日本形成外科学会が認定する専門医の意義と形成外科医学教育の卒後研修の内容
医療は細分化し、標榜科だけでも今や24科、標榜の認可がまだ無い専門分野も入れれば数限りない科目があり、研究会を主宰しています。現在、厚労省が学会としての外形基準を審査し、医療における各専門分野を、国家レベルで認定し、保証はしませんが、より安全だと公示しています。さて専門医はどういう医師なのでしょう?。
私は、日本形成外科学会認定医です。ですから、形成外科専門医の認定法については知っていますが、他は知りません。私は好奇心があるので、他科の医師とのコミニュケーションで、聴いた事はあります。詳しくは知りませんが、おおむね似たレベルだとの印象ではあります。
私は平成7年に、日本形成外科学会認定医試験を受けまし
▼続きを読む
カテゴリー別アーカイブ: 形成外科
腋臭症(ワキガ)と多汗症(汗の臭い)Ⅲ
今回は長くなったので、二回に分けました。
やっと手術法の説明となりました。多く分けて四法あります。でも私は脇臭症の診断の下には、剪除法しかしません。一応術式を説明します。
①切除法:20年前までは行われていました。皮膚ごと切除するものですが、酷い跡、多くは運動制限を伴います。もちろん取る範囲を小さくすれば、脇臭症は治りもしません。今はこの手術をする医者はいないでしょう。
②超音波法、吸引法:小さな穴から吸引管を入れ削り取る、さらに超音波で砕いてから吸い出す方法。頑張ってまんべんなく取ろうとするのですが、何ぶん見ないで取るので、残る。部屋を掃除するのに、一カ所に突っ立ってする様なものです。特に穴から遠いところはまばらになります。また超音波を長く当てると、やけど状態になり皮膚が
▼続きを読む
▼続きを読む
腋臭症(ワキガ)と多汗症(汗の臭い)Ⅱ
腋臭症の治療の説明をする前に、診断について述べておく必要がありましたね。診断が正しくないと、治療はできません。腋臭症体質は遺、伝的にアポクリン汗腺が発達する体質で、皮膚常在細菌が繁殖しやすく、その結果特有の臭いがする。という事を前回説明しました。では、どのような形質が治療対象となるのでしょうか?。多汗症との訴えでしょうか?。腋臭症体質はどうでしょう?。臭いの質はどうでしょう?。というのも腋臭症体質か、そうでない多汗症かで、治療法の選択基準が違うからです。これが診断ということです。具体的な診断基準=手術への適応性について、先ず述べます。
①遺伝、病歴などの問診:腋臭症体質は、遺伝子が決めます。中学のときに習ったアレ、メンデルの遺伝の法則に従っています。腋臭症の遺伝子は優性遺伝です。日本人
▼続きを読む
▼続きを読む
まぶたの機能と美容医療 発展編Ⅰー重瞼術は必要。埋没法がいい?、切開法がいい?。可愛いでしょ!ⅰ
これまで、まぶたの機能と美容医療とのテーマで、いくつかの留意すべきポイントを述べてきました。目が小さいと感じる人に何をすればいいのか?、日本人では目が小さい人が多くいます。これは、遺伝子の為なのは、これまで何度か説明してきました。そしてこの形態は機能異常であることもこれまで説明してきました。だからこそ、東アジアでは、形態と機能の改善として、つまり美容形成外科の治療として、まぶたの治療=ほとんどは重瞼術ですが、同時に眼瞼下垂治療を要する事が多いのです。数の上でもっとも多く(私達の施設では半数以上を占めます。)質の上でもバランスを取った適正な医療が求められると思うのです。
これまでの2症例は、①切らない眼瞼下垂手術で開瞼を強化して、二重は控えめでも瞼縁が露出する手術と、目頭切開で抵抗を除去
▼続きを読む
▼続きを読む
美容医療の神髄番外編-本邦の戦後の医療の経緯Ⅰ
古来は医療というのは、怪しいもので、神懸かりだったり、気持ちの問題だったり、科学的ではなかったのです。
本来生命や、機能を保全する事は、国家や為政者に取って必要な事です。兵隊を減らさない。労働者に元気に働いてもらう。この為に医療は便利です。その事に気付いた集団のリーダー=王でも、君でも、社長でもありです。)は、医療を利用しようと考えるのは当然です。
文明開化以前にも、日本では江戸時代には、医学を目指した者はいました。町医者と御典医です。経験則から医療をしていました。ちなみに私の四代前は福島で地域医療をしていたそうです。欧米では、ルネッサンス期に、東アジアでは文明の萌芽と共に、日本では明治維新後に近代医学が科学的に発展しました。
日本では、後付けで西洋医学をまねたので、制度が
▼続きを読む
▼続きを読む