黒目整形=切らない眼瞼下垂手術=NILT法で目元をパッチリ、クッキリにした症例です。何回か提示してきましたが、今回は1ヶ月後で来院して頂き、経過を見せてもらいました。
上左図が術前、上右図が術後1ヶ月の画像です。
上図は近接像ですが、術後経過としては、落ち着いた状態です。目力が入って、魅力的ですね。
黒目整形=切らない眼瞼下垂手術=NILT法は、これだけでも、目頭切開と組み合わせても、どちらでも効果的な手術です。もちろん症例により選択されます。
眼瞼の診療においては、機能と形態の二つの観点が互いに関連し、相互作用として同時に向上されていくため、バランスが難しく、だからこちらとしても面白い分野です。難しいので、もう一度説明します。
瞼の機能とは、開瞼力の伝達度、瞼縁の作る窓の大きさです。上眼瞼は上眼瞼挙筋という筋肉が引き上げます。覚醒時には何か行動している際には、自律神経系の一方の系統である交感神経系が、上眼瞼挙筋を収縮するための電気信号を常に発しています。交感神経系は覚醒時はもちろん働いていますが、興奮時や攻撃時のも信号が増えます。つまり開瞼の程度は精神状態によって変わります。それでは評価ができないので、診断法を紹介します。
1、閉瞼時から開瞼してもらい最大上方視までに瞼縁が動く距離が挙筋筋力と定義されています。筋力というとgで示すべきだとの考えから、私は単純に動く距離を示すと言う意味で挙筋滑動距離と呼んでいます。正常は12㎜以上だと考え、それ以下の筋力が弱いケースは先天性眼瞼下垂症と捉えています。後天性腱膜性眼瞼下垂症では、低下していません。2、第一眼位=顔面を正対して水平方向を見る姿勢で開瞼してもらいます。直立している鏡を`きをつけ`をしながら見る際での眼位でもあり、人と正対している際の相手の目を見る動作の眼位でもあります。この際上眼瞼の最高点と瞳孔中心の距離がMRD; Margin Reflex Distance です。訳すと辺縁(中心)反射距離で、皮膚の被さりがある場合はどけて計ります。正常では、この距離は3㎜あります。それ以下では眼瞼下垂です。眼瞼挙筋が挙げられなくて、眉毛を挙げる反射が起きているケースでは検者が手で抑えて計ります。先天性眼瞼下垂ではもちろん、後天性腱膜性眼瞼下垂でも、力を入れなければ低下が見られます。3、最終的にフェニレフリンテストをします。一時的に筋力を強化する目薬をさすと、後天性腱膜性眼瞼下垂症では、正常の開瞼になります。
診断法に脱線してしまいました。よく読んで頂けたら、1、2、は自己診断できるかも知れません。機能とは開瞼度ですが、要するに日常的に目力が入っているかどうかです。正常の開瞼度に比べ眼瞼下垂状態症例者の開瞼度は第一印象で違いが見えます。なんか目が開いていない、または眠そうという精神身体状態の反映に見えるので、判ります。「どうしたの?、元気なさそうじゃない。」と声をかけたくなる機能の表出です。
形態とは見た目の形、美容的レベルという意味ですが、要するに目が大きく見えるかどうかと形が綺麗かどうかです。パッチリクッキリが至上なら、細く、目の窓が小さくて、眼球が隠れているのは低レベル形態と捉えられます。形態としての二重か一重かはもちろん影響します。瞼縁の作る窓の狭小化が従来からの狭義の眼瞼下垂の定義ですが、瞼縁に皮膚が被さるかどうかも広義の眼瞼下垂として捉えることがなされます。逆に言えば、第一眼位で瞼縁より皮膚が下にあるのが一重まぶたで、上にあるのが二重瞼と定義できます。そう考えると、一重まぶたは皮膚性眼瞼下垂症という病態を必ず呈していることになります。一重二重は遺伝子の表現形ですから、先天性疾患と言えます。形態的にクッキリ二重は、美しいだけでなく、機能的損失も伴わないということです。
私の美容医療における格言をもう一度記します。「良好な機能は良好な形態に宿り、良好な機能は良好な形態を呈する。」今回の症例は典型例なので、またまた詳しい説明をきさせてもらいました。このページの最上部の2枚の写真が物語っていますよね。