ブログの効果は他のSNSより大きいです。私の記事は、まず前振り(イントロ)で学術的知識を載せたり、美容医療の斯界の裏話を書いたり、ビジネス系チェーン店を揶揄したりして、面白くしながら興味を誘っています。私はベテランですから、若い医師が知らない話題を書けるのです。次に症例の紹介ですが、毎回書いて来ましたが、美容医療は外面的ならず内面的な人格を造る技ですから、社会的な態様も承諾の上載せて、また細かい診察内容や私の重視する計測値も書いて、手術に到る前段階から詳しく記載しています。他の読者の患者さんにも手術の理解が深まると評判です。さて次に、画像を並べていきますが、この段でも適度に説明を書き加えています。時折り患者さんのコメントも載せたり、私は患者さんに対する感想や褒め言葉を書いています。概ね定型的な経過の原因も説明して、原則的に手術後は週単位で経過を追って、手術後3ヶ月を結果として完成としています。後段に副作用と費用の説明を載せるのは厚労省のお達しに従っているからです。
そんなブログを視て来院される患者さんが多いのは、やはり真面目に書いているからでしょう。解り易く、嘘がない。画像は静止画しか載せられませんが、定期的に撮るので沢山必要だからです。何と言っても説明が詳しいから、患者さんが知識を頭に入れて来院されるから、私の念入りな診察がスムースに進みます。私は37年前に北里大学形成外科の医局に入った際に上級医に教えられました。”手術の結果は術前の診察とそうして決めるデザインが50%、手術手技による差は50%しか寄与しないと想え”私はその言葉を37年間心に留めて、真摯に、丁寧に診察して、患者さんに説明して来ました。もちろん手術は丁寧に、かつ細かく技術を駆使して参りました。多分患者さんはブログを視て、その様な私の姿勢を汲み取って下さって、私の診療に臨まれているのだと感じます。ブログに滲み出ているでしょう?。
症例は58歳女性。ブログを視て来院されました。いきなり申告されます。「顔面輪郭が逆卵型だった。」触診して診ると確かに、骨格が逆卵型で綺麗な中下顔面の輪郭です。聴くと、「他院(S.)で糸リフトを3年前まで3回受けました。」私「すぐ戻るでしょう?!。」と訊くも、「まあ口元はある程度保っているかな。」と仰る。見ると確かに口角は下がっていません。ですが私一言「もったいない顔となっていますね。」と言えば、患者さんは当初から乗り気な訳で、私すぐに「切開し、皮下を広範囲剥離して、しっかり挙げましょう。縫合が大事です。」と、手術が決まりました。とは言ってもJowl liftからです。
当院では私は、Face Lift手術を部分に分けて行っています。定型的には3時間45分とする手術時間の関係ですし、私の体力と集中力を考慮してのことでもあります。典型的には、耳介前後の切開からJowlまで広範囲剥離してJowl fatを挙げるJowl liftから初めて、次にこめかみ生え際の切開から、ゴルゴ線と皮下に付着するMalar retaining ligamentを切離して、Malar fatを引き上げるこめかみリフトと続きます。こめかみリフトをMalar Liftと呼び始めました。前額リフトや頤下リフトや下顎縁下(ネック)リフトは次の次に行われることもありますが、適応は限られます。最近は順番を定式としていません。こめかみリフト,Malar Liftが流行っていますから先行する症例が続出しています。何故なら、中顔面の前がスッキリするので、効果がはっきりと見えるからです。
もとい、本症例は昨年11月にJowl Liftから施行しました。下顎骨格が卵型なのに、垂れ下がったJowlがもったいないと考えたからです。経過は順調でしたが、術後経過中にいきなりこめかみリフトを希望されました。患者さんと相談していて云われました。「Jowlが平坦化したら、Malarが下垂気味なのが気になるわ!。」私「早いけれどJowl Liftの経過が見えて来たから、やりましょうか?。」”一応もう3ヶ月経つからやってもいいかな”と考え、早速「生え際を眉尻の後から下に3㎝切開して、ゴルゴ線まで剥離して、目尻は少しあげても良いなら、Malarを45度方向に引き上げます。」とデザインを提示しました。
