前回、アーモンドアイの作成法の症例提示を致しました。切らない眼瞼下垂手術=黒目整形+蒙古襞の拘縮に因る内側開瞼障害に対するZ−形成法での目頭形成術=当院独自のいわゆる目頭切開手術を、駆使することで、いわゆるアーモンドアイに出来たのです。
今回は、切らない眼瞼下垂手術だけで、アーモンドアイに近づけることができた症例です。まずは術前、術直後の画像から提示します。
二重はこれまでに埋没法を他院で受けています。でも目の開きは弱い。むしろ、埋没法をしてからより眠そうになったケースです。隠れていた眼瞼下垂状態が重瞼術後に露呈することは、ままあります。さらにいうと、窓の形として内側が落ちている。黒目(角膜)の上に掛かる上眼瞼縁が斜めになっていて、その結果外上がりの目付きになっている。つまり、吊り目でキツく見えるタイプです。良く訴えられるパターンです。
もちろん日本人ですから、蒙古襞はあります。モンゴル系(新モンゴロイド)の遺伝子が混じっていないと日本人とはいえないと思います。何故なら、日本を古来統合してきた万世一系?の朝廷は、モンゴル系ですから。日本人では蒙古襞のない古アジア系の遺伝子が混ざっていますから、蒙古襞の程度に大小があるのです。本症例は通常程度と言えます。
ですから、本症例の涙滴型眼裂の原因は、蒙古襞の拘縮よりも、眼瞼下垂が比重が思いと考えられます。眼瞼下垂症のうち、先天性では筋力低下が機序となりますが、先天的に上眼瞼挙筋の内側が欠損している症例も少なくありません。この場合、筋力低下が軽度だと眼瞼下垂症には見えませんが、吊り目に見えています。そのタイプの構造の人が後天性(腱膜性=多くはコンタクトレンズ性)の眼瞼下垂を呈するようになると、眠そうな力のない目元となるのに、吊り目があるためキツい目元、いやな表情に見えるようになります。接客業の人では、使い物にならなくなります。
そこでこの本症例では、まずは切らない眼瞼下垂手術=黒目整形を第一選択されました。そこで、私も「ハイッ、判りました。そうです、まずは目を開きましょう。特に内側に力を入れます。私も人間ですから、力の入れ方の調整はできます。」
術直後の結果を近接像で提示します。えー力入れすぎたかなあ!。ええ、気合い入れましたよ。右目(左図)では、内側につい引き込みが見えます。中央付近はむしろ皮膚が被っていますと言うか瞼縁が挙がり過ぎかも。でも、黒目の上辺に掛かる瞼縁は、ほぼ水平にできました。左目(右図)では、やはり内側に引き込みが見えます。重瞼ラインはほぼ丸く、瞼縁も丸く、黒目の上辺に掛かる瞼縁も水平です。
実は、この画像を提示しようかどうか迷いました。術直後には、オーバーコレクション(過剰修正)になりがちだからです。さすがに開き過ぎでしょ?。何故オーバーかはいくつかの原因があります。1;局所麻酔が眼輪筋(目を閉じる方の筋)に強く効いて、開瞼は強化しているものだから、バランスが崩れて開きすぎる。2;上眼瞼挙筋と眼瞼結膜を縫い縮めたのですが、わずかに腫れている組織を縮めたので効きすぎている。3;直後の撮影時には、患者さんも意識して強く開いて撮影に臨む。以上の3点が推察されます。実際にも、数時間で1の麻酔が吸収され少し落ち着きます。2の腫脹の経過は数日要します。3の撮影法はこちらの指示次第です。
そうはいっても私が「今は開き過ぎだけど、術前と今の差の約2/3になります。でも、内側挙がって言いでしょ?」と説明すると、患者さんも「うれしい〜!」と答えてくれました。
近々1週間の、経過診察にいらっしゃるので、丁度良くなっている筈です。上記の3つのメカニズムを理解していれば、経過の変遷も予想通りになります。次回をお楽しみに。