鼻孔縁下制術は、静的な形態の改善が求められる手術です。動的には、皆さんもやってみれば解るように、鼻の孔はおっ広げられる部分です。外鼻には鼻筋群が皮下に存在しますが、厚みがない部分なので弱い筋ですから、鼻の孔の前縁は2㎜も動きません。だから逆に、鼻の孔の前縁が鼻孔底より2㎜以上上方にあると、いつも鼻の孔をおっ広げて見えるので品性に欠けます。
そこで本症例ですが、何故か鼻孔縁の形に左右差がある珍しいケースです。両側鼻孔縁が上に食い込んでいるだけでも野暮ったいのに、片側だけ三角形に食い込んでいると非対称性が目立つ訳で、患者さんも日常的に、写真や鏡で左右差を認めるのが嫌だと訴えるのは当然です。剣状強皮症が原因かは判りませんが、引っ張られているのかも知れません。
鼻孔縁下制術は、複合組織移
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鼻孔縁下制術と頤形成術の併施は可能です。
この2ヶ月半というもの、忙しかったです。私は自粛に応じて銀座院の手術日を4分の2.5に減らしましたが、その枠は満員でした。何度も書きましたが、マスクで隠せるから口周りの手術の症例が以前よりさらに増えて、休みを取っているから手術後のダウンタイムをやり過ごせるから、顔面どちらの部位の手術でも受けやすい人が来院しました。宣言が解けてからでも学校が休みならまたリモート授業なら、手術を受ける人はひっきりなしでした。
今回はやはり口周りの手術の一つです。と言っても鼻と頤ですが、やはりマスクで隠せる部位です。この数年私が携わってきた口周りの手術は評判でしたが、最近載せる機会がさらに増えましたから、今後もまだまだ症例は止まらないでしょう。
症例は45歳女性。これまで口周りの手術の修正を図ってきま
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鼻の孔の前側が上方に逆V字に喰い込んでいます。鼻孔縁下制術は耳介からの複合組織移植です。
いきなり面倒くさい標題です。鼻の高さや稜線(鼻スジ)のカーブは正面視では解り難く、側面や斜位からでなければ見えません。鼻尖の丸みや上下の位置は正面視でも判りますが、鼻スジの延長線との前後関係は側面からみなければ判りません。
それに比べて鼻の孔の入り口の形は正面視で目立つ部位です。見える程度は顔面の角度により変わりますが、形はあらゆる方向からでも見えます。特に正面視で鼻孔縁の前面が上に喰い込んでいると鼻の孔が上向いている事になり目立ちます。鼻尖の位置関係にも影響して見えます。中でも特に、鼻孔縁の前方が逆さV字の様な形だと目に着きます。
本症例は、鼻稜が太く低く、その上鼻根が低いからジャンプ台状態で、鼻尖は上方にあり丸い。典型的な鼻が野暮ったい人ですが、この程度の日本人(アジア人)は
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