何回も書いてきましたが、形成外科医療と美容外科医療は、美容外科医療の車の両輪に例えられます。そして形成外科医療と美容外科医療は共に、形態を治すという目的を持っています。違いは、機能的改善をも目的とするかです。形成外科医療は、先天性でも後天性でも、または外傷や腫瘍などの原因がある疾患に対して、機能的な損失を改善することが必要とされると同時に、形態的な損失も取り戻すことが目的とされます。身体機能は形態的な良否と表裏一体だからです。対して美容外科医療では、正常範囲の形態をより向上させることが目的とされます。逆に結果として機能的損失を生じない様に治療するのは当然です。
こう考えてみると、身体機能に対しては、治すか壊さないかの逆の方向性ですが、どちらにしても身体機能の、解剖学的または生理学的な構
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カテゴリー別アーカイブ: 黒目整形
ギューっと目を閉じたら浅くなった二重瞼。前回の切らない眼瞼下垂手術の効果=目の開きは保たれていますからMT法で可能です。
人間は類人猿から枝分かれしたのですが、現世の人間はホモサピエンスという種類で、特徴的な構造を作る基本的な遺伝子は皆同じです。ちなみにチンパンジーとホモサピエンスは、1%も違いません。でも遺伝子は一定のインターバルで突然変異します。交配もします。だから基本的な構造は同じでも、個人的な形態と機能は皆微妙に違います。
これまで何度か触れてきた話題です。類人猿の時代から、いやその前に枝分かれした哺乳類も多くは二重瞼でした。哺乳類が進化するに従って視機能が高まったのは、生存に優位だからです。少なくともホモサピエンスがアフリカで発生した際は、皆二重瞼だったと考えられています。二重瞼は視界が広い分、視機能の利用に有利です。
約2万年前は最終氷河期で、北東アジアは極寒で、しかも砂漠化していたので
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一重瞼という先天性前葉性眼瞼下垂症患者さんは、遺伝子が同座ですから、蒙古襞の拘縮を伴います。
眼瞼下垂症手術は切らない手術では自費診療ですが、切開法では保険診療です。もちろん適切に診療されて、厳密な診断に基づく場合に限られます。ところで眼瞼下垂症は、私も毎回書いて来た様に、概ね四つのカテゴリーに分けます。先天性と後天性。前葉性と後葉性です。その中で先天性前葉性眼瞼下垂症、つまり遺伝的な一重瞼や、その上眼瞼挙筋の筋力低下を伴う先天性後葉性眼瞼下垂症を伴う場合でも、蒙古襞は被さり拘縮していることが、ほぼ必発です。
題名に書いた通り、一重瞼の遺伝子は蒙古襞の拘縮を起こす遺伝子と同座と考えられています。同座とは同じDNAが決めるということです。なぜかと言えば、目的があるからです。2万年前にモンゴル地方は最終氷河期でした。そこでは目がぱっちり開いている人は凍ってしまい見えないから、自然淘
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埋没法重瞼術は定番ですが、切らない眼瞼下垂手術=NILT法=黒目整形は埋没法の一種です。
近年になって美容医療が流行したと考える国民が増えました。確かに人数は増えたのは統計上で明らかです。忌避観念がなくなって来たのです。でも最大の要因は、コマーシャリズムでしょう。TVCMも増えましたし、JRの電車内の扉の横は美容医療の広告だらけです。ただ、そのS.クリニックグループではトッピング治療も横行しています。先日ある患者さんが目袋の相談時に言いました。「広告で安く載っていたのでS.に行ってみたら、大して診察もなく、見積もりだけ出されたの!。とんでもない額でした。広告の3倍額よお〜!。もちろんもう行かないわよ!。」半ば怒っていました。患者さんはむしろ行っただけ損した感じの、自虐ネタでした。私患者さん(S.にでは無い)に失礼と思いながらも「やはりS.ではまだトッピングが常道ですよね。だってあ
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症例の女子は美人なので、目力アップすると似合います。社会機能的に聡明性が高まります。中国でも”目は口ほどにものを言う”のだそうです。
美容医療は昨今始まったのではありません。外傷後の形成外科治療は第一次大戦後にヨーロッパで有用でした。UKは王国ですから、戦傷者を、戦争に行かせた王室が面倒を看たのです。使われた技術は発展して、美容医療にも流用されました。日本では戦前から数名の施行医(ただし当時は眼科医や耳鼻科医)が存在しました。学術誌にも載っています。戦後日本では原爆の研究のためにGHQ (主にUSA )の形成外科医がやって来ました。ついでに美容医療も教えました。学んだ医師が、GIにモテる為の美容整形を受ける女性の為に、美容医療手術を施行しました。その後高度成長期には、美容整形クリニックが雨後の筍の様に増えました。昭和30年代には、既に山手線の各駅に存在しました。昭和51年に形成外科が、昭和53年に美容外科が標榜科目(広告に
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