2025 . 12 . 15

若年者でもFace Lift ,骨切りで軟部組織が余剰となり、Jowlが垂れました。ならば私の出番。MACS liftの切開で広範囲剥離。

このブログを覧て来院される患者さんが多くいらっしゃいます。ですが、本症例は特殊です。骨切り術後の合併症例です。実はこれまでも口周りの手術症例には何例か載せました。骨切り術(多くは上下顎の後退と短縮≒右からみて時計周り,Clockwize)後には、口唇も後退して、相対的に周囲より後になったら口唇がストーンと垂れて、長さが目立つように成った症例が多くあります。困ってしまって、上白唇短縮術を希望して私に罹る症例が、口周りの中で約30%を占めていました。敢えて言えば、骨切り術は形成外科の専門分野の一つですから、私が元々形成外科医局員で、経験があるのを知っての来院でした。ビジネス的”直美”のチェーン店の美容整形屋の医師は知り得ない医学的知識を、美容形成外科医は持っています。

本症例も上記の経過です。骨をどれだけ動かしたかは判りませんが、途中で術前の画像を見せて下さいました。前よりおばあちゃん顔になったと訴えれました。改善を求め口周りの手術を希望されました。早速手術しました。その際顔全体、特に下顎の外側の軟部組織が余った感じが目立つとの事でした。診ると、Jowlが年齢以上に垂れていました。順番を決めてリフト手術へ至りました。

今回前振りに症例の説明を載せましたが、リフト手術の説明も書き加えます。ちなみに若年者から時折り「リフト手術は何歳から出来ますか?。」と訊かれます。その時私は意を得たりとばかり、手でシミュレーションしながら「垂れているなら、私は何歳でも手術で改善できます。経験では28歳が最低年齢です。」と教え、さらに「頼まれれば何回でもします。少なくとも初回手術の5年後にしたこともあり、10年毎なら、何例もしました。例えば昔父が20代に1回目、5〜10年毎に5回して、50歳時から私が10年毎に3回した患者さんが居ました。その患者さんは80歳時に50歳に見えました。もちろんもう、あちらに行かれましたが・・。」と天を指します。

リフト手術は切開リフトとスレッド(糸)リフトの二種類があります。皆さんご存じかも知れませんが、効果と持続性の違いは剥離するか否かです。また糸は吸収性でなければいけません。さらに糸は掛かった組織から抜けます。だから必ず後戻りします。切開リフトは、切除して皮膚軟部組織を剥離して、皮膚等を切除して引き上げた位置でベースと癒着させますから、簡単にはズレません。後戻りは最小限です。もちろんその後加齢変化は起きますが、ここが大きな違いです。

切開リフトでは三つの剥離層が使われてきました。1、皮膚と皮下脂肪下、2、SMAS下、3、骨膜下です。3は顔の軟部組織をまとめて挙げるから、効果はあり得ますが、侵襲が高すぎて本邦では行われていません。欧米でも廃れています。2は1974年にUSAで発表されました。私も10年前まではこの方法で沢山手術しました。ただし、Jowl には効きません。そこにはSMASが無いからです。約10年前に開発された靭帯法を併用すれば効果は持続しますが、顔面神経への危険があり、避けるために10時間近くの手術時間を要しますから、本邦では数名しか出来ません。1の皮下と最浅層の皮下脂肪一層を剥離するリフトは、広範囲にすれば効果と持続性が高く、丁寧に層を造っても5時間以内で可能です。ただし皮膚切除で挙げるので、縫合、特に真皮縫合に時間を要します。私は現在多用しています。

少なくとも今回の症例には皮下で、Jowl までの広範囲剥離リフトが適応します。なお、MACS liftとは、Minimal Access Cranial Suspension liftの頭文字です。訳すと〈(最)小進入(切開)で、頭蓋骨(硬い部位=頬骨弓)に吊り上げるリフト〉です。今回も吊り上げました。

症例は36歳女性。顔面骨切り術後に発生したJowlに対して、皮下広範囲剥離リフトでの改善を図りたいと遠方から来院された症例です。口周りの下がった形態は過日私が治しました。3ヶ月置いて、形態が整ったからリフト手術に至りました。希望により静脈麻酔で施行します。

