カテゴリー別アーカイブ: 美学

2015 . 11 . 5

美容医療の神髄28-歴史的経緯第28話- ”口頭伝承から、自分史話へ”その5

2年次は東京に務めましたから、有用な経験をしました。父との交流もそうですが、個人的には配偶者を決めました。そして、3年次のローテションを医局長と同学年次の医師3人で検討することになります。 突然ですが、前々回の入局時の言葉を思い出しました。O講師が、「美容外科の患者は精神疾患を持つことが多いんだよ!」要するに美容外科医療を蔑んでいるのでしょう。彼等の言う形成外科に基づいた美容外科。美容外科は形成外科の一部だと言い張ること。彼等が美容外科を美容整形と同じく下に見ているのは、美容整形から美容外科になってから形成外科を選択した私としては心外なことです。あくまでも、美容外科と形成外科は両輪でありながら、併存するべきものです。日本では別の標榜科目ですから。 最近O先生と私の間に患者さんが行
▼続きを読む
2015 . 10 . 30

美容医療の神髄27-歴史的経緯第27話- ”口頭伝承から、自分史話へ”その4

2年次の続きとなります。東京都心に勤めて銀座は近いので、二週に一度くらいは銀座美容外科に寄りました。二ヶ月に1階くらいはゴルフにも付き合いました。だからこの1年間は父と話す機会も多かったと思います。 当時の美容医療の情勢としては、昭和63年ですから美容外科の標榜から10年を経過していたので、裏の存在だった美容整形から列記とした診療科目になって、市民に認知されていった頃です。 このころ、父との会話のキーワードは二つ。チェーン店系の勃興と新幹線整形。相対する方向性の中で情報交換し、方針を模索していました。 影の存在どころか、金儲け主義でやくざ医師とまで言われた美容整形だし、もちろん美容整形外科というのは無いので潜りの広告しかできなかった。昭和53年の美容外科標榜科目認可を契機に
▼続きを読む
2015 . 10 . 29

美容医療の神髄26-歴史的経緯第26話- ”口頭伝承から、自分史話へ”その3

2年次は昭和63年6月から平成元年5月まで、日比谷病院で一般外科での研修を受けます。東京都港区内幸町というところにあり帝国ホテルのすぐ横のあたりで日比谷公園の向かい側です。都会のど真ん中です。東京都の救急指定病院第一号だそうで、由緒ある病院です。都心には場所がないから、大きな病院が少ないのですが、逆に言えば人の多いところなので、患者さんは少なくない訳です。ビル化していて6回建てなのに約100床しかないのですが、一般外科と内科の医師が合わせて7人も常勤しています。 当時のF院長は私の父と同級生ですが、出征していたので年齢は5歳上でした。M外科部長も慶応の外科出身で、父によると鬼軍曹と呼ばれていたほど厳しい先生で、手術も上手だったと記憶に残っていたそうです。もう一人の外科医は慈恵医大出身で
▼続きを読む
2015 . 10 . 23

美容医療の神髄25-歴史的経緯第25話- ”口頭伝承から、自分史話へ”その2

こうして思い返すと、6年目までの研修時代に何をしたのかといえば、医師としての成長は言うまでもでもないのですが、形成外科診療以外には目もくれていなかったかも知れません。まあ若い医者っていうのはそんなものでしょう。もっともプライベートがゼロではなく、特に、2年目に東京の日比谷病院にローテーションした1年間は、時間が取れたようです。 その前に1年目に何をしたのか?。新人医師は、専門的な医療を学ぶ前に、医師としての最低限のノウハウを身に付けなければなりません。 北里大学形成外科は2チームに分かれていて、私の入ったA teamには、1年次二人、2年次一人、3年次一人、7年次(チーフ)が居て、その上に手の外科と美容外科を専門とするする助教授、腫瘍や再建を専門とする、のちに教授になる講師がスタ
▼続きを読む
2015 . 10 . 15

美容医療の神髄23-歴史的経緯第23話- ”口頭伝承話”その23

実際の形成外科医養成の研修プログラムは、大学によりかなり違うようですが、研修の目的は学会の認定する専門医を取得することにあるといっても過言ではありません。科によりそのウェイトに差があるとは思いますし、当時は専門医制度がまだ整備されていませんでした。 昨今の医療に対する国民の要請に答えるため、診療水準を専門医制度が証明し、それを広報できるようになります。またUSAによるTPAに関連した政策介入により、専門医の国家資格化が要請されているようです。現在各科の専門医は、厚労省の管轄する機構で制度化と審査が進行しています。そう言えば、前回記載しましたが、日本の近代医学は戦後GHQが導入したのでした。当時はベビーブームと高度成長期への胎動の下で医師不足で、とにかく医者を産めよ増やせよの時代だったの
▼続きを読む