最近マスコミで”直美”という言葉が流れています。医学部を出て直ぐに、美容外科医となる医師をそう呼んでいます。造語したら判りやすいので、それは良しとしますが、私に言わせればそんな事は、30年以上前からの問題で、今更感に堪えません。そもそも直美が起きるのは、日本に於ける美容外科の特殊性、さらに言えば、国民の無知が呼んだ原因の一端を掘り起こさなければならないのではないでしょうか?。
本邦では昭和36年,1961年に国民皆保険制度が成立しました。たった63年前です。実は戦前に保険制度は一部で発足していましたが、一部に限られていて、敗戦後増加が進みませんでした。ほとんどの医療は自費診療で行われました。高度成長期にやっと成立しました。そう言えば、美容整形屋の父が昔言っていました「ひどい医者は、払え
▼続きを読む
カテゴリー別アーカイブ: 挙筋短縮術と挙筋固定術
10年ぶりの切らない眼瞼下垂手術。前回満足したけれど窪み目も進行して、修正したい気持ちは理解できます。
なんとも素敵で真面目な患者さんです。10年前には難しい状態をうまく治して、お喜び頂けました。その結果を覚えていて、今回もまた治すなら、私に頼みたいと言って再来されました。実はその間、何人かの患者さんも紹介して下さいました。優しい患者さんです。
この様に、患者さんと医療者である私が、人と人として付き合えるのは、美容形成外科医、いや医師としての幸せです。もちろん日常的に付き合っている訳ではありません。特に、今や美容形成外科医の中の多くは、ビジネスに徹しています。医療の目的が金儲けで、資本主義に毒されています。難しい言い方になりますが、アベノミクス後から、儲けることが良いと捉えられ、その上その頃から、政治家が嘘を吐きまくるから、国民も追従して、特に美容形成外科の世界では、SNS上や広告で間違
▼続きを読む
▼続きを読む
可愛い女子は何回かの美容医療を受けて来ましたが、経年変化に対して修正術を依頼されました。
Poly surgeryとは読んで字の如く多手術です。同一部位の複数回手術と、数々の部位の手術症例があります。これまで形成外科分野では、Poly surgery症例を好ましくないとされて来ました。その理由の一つには、同一部位を手術する場合には、それまでの治療法(手術に限らず侵襲)が少なからず影響するからです。深部も含む瘢痕(傷跡)が硬くて切りにくかったり、剥離(皮膚ならず内部の組織を剥がす事)の際に引っ掛かって力加減が難しかったりで、私に手間が増え、又は結果の良否に影響する可能性さえあり得ると言えます。もう一つの理由として前医が不明だったり、覚えていなかったり、少なくとも前の治療法が解らないことが多く、私が手術時に開けてびっくり玉手箱状態のことも少なからずあるから、私は術中に”どうしよう?!
▼続きを読む
▼続きを読む
目頭切開は蒙古襞の拘縮解除が目的です。切除してはいけません。Z-形成法に限ります。二重瞼者に合わせて変える方法
目頭切開術は美容整形屋(昭和53年までは美容外科という標榜科目はなく、美容医療の医療機関は適当な科目名を名乗っていました)の定番でした。外人顔を造るためです。先の大戦後GIにモテるために流行り、その後の高度成長期には芸能人もこぞって受けました。でも蒙古襞を”切除”する原始的な手術法でしたから、虫みたいな変な目元になりました。父が手術した患者さんのうち何人かは、今でも診ていますが、バレバレで格好も良くないかも・・。
蒙古襞は読んで字の如く、東アジア人に特徴的な変異です。2万年前のシベリアでは極寒で、モンゴルは砂漠化して砂が飛ぶから、目が大きく開く人は絶えていきました。結果的にまぶたが一重瞼で目の窓が小さくて、機能的には先天性前葉性眼瞼下垂症の人が生き延びました。つまりこれらの変異は、寒冷
▼続きを読む
▼続きを読む
眼瞼下垂症は手術法を間違えないで下さいな。今回左側は短縮縫合法で、右側は前葉切除法と使い分けました。
昨今、眼瞼下垂を手術する美容医療の医師が増えています。SNS上で話題ですから、チェーン店系の非形成外科医も手を出してしまいます。また、眼科が担当すると考え違いしている患者さんも、たまにいらっしゃいます。何故違うのかと言えば、確かに眼科は眼球周囲を取り扱いますが、目的は視機能を診療する分野ですから、多くの眼科医は形態に留意するべきである、眼瞼を取り扱うのは得意としません。ただしそのような意味では、眼瞼は機能と形態の両面を留意しなければなりません。形成外科医は機能と形態のバランスを考えて治療する科目ですから、確かに合致します。したがって形成外科を学ばないで、医師となって直ぐに就職するチェーン店系美容外科の医師達は、機能面を学べないので、手術を担当するべきでなかったのかもしれません。
という
▼続きを読む
▼続きを読む