今回切らない小鼻縮小術をご紹介します。まずは症例を提示します。
上2枚は術前、正面で鼻翼の最大幅を図ると37㎜です。あぐら書いた鼻と表現されますよね。
術後は正面では33㎜にしました。下方からの写真を比べると差がよく見えますよね。
鼻翼とは、その名の通り、鼻の両側の翼上の部位をいいます。飛行機のそれも戦闘機の三角形の翼見たいですよね。鼻の孔のトンネルの入り口に見えます。ところで巷では、小鼻ということもありますが、それは小さいのがいいという意味でしょう?!。
私は鼻翼縮小術は2種類を使い分けています。鼻翼のでかいという人には2つのパターンがあります。
1:鼻翼の幅が距離として長い人。その中で最大幅が頬との付け根にあるケース。
2:鼻翼の最大幅が大きいのですが、その幅は頬より離れた位置にあり、下から見ると丸い鼻の孔の人。
いずれにしても正面から見た最大幅が、女性で35㎜以上あると、でかいなと感じます。男性なら40㎜なんていう人はゴロゴロいます。私なんか45mmもあります。男性ではでかい鼻は男らしさの象徴ともされますが、女性では品がなく見えます。
2種類の手術式は
1:両側鼻翼と頬の付け根の溝に糸をかけて寄せる方法。これだけでは埋没法ですが、充分に効果が出ます。もちろん永久ではありません。鼻は組織が弱く、糸が食い込んで行ってしまうからです。まぶたの手術や、糸のリフトでもそうですが、術直後には計算通りの形、サイズにできますが、後戻りが起きます。数週間でである程度戻り、その後は定着します。例えば40㎜を34㎜にすると、3か月後に37㎜まで戻るとか、もちろん皮膚の強さは個人差がありますから、ケースバイケースです。そこで、切る方法をしたこともあります。鼻の中の皮膚を切除し、剥離し寄せれば戻らないと理論的には考えられます。でもやはり戻りました。程度が少ないだけです。数字的には40㎜を34㎜にすると35.5mmまで戻りました。どちらがいいかはダウンタイムの問題です。さすがに切ると腫れます。糸は鼻の孔の中ですが、見えなくはないです。切らない(埋没法)手術では直後にも困りません。ですから、最近は切らない手術が圧倒的に多いです(80%)。
2:鼻翼が丸く膨らんでいるタイプには、これを切除する方法があります。鼻翼と頬の付け根の溝を弓形に切開し、その前の皮膚を三日月型に切り取ります。これを縫い寄せると最大幅が付け根に来ます。すらっとした鼻翼になります。同時に糸をかけることもできます。症例としてはそんなに多くはないと思います。
当院では、1法と2法は7対2くらいの割合で、両法同時が1割くらいです。
実は今回提示した症例は、2年前に1法と2法を同時施行していて、さらにその後鼻尖縮小もしています。その際の、つまり手つかずの状態から提示し直します。
手術前の画像:鼻翼最大幅40㎜です。下から見ると付け根より一部が張り出しています。そして厚みがあります。このような場合1法は必要ですが、2法を加えるかは迷うところです。時にはまず1法をしてから、2法。時には、2法をしてから1法、時には2法をしている最中に、シミュレーションしてみて1法を加えることもあります。この症例では、充分な効果を得るため同時施行を予定しました。
手術直後の画像:幅34㎜にしました。張り出しは付け根を寄せた分除去したことになり、鼻翼はいい形です。
ところが、2週間後には幅37㎜まで後戻りが見られました。下の画像は6か月後で37㎜で定着しています。
そこで、鼻翼と鼻尖の大きさの比を改善しようと提案しました。鼻尖(鼻の頭)の大きさは計測が難しいのですが、下図をご覧いただいて、正面では鼻尖がペタッとして見えます。下方からでは、鼻尖のドームが鼻翼へ移行するところで直線的になる点が鼻尖の外側縁だと捉え計測すると、25㎜あります。経験上、20ミリを超えると大きいといえ、または鼻翼幅の半分以下がいいバランスだといえます。
今回の手術法は、軟骨縫合法です。いろいろな手術法がありますが、このケースでは、十分な効果が得られています。
そして久しぶりに再診した今回は下図。前回の術後と比べ、鼻尖の形は保たれています。鼻翼のサイズは実は、鼻尖縮小の引き寄せ力が働いているため、36.5mmとなっています。
鼻翼をもう少し寄せたいとのことで、追加手術となったのです。
33㎜まで寄せました。この様に切らない鼻翼縮小術は追加が可能です。
今回はどれだけ後戻りするのか?、いつごろ定着するのか?、前回よりさらに良好な、長期経過が得られるでしょう。2週間後の再診が楽しみです。
この様に、簡単で、追加も可能な手術ですから、ヒアルロン酸をはじめとした注入両方に負けず劣らずのプチ整形と言えますよね。