画像は術前とデザインから、下に術直後からその後は経時的に載せます。

正面像の術前とデザイン後。Jowl=マリオネットラインの後まで点線が描いてあります。

上下の側面像では切開線も読めます。剥離範囲は点線で囲んでいます。

切開線は上から:耳輪前はもみ上げの後まで〜耳珠の稜線〜耳垂前から耳垂を回って耳後まで。

斜位像はデザイン後は撮りませんでした。斜位像は立体的で、弛みが判ります。下顎縁の上の全長に亘って、軟部組織が余って、溜まって、膨らんでいます。前方ではJowlがマリオネットラインにのし掛かっています。

今回術中には撮影しませんでした。次はいきなり術後の画像ですが、手術記録から、引き上げ量(=皮膚の切除幅)を転記します。最大は耳垂先端部でJowlに向かって20㎜。上は耳珠の上部で15㎜。後ろは耳介後部の上端で20㎜です。若年者にしては多い切除量です。やはりかなり余っていたのですね。

静脈麻酔を希望される患者さんは疼痛に敏感だからでしょう?。ですから術直後の疼痛にも反応して、しかめっ面で写りました。痛みが強いのは侵襲が強いからで、剥離範囲が全面的に腫脹しています。ただしJowlとマリオネットラインだけが膨らんでいるのではありませんよね。つまり引き上げ効果は得られている証左です。

側面像でも斜位像でも顰めっ面で写りました。

どちらも腫脹で剥離腔の範囲は膨らんでいます。

左右の耳介の前後の縫合線を観ましょう。耳珠部は稜線にあり、耳珠の前にアンカリング真皮縫合を架けて、ペタッと平坦化しない様にするのは、私が発明した手技です。耳垂の先端もSMASにアンカリング真皮縫合して、引っ張られて伸び流のを防ぎます。

耳後部は耳介と側頭部の折れ返りから、外耳道の後から側頭部に曲げてドッグイヤーを起こさない様にします。ここまで切開すれば下顎縁も引き上げられます。

翌日も診ました。腫脹は軽度亢進していました。48時間までは生体反応は亢進することを伝えました。創部に血痂が挟まっているのは除去しました。

術後1週間で半抜糸しました。耳珠稜線部と耳後部の溝線以外は抜糸します。ご覧の様に術後48時間まで亢進した腫脹はゆっくり軽快しますから、やっと術直後の画像程度です。患者さんに訊くと、現在ピーク時の半分程度だとの事です。

側面像でも斜位像でも腫脹は剥離腔全体です。

でも、逆に言えば Jowlだけが膨らんでいるので無いので、これは腫れで、引き上げ効果は十分に得られていると考えられます。

耳後溝は抜糸していません。折れ返り線は癒合が遅いからです。

術後2週間で全抜糸しました。腫脹軽減は遷延しています。48時間から1週間まで50%。そこから2週間まで50%、つまり48時間後のピーク時の25%以上残っています。要するに術後48時間のピーク時の程度が術後経過を左右します。

診ると、側面像でも斜位像でも、口角まで挙がっていて、患者さんも認めます。

要するに患者さんは、”おばあちゃん顔”から脱したと感じています。

左右の創痕近接画像です。耳前の耳珠稜線の傷は見えません。耳垂の前と耳輪の前の線は赤いですが浅い折れ返り線なので、白くなれば見えなくなります。

耳後部の傷跡は耳介と髪で隠れる部位です。

術後1ヶ月です。腫脹軽快は遷延傾向ですが、Jowlは挙がっていて、下膨れの”おばあちゃん顔”ではありません。

耳介から口角に架けてしっかりと挙がっています。

口元が弛んでいません。

創痕は赤い線が薄くなりどんどん目立たなくなって来ました。

耳介後部の傷跡は、見えないから気にならないそうです。

当院では、厚生労働省より改定され施行された省令「医療機関ホームページガイドライン」に遵守し、ホームページの修正を行っています。

施術のリスク・副作用について・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。・抜糸までの間、鼻下を伸ばす表情はお控え下さい。・口唇部の違和感は、2~4週間程度かかります。・手術後2週間は、口を大きく開けることはお控え下さい。・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。・手術当日は、洗顔をお控え下さい。・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。・手術後1週間(抜糸まで)は、鼻孔部位のお化粧はお控え下さい。・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

費用の説明も加えなければなりません。広範囲剥離中顔面リフトは80万円+消費税です。PRPは10万円+消費税です。静脈麻酔は5万円+消費税です。ブログ掲載の契約を受けてもらえたら、出演料として手術代から20%オフとなります。