カテゴリー別アーカイブ: 美容医療

2025 . 3 . 3

やはりこめかみリフトは効果的。方向と目標を使い分けます。

Face Liftは本来切開手術です。美容医療の中でも形成外科医の登場場面です。既に20世紀初頭には、有名な形成外科医が論文を書いて発表しています。 実は形成外科医療は、第一次世界大戦後にUKで興隆しました。戦傷外科です。第一次世界大戦では、国民が総動員され、また火器が発達し、対して塹壕戦となりました。結果的に塹壕から出ている部分である顔面外傷や顔面骨骨折が多発しました。UKは当時も今も立憲君主国ですから、傷痍軍人の手当ては王室が責任を取り、国家を揚げて顔面外傷を治さなくてはならないので、専門分野である形成外科が発達したのです。先駆者はGilliesですが、その後今でも使われるGilliesの鑷子(いわゆるピンセット、正しくはForseps)に名を残しています。私もたまに使います。
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2025 . 2 . 20

人中を寄せて可愛くする上白唇短縮術。真摯な診察で丁寧な手術でいつも患者さんに喜ばれます。

口周りの手術は減りました。多くの患者さんが受け終えたのか、それとも他院が増えたのか、他医が手を出しているのか解りません。最近"直美"が増えて真似されているのかも知れません。いずれにしても、今から10年以上前からコロナ間までは、私が日本一多くの口周りの手術をしていたかと思われます。学会発表の為に症例数を数えたら、確かに一番でした。そこには美容形成外科医出身の、私の優位性があるからです。 口周りの手術の重要点は二つあります。 一つは口周りの解剖学的構造を熟知している事。口唇は口腔の入り口で、摂食や咀嚼、構語の為に運動が激しい部位です。従って深部の筋、血管や神経の走行も複雑です。ですから口唇は赤い部分だけでなく、上下の皮膚にも構造が連続しているので、いつも強調している様に、赤い部位を赤
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2025 . 1 . 22

3回目の口唇短縮術と口角挙上術。患者さんが言うには後戻りしやすい体質と?・・。

口周りの手術を頻回に施行し始めてから、もう10年近くとなりました。患者さんは多数いらっしゃって毎週の様に手術していました。ただしこの数年は、若干ですが徐々に減りました。もっとも他の手術が増えたので、忙しさは変わりません。口周りの手術を施行する、他院の医師が徐々に増えたからでしょう。結果的に下手っぴいが増えて、トラブルも増えている様です。 さて美容医療:形成外科・美容外科(・美容皮膚科)に於いては、患者さんが来院するまでの手順が、一般医療と違います。誘引です。 まず広告ですが、TVCMや車内広告は内容が無いか、医学的に間違いが載っていて、本当の意味では参考にはなりませんが、認知度や有名性を上げています。チェーン店系美容整形屋では売上の半分前後を広告料に費やしています。国民は資本主義
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2025 . 1 . 12

こめかみリフト2Vectorが流行りです。目尻挙げたり、Jowl挙げたり、Malar挙げたり。アアッ、3これじゃ3Vectorだ。

題名に洋語が羅列されています。折角ですから、訳して説明しましょう。 Vectorは、中学校で矢印の向きを示して習いますよね。そこで辞書を引くと、いきなりカタカナでベクトルと出ます。訳語では、方向、進路、動径とあります。動径ってあまり使わない用語なので、国語辞典を引くと、角を回転で表す場合の、回転する半直線のことです。なんだ、意味は方向のことでした。ついでに派生語として、媒介生物があります。これは医学的にはベクターと読んでいます。”こっちの方”へ菌などを持っていくという意味でしょう。で、題名に視る2Vectorは、単純に2方向に向けて引く事でした。 JowlやMalarは美容医療=美容形成外科, Aesthetic Plastic Surgeryの用語です。 実はJowlは一
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2024 . 12 . 28

10年ぶりの切らない眼瞼下垂手術。前回満足したけれど窪み目も進行して、修正したい気持ちは理解できます。

なんとも素敵で真面目な患者さんです。10年前には難しい状態をうまく治して、お喜び頂けました。その結果を覚えていて、今回もまた治すなら、私に頼みたいと言って再来されました。実はその間、何人かの患者さんも紹介して下さいました。優しい患者さんです。 この様に、患者さんと医療者である私が、人と人として付き合えるのは、美容形成外科医、いや医師としての幸せです。もちろん日常的に付き合っている訳ではありません。特に、今や美容形成外科医の中の多くは、ビジネスに徹しています。医療の目的が金儲けで、資本主義に毒されています。難しい言い方になりますが、アベノミクス後から、儲けることが良いと捉えられ、その上その頃から、政治家が嘘を吐きまくるから、国民も追従して、特に美容形成外科の世界では、SNS上や広告で間違
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