明けましておめでとう御座います。２０２３年のブログの書き初めです。とか言って、昨年１２月中は手術三昧で、大きな手術が多く当然モニター希望の症例も多いのでしたが、新たな版を描きませんでした。正直忙しかったからではありますが、実はもう二つ、ブログを書くアプリが更新されて使えなくなったのと、いつもクリニックで使っているPCが壊れたというか古くなって動きが落ちたので書けなかったのです。やっとMacを買い揃えて、ソフトの使い方も専門家に教えてもらって、今年の入ってやっと、順次ブログを書き始めました。なにしろ本症例の手術の際から新しく作れませんでした。ですから術後１ヶ月まで一気に載せます。ところでこのブログは、本当に私が書き連ねているからこうなったのです。その証拠です。また文章も面白いと言ってくださる方がいらっしゃいますが、本年の何回かは溜まっているので前振りを割愛します。アッ、また長々と書いている！。ではこの文を前振りにします。それでは初まり始まりです。
症例は２６歳女性。他院(十仁出身つまり非形成外科医)で５年前鼻と顎プロテーシス。画像の如く形態は良い。鼻翼外側切除したが最大幅４０㎜。これも非形成外科医が念入りに診察していないからで「あるある！。」です。最大幅を減らす為には内側皮弁法の適応です。ところで骨格的には入れてあるから、E-ラインは一直線上に並びますが。歯槽と歯牙は前突しています。
本題ですが、実際にはいきなり口周りの手術を希望されて来院されました。人中部の上白唇の縦長は２０㎜です。若年者では１５㎜以下が欲しいです。加齢で１０年で１㎜伸びますから若年時から長い症例です。上顔面５２㎜：中顔面５７㎜：下顔面６５㎜と下顔面が長く、上口唇２８㎜：下口唇３７㎜と黄金分割比よりも上が５㎜長いです。５㎜短縮を示唆しました。なお人中は狭く、Cupidの弓は急です。赤唇結節はぷっくりしていないが前向きで、そもそもこの雰囲気には似合わない。患者さんも希望しない。したがって人中部で寄せる適応ではありません。
鼻翼直下の白唇は２２㎜で口角はさらに下がっている。内眼角間３３㎜：鼻翼幅４０㎜：口唇横形５０㎜で黄金分割比で計算して、あまり拡大しない様に口角は垂直から斜めに３５度方向へ５㎜上げる適応だと考えました。
鼻翼縮小術との３点セットは時間的に難しく、後日にお願いしました。
画像を術前から術中、術直後と観ましょう。
おとなしい雰囲気に鼻と上白唇が目立ちます。
術前画像は上の診察所見の通りです。術中画像を観ましょう。
デザインは上記の数字です。鼻孔底隆起は温存します。上右図は切除した上白唇(鼻の下)の皮膚と皮下脂肪全層です。メジャー(物差し)で５㎜を示しています。
まず口角の切開線を浅くトレースする様に＃１５Knifeで切った後に、上白唇は一気に皮下脂肪層まで切除します。(上左図)次に口輪筋を６針縫い寄せます。５㎜のうち半分の２〜３㎜です。折り畳んでC-カールを造りました。微妙な違いが見えますよね。
両側の鼻翼の直下を真皮縫合します。ピッタリ合わさっています。(上左図)同時に鼻翼の横の創は、外側の皮膚が余るので、皮下剥離(また剥離！)創縁をトリミングしてdog earを避けます。上右図は鼻翼横を３針ずつ真皮縫合しました。dog earは見られません。
全部で１８針真皮縫合した時点で隙間はありません。その後皮膚はクリアーナイロンで連続縫合します。
その後口角の三角形の皮膚、皮下脂肪を切除します。上下の赤唇縁は口輪筋層まで切開します。
上左図は右側の口角部を三角形の頂点に真皮縫合と吊り上げ縫合した時点で、上右図は左側も同様に吊り上げた後です。比較すると口角の位置の変化が明白に観られますね。その位置で口角の上下の口輪筋を縫い合わせてから赤唇縁を縫合します。赤唇には真皮はありませんから皮膚縫合だけです。
術直後画像は下列です。
口角の下の赤唇縁は吊り上げた分、白唇側の皮膚と赤唇側の粘膜の長さが違いますから、辻褄を合わせる様に細かく縫合します。鼻の下の創からは出血も止まって目立たないのですが腫脹は亢進します。
４方向で観ると腫脹が目立ちます。口吻がE-ラインより前です。
翌日診ると血痂少々も、疼痛は当日の晩までで現時点では運動痛もないそう。
下列は術後１週間で両側鼻翼基部間と口角挙上術の抜糸をした直後の画像です。
どの症例でも人体は４８時間がピークで腫れます。１週間でこの程度は軽快が遷延しています。創跡は赤いのですが、抜糸の際に擦るからです。軟膏をたっぷり塗っていて下さり、角質がふやけているが、そのお陰で傷跡は良好な状態です。
４方向ではまだ腫脹が目立ちます
下列は術後２週間で鼻翼横も抜糸しました。
鼻の下の創後の赤さは薄くなりつつありますがまだまだです。腫脹は遷延しています。
４方向では腫脹が引き始めて、E-ラインが直線上に近づいています。
今回はもう術後１ヶ月です。やっと腫脹が軽快して、形態は良好なのが見えてきました。
お喜びです。
４方向で術前の様にE-ライン上に鼻尖ー口吻ー頤が並んできました。
術後３ヶ月での完成像を視ましょう
術前の画像を上左図、術後３ヶ月の画像が上右図。とにかく変わりました。スッキリ感だけでなく寂しい口元が可愛くなりました。
傷跡も見えなくなりました。
４方向でもE-ラインが綺麗なので似合います。口元がチュっと可愛いです。
当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは１～２週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、３ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに２週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2～４週間程度かかります。・手術後２週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、２週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後３日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後１週間（抜糸まで）は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用の提示です。上口唇短縮術は２８万円＋消費税。口角挙上術は２５万円＋税。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として２０％オフとなります。
