顔面の輪郭は、表面からいうと、皮膚(表皮と真皮)、皮下脂肪、筋膜と筋、骨、それに口では歯が決定していますよね。
皮膚の厚さはせいぜい3㍉ですから輪郭を左右しませんが、加齢で皮膚が伸びる(弛緩し、面積が増え、下垂)すると、輪郭が変形します。皮下脂肪は厚さに個体差があり、顔ではFat Padと言い、ブロック上の脂肪体がいくつかあり、これは輪郭を左右します。もちろん加齢で変位します。筋や筋膜は厚さはそれなりで、特に咬筋は加齢や歯ぎしりなどで肥厚したり、運動筋ですから鍛えたら厚くなります。また、筋や筋膜はトーヌスと言って覚醒時には無意識に収縮して形態を保っていますから、形を保持しています。加齢で弛緩してくると下垂してきて、輪郭形態にまで影響してきます。これらの要素は、変化します。前にも述べた「軟部組織」だからです。軟部組織の加齢変化や、個体差についてはまたの機会として、今回は骨格についてお話を始めます。
骨格は個体差が大きく、また輪郭に投影され目で見えます。前回正面と側面で話し始めましたが、まとめて述べていこうと思います。何故なら、顔面といいながら、二次元ではなく、顔は立体です。三次元的構造です。写真では面=つまり二次元でしか見えませんが、人間の目は立体視が得意です。一面を見て前後関係を見いだせるのです。実は、人間の目は二つが前に付いているので、動物の中で最も立体視が得意なのです。
前置きが長くなりましたが、例えば、正面視でも、口の出方、厚み、眼の出方、眼窩骨の突出、鼻の高さなどは推察できます。逆に側面視では、顔の幅は推察できません。ですからおおざっぱにいうと、正面輪郭とは顔の大きさ(幅)で、側面輪郭では彫りの深さを評価できます。
正面輪郭では、顔の幅と長さ、その比、そして上下の配置のバランスが、顔の造りの個体差を表出します。
そこで日本人の顔面正面像の変遷を、国立博物館のページから画像を頂き、提示してみます。
ふざけているわけではありません。この画像は科学的データです。私達日本人の平均的な顔を、画像データの集積から、作ったものです。未来は予想です。
日本人は、縄文人系と弥生人系の混血と考えらえ、この2例は典型的ですから、日本人はほとんどこの間にいます。逆に言うと、こんなにバリエーションがあり得ます。そして、特徴があります。
詳しくは次回から始めます。