前々回、ニュースを見ていて思いついて、眼瞼下垂とスポーツの話しをしましたが、元はといえば、レーシックを受けたサッカー選手の件からつながった話です。
数多ある形成外科・美容外科の中でも、私達は眼瞼の治療に重きを置いている方だと思います。私は形成外科医局や学会で眼瞼の解剖や、生理機能について常々学んできましたし、父との銀座美容外科での診療でも重瞼術は最多ですから、多くの患者さんを診て治療してきました。そして、今から10年程前学会で、池田先生が発表した切らない眼瞼下垂手術に魅せられ、ここに至ったのです。
まぶたの美容医療については、形態と機能の両立が必要だとこれまで何度も述べて来ました。私達は日本で数少ない(百人以下)形成外科と美容外科の専門医ですから、形態と機能の改善を両立させる事のできるのです。その際機能として視機能に付いても問われる事があります。私達は眼科医でないので、診察はできませんが、まぶたは目を見る為にあるので、関連はありますから、指導はできます。まぶたの開きが良くなかった時には気付かなかった視機能の問題に気付く様になるからです。
視機能とは視力を含めた、見え方ですが、他の要素もあります。視野とは、眼球の見える範囲ですが、まぶたが被さっていては上方は見えない訳で、これは眼瞼下垂ですから、私達の診療分野です。他にも、眼球の動きが障害された為の復視のうち、眼窩底骨折による場合は私達形成外科医の分野です。
ところで視力というと、あの輪っかを見て飽いている方が上とか下とか、右とか左とか言うアレ。それだけで評価する人が多いのですが、それは一つの指標に過ぎません。視機能は、どこがどれだけ見えるかで、矯正が可能ならその上での見え方も加味されます。
視機能を司る目の付近を前方から並べると、瞼、眼球、神経、脳となります。瞼はいつも説明しているので置いておきますが、後でもう一度出てきます。神経や脳は、現時点では壊れたら治せないので触れません。もうすぐIPSで治せる様になるかも知れませんが..。
視機能の話をするとなると眼科医の担当と考えますが、私に掛る患者さんに説明したいので、知っている限りの知識を、解りやすく述べます。もちろん瞼の診療とお関連事項が挟まれます。
長くなるので、一度切ります。