口周りの手術は減りました。多くの患者さんが受け終えたのか、それとも他院が増えたのか、他医が手を出しているのか解りません。最近"直美"が増えて真似されているのかも知れません。いずれにしても、今から10年以上前からコロナ間までは、私が日本一多くの口周りの手術をしていたかと思われます。学会発表の為に症例数を数えたら、確かに一番でした。そこには美容形成外科医出身の、私の優位性があるからです。
口周りの手術の重要点は二つあります。
一つは口周りの解剖学的構造を熟知している事。口唇は口腔の入り口で、摂食や咀嚼、構語の為に運動が激しい部位です。従って深部の筋、血管や神経の走行も複雑です。ですから口唇は赤い部分だけでなく、上下の皮膚にも構造が連続しているので、いつも強調している様に、赤い部位を赤
▼続きを読む
カテゴリー別アーカイブ: 真皮縫合
年始恒例の一流人の手術。今回は前額リフトと頸部リフト。中顔面はやったから、残りは上と下ってことか・・。
まずは題名の説明です。患者さんは、一流の社会人です。毎年1ヶ月ほど休みを取って、この時期に手術を受けにいらっしゃいます。題名にある様に、いくつかの美容形成外科手術を施行してきました。今回は2回に分けて手術をしますが、一つの版に載せます。
昨今”直美”がキーワードです。医師が国家試験合格後にほとんど研修研鑽を受けないで、美容医療の分野に就職する、または開業する輩を、”直”接!"美”容医療を始めるからこう呼びます。また卒後他科で研修した後に、美容医療に転向するフラフラした医者も似た様な輩です。形成外科・美容外科が開設されている大学病院を含む大病院で、カリキュラムに沿って上級医に指導を受け、一歩ずつ学び取る様な施設で、最低6年間は研修を受けなければ、質の高い研修とは言えません。
当院の
▼続きを読む
▼続きを読む
やはりこめかみリフトは効果的。方向と目標を使い分けます。
Face Liftは本来切開手術です。美容医療の中でも形成外科医の登場場面です。既に20世紀初頭には、有名な形成外科医が論文を書いて発表しています。
実は形成外科医療は、第一次世界大戦後にUKで興隆しました。戦傷外科です。第一次世界大戦では、国民が総動員され、また火器が発達し、対して塹壕戦となりました。結果的に塹壕から出ている部分である顔面外傷や顔面骨骨折が多発しました。UKは当時も今も立憲君主国ですから、傷痍軍人の手当ては王室が責任を取り、国家を揚げて顔面外傷を治さなくてはならないので、専門分野である形成外科が発達したのです。先駆者はGilliesですが、その後今でも使われるGilliesの鑷子(いわゆるピンセット、正しくはForseps)に名を残しています。私もたまに使います。
▼続きを読む
▼続きを読む
ブログで評判のこめかみからの2Vector,広範囲リフト。ここはSMAS下の剥離は不可で、皮下剥離します。。
ブログは画像を載せられ、経時的に経過を追えるので、患者さんにとって有用です。説明も詳しく書きます。美容医療では宣伝広告が必要です。本来の意味の口コミが難しいからです。
ところで美容医療とは、美容外科と形成外科が標榜科目です。最近では美容皮膚科という科目も標榜できます。その違いは何でしょうか?。
形成外科は、形態的異常と機能を治す医療となっています。もっとも、形態を”治す”だけの場合もあります。”治す”の言葉がポイントです。つまり原因がある形態的異常を正常化することが形成外科医療です。原因は先天的異常や腫瘍。外傷や病気など多様ですが、異常である形態が形成外科治療の目的です。なお異常とはどこで線を引くのかと言うと、所謂偏差値で決めます。単なる遺伝的な美容的差とは違います。英語では、P
▼続きを読む
▼続きを読む
まだまだ流行りのこめかみリフトで下から上に向けて挙げます。
リフト目的の症例が続きます。フェイス リフト,Face Liftとは、読んで字の如く、顔を持ち上げることですが、顔を持って持ち上げても意味がないので、顔の組織のどこかの一部を、どこかに向かって持ち上げます。具体的に皮下リフトでは、どこかを切開して、持ち上げたい部分の皮膚、軟部組織を剥離(ポケット状に剥がすこと)して、切開線の皮膚をほぼ上に引っ張り上げてみて、ポケット状にした皮膚、軟部組織に張りを造ると共に、ポケットの先端まで引き上げる作業です。引っ張り挙げて余った皮膚、軟部組織は切除して、上の頭側の皮膚と縫合して支えます。
ここで手術のポイントを三つ述べます。
まずどこを持ち上げたいのか?:これはポケットの先端です。現在私は、ブログにもある様にJowl(マリオネットラインの外のた
▼続きを読む
▼続きを読む