2013 . 9 . 15

美容医療の神髄本編 ―美容医療の基本―

今を大事に生き、過去からの経験を掘り起こし、未来に向かって何をしていくべきか?。いつの世でも私達の命題ですが、医療に於いても、現在過去未来のプランが欠かせません。だから、診察が結果を決めるのです。診察は,触ったり,検査したりだけでなく、過去の経過から、求める未来像を引き出す。つまり情報が結果を導くのです。通常,医療に於いては診察前の事前情報を求めます。予診カルテと言ったり,アンケートと称したりします。姓名はもちろん,年齢、性別、住所、職業、家族構成、等が医療に必要な情報なのです。例えば、治療が危急の疾病でない場合、医療者のスケジュールと患者さんの都合の合一がなければ、成り立ちません。仕事の都合,家族の都合,通院の距離と時間等が影響します。職業については,特殊な物質に暴露する人は医学的に診療に注意が必要となることもあります。極端な例では,原発関係で放射線に暴露した人は創傷治癒の遅延を来す可能性があります。

よく間違えている患者さんがいらっしゃいます。患者さんの情報は,医療の前提として必要なんです。医師法には65年前から守秘義務が明記されています。そんなの当たり前!。個人情報保護法の施行以来やたら気にする人が多いのですが、他人には情報提供してはいけないのは、法律で担保されています。もちろん、ここで公開する写真は承諾を得ています。場合によっては出演料を出しているのです。

話は変わり、難しい事はさておき、最近の患者さんの言葉、「先生いい人だけど面白い人よね、とっても普通のお医者さんには思えないわ!。」私は「そうですかね?。」とだけ、答えました。

これこそが、美容医療の神髄なのです。初回に述べました通り、医療は第一義:生命、第二義:機能、大三義:形態という社会機能。この段階でレパートリーを広げてきました。その段階で診療に於けるスタイルは当然変わって来た訳です。生命の危機,生きるか死ぬかの際に立ち会う医師は、厳粛に対応すべきであるのは当たり前です。そこには結果に全か無かの重さがあります。医師が聖職者である所以です。しかし,機能を改善する医療現場では,完璧は無いだけでなく,危急性はないため、むしろ患者と医療者が侵襲と結果のバランスを検討していく必要があるといえます。そして形態的改善をも目的とする医療では、患者側は全く持って主観的であり,医療者側はできるだけ客観的に遂行すべきという矛盾が存してしまう訳です。

私達美容医療者=形成外科、美容外科、美容皮膚科医は、そんな常に危うい診療場面にいるのです。だから、患者さんの主観を引き出し、こちらの客観的評価を投げかける。そうして一致点を見出していく、治療方針を立てていく、社会的な状況も勘案して,費用対効果も計算して,いろいろな要素から,診療=治療方針の決定を得ようとするのです。

大変でしょう?。だから、いい人を演じているのは,患者さんの観点に立っているから。面白い人なのは,患者さんの意見と私の意見を行ったり来たりしているから,話も行ったり来たりするから、時には立ち会う看護婦さんとも混線しますから、面白いというより,トリオ漫才の様になる時もあります。という訳で,美容医療者は普通の医者ではない?。そうです、時には患者さんと医療者をつなぐコンシェルジェの様な者です。人間の形態は,社会的機能の一部を司ります。つまり、私達美容医療者は、患者さんの人格を作り上げていくのです。だから、普通でないと同時に,基本的にいい人です。そんな医者は,面白いでしょ?。

今日も、患者さんが悦ばれて,ウットリして帰りました。別に私が口説いたのではないのですが、涙を流さんばかりに感激していました。こんな毎日を経験してます。でも麻痺しません。喜びの結果に患者さんは私達に報酬を与えていきます。よかったですね!、素敵をアップできましたね!、可愛いですね?、わあーキレイ!。患者さんが毎日認めてくれます。私も答えて,悦んでいます。そして…、その結果、報酬をいただきます。有り難うございます。これで私達は皆さんの為に頑張れます。思考の悦びをお互いに享受する為に。

こんな仕事は、美容医療医だからだけに享受されるべきではなく,みんなの喜びの共有が、社会や国家を向上させるんですよね。その魁になれれば幸いです。

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