手術当日直前に診察し確認しようと思いましたが、話が逸れて患者さん「今日のために美容院に行ったら、美容師さんにJowl Liftの経過を褒められたのです。それに写真で見比べても、Jowlが下がっていないのが嬉しいです。」ありがたいお言葉ですが、今日の手術に話を戻して私「ですから、Malarが目立つので、ゴルゴ線まで剥離して45度方向に挙げます。」と確認しました。
画像は各方向を経時的に載せていきます。左斜位像で手術時の説明も加えます。
上二葉は正面像の術前とデザイン。Malarが下垂しています。
上左図の翌日にはもう効果が見えて、患者さん「MalarだけでなくJowlまで働いて、前回のJowl Liftの効果にさらに加わっています。口元が軽く見えます。若い頃に戻った感じで、逆三角形になりました。長い顔が短くなりました。」とお喜び。
上右図の術後1週間で抜糸後には腫脹が軽度になり、「内出血も紫色にならなかったです。」と教えて下さる。薄く黄色いだけでした。患者さんもう一言「前の写真と比べると姉妹の様な年の差を見て取れます。前がお姉さんです。」と上手い言い方で褒めて下さいました。
術後3ヶ月です。私「完成!。」と叫びます。比較として上右には術前正面像を載せました。見事に挙がっています。なんとも若々しく年齢不明です。すると患者さん「最近載っている他の方向はいつできますか?。」と気が早い話。私「最低3ヶ月ですが、出来れば半年は明けたいです。固いから。長い方がやり易いのです。」とお願いしました。
斜位像も経時的に診ます。左側の術中画像も追います。
両側斜位像の上が術前、下がデザイン後。Malar Lesionから頬骨弓部に架けての組織が耳介の前まで落ちています。デザインはこの膨隆している部分まで剥離する予定部を点線で囲みました。切開線は生え際に眉尻の後から下へ3㎝描いてあります。その結果引き上げ方向は45度となります。
さて下からは手術開始です。右側頭部で説明します。とは言っても、撮ったのは、切開線を切って、点線で描いた範囲を剥離してからです。
画像で左側に切開線、右に向かって剥離してあります。上左図は、その後切開線を横断して引き上げる方向=顔の軸から45度にマーキングしました。上右図は、前の皮膚を引きながら、メジャーを当てて何㎜動かせるか測っています。15㎜可能でした。
上左図は、切開線から引き上げ方向に15㎜の点にマーキングした画です。上右図は、そこまで切開した後の画です。
上左図は、切開の前部を一針仮縫合(キースーチャー,Keysuture)しました。上右図は、後ろの創縁に合わせて切除線をマーキングしました。
上左図は、マーキングに沿って切除した後の画です。上中図は切除皮膚です。上右図は両側の切除した皮膚で、ほぼ同じ大きさで対称性を造り上げました。
下からは両側斜位像です。
術直後は腫れて目尻も横に引かれていますが、Malarも引き上げられています。
上二葉は、術後1週間で抜糸した直後の図です。腫脹の軽快が早く、目尻の位置が戻っています。Malarだけでなく下顎縁まで挙がっています。
術後3ヶ月です。張りがあるMalarが元気に若々しく見えます。Jowlまでさらに挙がって、美人骨格の下顎縁も取り戻せました。
下には側面像を順に観ましょう。
術前は顔面全体が降りています。特に頬骨隆起部の位置に注目しましょう。
デザインは、切開線を生え際に、眉尻の後から下に3㎝です。ゴルゴ線まで眼窩下縁より下から幅3㎝の剥離範囲を点線で囲んでいます。
術直後は腫脹していますが、頬骨隆起の位置が上方移動しています。
術後1週間で腫脹が引いて来ました。頬骨隆起部が上方移動しているだけでなく、下顎縁の位置も上方移動しています。
術後3ヶ月です。E-ラインが美しいから中下顔面が若々しいです。
傷跡は若干赤いのですが、幅はなく見えないそうです。線ですが、前回のMACS liftの切開によるJowl Liftの傷跡と連続していませんから、もみあげが損傷していないし動いていないから、リフト顔貌がバレないのです。
当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守しホームページに加筆を行っています。
施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。
費用の提示です。こめかみリフトは40万円+消費税です。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として20%オフとなります。