黒目整形とは、切らない眼瞼下垂手術をそう呼んでいるのです。黒目が大きくなる訳ではないのですが、黒目＝角膜がよく見えるようにする美容医療の一種です。今回、３か月前に手術した患者さんが来院され、写真を撮らしていただきました。とても良い結果で、カラコンをしたまま撮らせてもらったのですが、こ～んなにオメメパッチリで可愛いので、まず本日の画像を見てください。 
１４ｍｍのカラコンをしているのですが、上がちょっと隠れていて自然です。下もちょっと隠れるのが（三白眼でないのが）やさしい感じ。これぞアーモンドアイって感じ！。術後３か月で中期的変化が終わり、形態と機能が定着したと考え、完成とさせていただきました。
もう一度術前からの経過を追ってみます。
術前は二重も緩んでいました。開瞼が弱く、後天性眼瞼下垂と、蒙古襞による眼瞼狭小状態です。私達の得意とする、切らない眼瞼下垂手術＝黒目整形とＺ－形成法による目頭拘縮解除術（いわゆる目頭切開手術）を行いました。
上図は術直後と１週間後です。さすがに直後はイタい感じ。それに開きが良過ぎるのです。目頭の創もさすがに見えます。１週間で抜糸しても、まだ傷跡はありますが、メイクで隠せます。
上左図は１ヶ月です。もちろん１ヶ月もすれば何も目立たないです。意識的に目を開いて撮らしてくれました。ここで大事なのは、眉を挙げないでも良く開くという点です。これは目を開く筋力が良く効いているからで、自然と開瞼ができるようになったからです。
今回の３ヶ月目の写真撮影で、アーモンドアイの完成を見、好結果に満足を得られましたので、一旦診療は終えました。上左図が術前、上右図が術後３ヶ月です。比較しながら、説明します。
アーモンドアイとは、読んで字のごとくアーモンド型の目の窓です。最大の窓の面積となります。自然状態ではアーモンドアイではない人が多く、窓の小さい形態と開瞼の弱い機能となっている人が多いのです。上左図では、内側が細いのでアーモンドアイではないのです。
本邦を含むアジア人に多く存在するし、その原因としては三つあります。
１；蒙古ひだ、お約束みたいないつもの奴です。日本人は、蒙古人種系の遺伝子を必ず持っています。上の目頭が被されば、内側が細くなります。外に向かって大きい涙型で、アーモンド型ではないです。横径も小さくなるため小振りになり、アーモンドより丸い人もいます。
２；一重まぶたなら、皮膚が瞼縁に被さり皮膚性眼瞼下垂であるため、縦が小さい。このため細長目になる。一重まぶたを呈するDNAと蒙古襞を呈するDNAは近隣にあると考えられ、併発する症例が多いため、上記１も伴い易い。たとえ二重まぶたでも、眼瞼下垂は生じ易い。日本人は勤勉だからか、近視眼の人が多く、しかも近年は美容的にコンタクトレンズを装用する人が多いため、コンタクトレンズに因る後天性（腱膜性）眼瞼下垂が多発している。細目どころか眠そうな目となり、とてもアーモンドアイとはならない。しかも上眼瞼挙筋腱膜は内側が弱い症例が多いため、内下がりの窓となる。
３；実はアジア人はモンゴリアンスラントといい、目の窓の傾きが外上がりである。下の瞼縁の外側が上がっていて、上の瞼縁も開いているので涙滴型が強調されることになりがちである。
白人の多くはアーモンドアイです。違いは上記にある通りですから、改善法はお判りだと思います。
１に対して目頭切開ですが、単純に皮膚の被さりを取るだけでは内側は開きません。私達の得意とする蒙古襞拘縮解除術＝Z−形成法に依る目頭切開術が明らかに優位です。
２に対しては眼瞼下垂症手術が求められます。同時に重瞼術も必要な場合が大多数です。私達は損所そこらのチェーン店系の美容整形屋と違い、切開法のエキスパートですが、非切開法の方が例数は多いのです。話は飛びますが、最近内視鏡手術でのトラブルが問題になっていますよね。難しい症例は、術中に開腹に切り替えるようにガイドラインがあるのにも関わらず、開腹手術をしたことがない医師が内視鏡手術をしていると対処できないからなのです。同様に、切開法の重瞼術や眼瞼下垂手術をしたことのない医師が非切開法（切らない）の重瞼術や眼瞼下垂症手術をするとどうなるかは自ずと知れている訳です。
３に対しては、下眼瞼外側下制術という手術があります。アーモンドアイ形成法とか、グラマラスアイ法と呼ばれています。でも売り出しているF先生に学会時に指摘し議論したのですが、上記の１、２、３の組み合わせが本当のアーモンドアイ形成術だと思います。
今回の症例はこの点で解りやすい症例です。もう一度術前と術後３ヶ月を比べてみてください。１と２の手術でアーモンドアイになりました。
