口周りの手術は経過が長いです。少なくとも3ヶ月、出来れば半年から1年診ていきたいのです。
上白唇短縮術(人中だけだはありません)の後戻りは、創の縫合の質に依存します。真皮縫合が終わった時点で隙間がなければ、術後3ヶ月以上経ても傷痕の幅が拡がらないのなら、後戻りはしない筈です。実際私は精魂を込めて、時間を掛けて、真皮縫合してきましたから、一番長い症例は10年経っても後戻りしていません。ただし伸びた人は居ます。
対して口角挙上術後は後戻りが皆無ではありません。何故なら、強固な真皮縫合ができないからです。口唇は赤い赤唇だけではありません。上下の皮膚も白唇と称します。口角挙上術時に、赤唇と白唇を縫合することになりますが、白唇には真皮があっても、赤唇には真皮は存在しません。従って中縫いは真皮縫合ならぬ、真皮対筋層縫合となりますから、強固に出来ません。ですから後戻りがあり得るので、気になるなら2回目手術が適応となります。
症例は45歳女性。本年1月に上白唇短縮術と口角挙上術を併施した。術前からの口角の位置の左右差は残存して追加手術と対称性を求めた。当初のプランは左2㎜切除。外側だけ。右をキュンっと挙げたい。内側の赤唇が薄い。
術直前の診察で確認。口角の位置は、右を垂直から25度外方向へ4㎜上、左を垂直から45度外方向へ5㎜上。鼻翼下まででやや台形型に。
画像は各方向を術前から術後1週間で見比べましょう。
正面像の術前とデザイン。口角の位置が非対称ですが、前回の術前からそうでした。今回は上記の術直前のプランの通りに左右のデザインの新たな口角の位置に差をつけました。そして、切除部は鼻翼の下まで多めに、つまり台形に近いデザインにしました。
上の術直後の様に口角は挙がり、左右に位置も対称化しました。血痂が付いていて赤唇縁のカーブが判りにくいのですが、手術後1週間の抜糸後は赤唇縁のカーブが見えてきました。お喜びです。
近接画像でも同様です。
近づいてみても、術直後は局麻で白くなっていて、赤唇の形は良く判りません。術後1週間でもまだ傷跡が赤いために赤唇縁が不明瞭です。
斜位像の方が赤唇縁のカーブの違いがわかるかも知れません。
側面像でも違いが判ります。術後1週間で抜糸しました。患者さんは形態は良好とニコニコされました。鼻翼の下まで挙げたからです。
次回術後1ヶ月では傷跡も目立たなくなるでしょう。形態がよく見えるでしょう。お楽しみに!。と言っていたら早くも術後1か月です。満足な形態を得て患者さんはお悦びです。
そろそろ白唇短縮術2回目から時を経たので、鼻翼横のDog Earを修正したいと云われました。
この後CO2LASERで焼き潰しました。その結果も次回提示出来ます。
術後3ヶ月で対称性を確認しましょう。
正面像で口角の位置は対称的にできました。可愛い優しい口元です。なお鼻翼横のドッグイヤーの点には触れなくても済む程度になりました。
実は口元がより可愛くなったので赤唇にアートメイクを入れたそうです。ばっかりでまだカサカサ向けている状態です。
可愛い口元です。下口唇縁の傷跡に肥厚性瘢痕が軽度あります。アートメイクを入れたばかりで、今ステロイドを打つと落ちてしまうので待ちます。自己判断してもらいます。
当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用の説明も加えなければなりません。上口唇短縮術は28万円+消費税。口角挙上術は25万円 +消費税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。