口周りの手術は減りました。多くの患者さんが受け終えたのか、それとも他院が増えたのか、他医が手を出しているのか解りません。最近"直美"が増えて真似されているのかも知れません。いずれにしても、今から10年以上前からコロナ間までは、私が日本一多くの口周りの手術をしていたかと思われます。学会発表の為に症例数を数えたら、確かに一番でした。そこには美容形成外科医出身の、私の優位性があるからです。
口周りの手術の重要点は二つあります。
一つは口周りの解剖学的構造を熟知している事。口唇は口腔の入り口で、摂食や咀嚼、構語の為に運動が激しい部位です。従って深部の筋、血管や神経の走行も複雑です。ですから口唇は赤い部分だけでなく、上下の皮膚にも構造が連続しているので、いつも強調している様に、赤い部位を赤
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カテゴリー別アーカイブ: 日本形成外科学会認定専門医
年始恒例の一流人の手術。今回は前額リフトと頸部リフト。中顔面はやったから、残りは上と下ってことか・・。
まずは題名の説明です。患者さんは、一流の社会人です。毎年1ヶ月ほど休みを取って、この時期に手術を受けにいらっしゃいます。題名にある様に、いくつかの美容形成外科手術を施行してきました。今回は2回に分けて手術をしますが、一つの版に載せます。
昨今”直美”がキーワードです。医師が国家試験合格後にほとんど研修研鑽を受けないで、美容医療の分野に就職する、または開業する輩を、”直”接!"美”容医療を始めるからこう呼びます。また卒後他科で研修した後に、美容医療に転向するフラフラした医者も似た様な輩です。形成外科・美容外科が開設されている大学病院を含む大病院で、カリキュラムに沿って上級医に指導を受け、一歩ずつ学び取る様な施設で、最低6年間は研修を受けなければ、質の高い研修とは言えません。
当院の
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やはりこめかみリフトは効果的。方向と目標を使い分けます。
Face Liftは本来切開手術です。美容医療の中でも形成外科医の登場場面です。既に20世紀初頭には、有名な形成外科医が論文を書いて発表しています。
実は形成外科医療は、第一次世界大戦後にUKで興隆しました。戦傷外科です。第一次世界大戦では、国民が総動員され、また火器が発達し、対して塹壕戦となりました。結果的に塹壕から出ている部分である顔面外傷や顔面骨骨折が多発しました。UKは当時も今も立憲君主国ですから、傷痍軍人の手当ては王室が責任を取り、国家を揚げて顔面外傷を治さなくてはならないので、専門分野である形成外科が発達したのです。先駆者はGilliesですが、その後今でも使われるGilliesの鑷子(いわゆるピンセット、正しくはForseps)に名を残しています。私もたまに使います。
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目が近くても蒙古襞の拘縮(突っ張り)は野暮ったい感じ?!。切除では無く、目頭Z-形成術で外せば、目元がパッチリ!。
目頭”切開”術は、私の得意分野で好きな手術です。何回も書いてきましたが、Z-形成法による蒙古襞の拘縮解除は、私としては定式化しています。一重瞼を二重瞼に変える、重瞼術=先天性前葉性眼瞼下垂症手術の際には、遺伝子が同座にある蒙古襞の拘縮を同時に治すべきだと言えます。念の為書いて置きますと、一般人は蒙古襞は目頭に皮膚と眼輪筋が被さっていると捉えていますが、蒙古襞は下眼瞼から上眼瞼に繋がっているから、目を開く際に突っ張り(拘縮)邪魔をしますから、機能的にも改善が求められる先天的構造と考えます。ですから重瞼術の際には、目頭切開を併施する方が自然な形態と機能を造り上げられるのです。
人類の中で、東アジアにだけ一重瞼と蒙古襞が産まれました。名称の如く蒙古が発祥です。約2万年前の最終氷河期に起きた、
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3回目の口唇短縮術と口角挙上術。患者さんが言うには後戻りしやすい体質と?・・。
口周りの手術を頻回に施行し始めてから、もう10年近くとなりました。患者さんは多数いらっしゃって毎週の様に手術していました。ただしこの数年は、若干ですが徐々に減りました。もっとも他の手術が増えたので、忙しさは変わりません。口周りの手術を施行する、他院の医師が徐々に増えたからでしょう。結果的に下手っぴいが増えて、トラブルも増えている様です。
さて美容医療:形成外科・美容外科(・美容皮膚科)に於いては、患者さんが来院するまでの手順が、一般医療と違います。誘引です。
まず広告ですが、TVCMや車内広告は内容が無いか、医学的に間違いが載っていて、本当の意味では参考にはなりませんが、認知度や有名性を上げています。チェーン店系美容整形屋では売上の半分前後を広告料に費やしています。国民は資本主義
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