲載しています。
医療法を遵守した情報を詳しくお知らせするために、症例写真・ブログに関しましても随時修正を行っていきます。症例写真の条件を一定とし、効果だけでなく、料金・生じうるリスクや副作用も記載していきます。ブログにも表現や補足の説明を付け加えさせていただきます。
施術のリスク・副作用について：・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは１～２週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、３ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに２週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、２週間程度で改善していきます。・目頭の切開部位は、目やにがでる場所ですので、消毒にご来院下さい。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後３日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後１週間（抜糸まで）は、切開部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用の説明も加えなければなりません。今回の手術は鼻尖軟骨移植３枚で３５万円＋消費税です。 I型シリコンプロテーシス挿入による隆鼻術は１８万円＋消費税です。鼻唇角プロテーシス挿入術は１５万円＋消費税です。出演料として２０％オフとなります。
