PRP療法が騒がれています。bFGF, basic Fibroblast Growth Factor(塩基性線維芽細胞成長因子)の製剤を添加したら、硬結(しこり)が出来て吸収が遷延したので、有害事象とされたのです。予め説明していなかったことが医療法上に問題視された結果、そのクリニックは責任を取りました。昨今は説明義務違反で問題が生じるケースが多くなっています。
PRP, Platelet Ridh Plasma療法は、自己採血を、遠心分離機で分けて、血小板だけを濃度を約2〜4倍にして取り出して、局所に注入する治療です。血小板は様々な成長因子を分泌します。成長因子とは、各組織の細胞の分化を促進して、細胞を増やすかまたは組織の構成物質を増やす作用のある蛋白質です。
PRPが含有する成
▼続きを読む
カテゴリー別アーカイブ: 総論
目が近くても蒙古襞の拘縮(突っ張り)は野暮ったい感じ?!。切除では無く、目頭Z-形成術で外せば、目元がパッチリ!。
目頭”切開”術は、私の得意分野で好きな手術です。何回も書いてきましたが、Z-形成法による蒙古襞の拘縮解除は、私としては定式化しています。一重瞼を二重瞼に変える、重瞼術=先天性前葉性眼瞼下垂症手術の際には、遺伝子が同座にある蒙古襞の拘縮を同時に治すべきだと言えます。念の為書いて置きますと、一般人は蒙古襞は目頭に皮膚と眼輪筋が被さっていると捉えていますが、蒙古襞は下眼瞼から上眼瞼に繋がっているから、目を開く際に突っ張り(拘縮)邪魔をしますから、機能的にも改善が求められる先天的構造と考えます。ですから重瞼術の際には、目頭切開を併施する方が自然な形態と機能を造り上げられるのです。
人類の中で、東アジアにだけ一重瞼と蒙古襞が産まれました。名称の如く蒙古が発祥です。約2万年前の最終氷河期に起きた、
▼続きを読む
▼続きを読む
やはりこめかみリフトは効果的。方向と目標を使い分けます。
Face Liftは本来切開手術です。美容医療の中でも形成外科医の登場場面です。既に20世紀初頭には、有名な形成外科医が論文を書いて発表しています。
実は形成外科医療は、第一次世界大戦後にUKで興隆しました。戦傷外科です。第一次世界大戦では、国民が総動員され、また火器が発達し、対して塹壕戦となりました。結果的に塹壕から出ている部分である顔面外傷や顔面骨骨折が多発しました。UKは当時も今も立憲君主国ですから、傷痍軍人の手当ては王室が責任を取り、国家を揚げて顔面外傷を治さなくてはならないので、専門分野である形成外科が発達したのです。先駆者はGilliesですが、その後今でも使われるGilliesの鑷子(いわゆるピンセット、正しくはForseps)に名を残しています。私もたまに使います。
▼続きを読む
▼続きを読む
頤,おとがいとは顎先ですが、字を見ると、顔(頁は顔の部品を指す部首)の臣ですから、貴賓を現して魅せます。
昨今ではSNSでの”情報”(あくまでも情報であり知識ではない)に捉われる国民が多くなりました。IT社会は情報採取には有用ですが、知識の蓄積(積み重ねないと次へ進めません)と教養の涵養には有用とは言えません。IT社会の道具であるSNSサイトは視聴者が選ぶ必要があります。ですから提示者は受けそうな画像を載せて、自分本位の意見を書くだけです。通常反論が出て炎上しても、”議論”にはならず、落とし所が見出せないで済まされます。つまり定説が得られません。対して知識とは、実存する書物に対して、反論したり書いたりして議論して、多くの人が認める学問的な説を作り上げることです。また教養は生活に役立つものではありませんが、人格を創り上げます。本や教科書(小中高大学校だけではない一生の勉強の材料)などを読まないと知
▼続きを読む
▼続きを読む
年始恒例の一流人の手術。今回は大作です。前額リフトと頸部リフト。中顔面はやったから、残りは上と下ってことか・・。
まずは題名の説明です。患者さんは、一流の社会人です。毎年1ヶ月ほど休みを取って、この時期に手術を受けにいらっしゃいます。題名にある様に、いくつかの美容形成外科手術を施行してきました。今回は2回に分けて手術をしますが、一つの版に載せます。
昨今”直美”がキーワードです。医師が国家試験合格後にほとんど研修研鑽を受けないで、美容医療の分野に就職する、または開業する輩を、”直”接!"美”容医療を始めるからこう呼びます。また卒後他科で研修した後に、美容医療に転向するフラフラした医者も似た様な輩です。形成外科・美容外科が開設されている大学病院を含む大病院で、カリキュラムに沿って上級医に指導を受け、一歩ずつ学び取る様な施設で、最低6年間は研修を受けなければ、質の高い研修とは言えません。
当院の
▼続きを読む
▼続きを読む