先々週の症例;黒目整形=切らない眼瞼下垂手術;NILT法とZ−形成法による目頭(蒙古襞)拘縮解除術=当院の目頭切開手術の2週間後の経過です。
そして、2週間後の第一眼位と第二眼位(上方視)
2週間の経過を見て来たら、徐々に和らいでいます。術前の開瞼の弱さでは、精気がなく眠そうな雰囲気がします。3回目なので、気合いを入れてもらうように頼まれました。また、目頭部の蒙古襞の被さりと突っ張りが、開瞼を阻害しているのは明らかですから、これを同時に改良すれば、より強い開瞼が得られるとの期待がありました。
結果として、気合いを入れすぎたため、術直後は睨んでいる様な開瞼が得られ過ぎ、目頭も尖った感じの開きになっていました。2週間後の経過撮影では、いい感じに近づいています。
重瞼は、お望みの幅、カーブに出来ています。目頭の突っ張りが取れて、吊り目が改善しています。後は瞼縁のカーブがどれだけ揃うかです。術翌日の診察時に患者さんに「右の内側がもう少し欲しかったかも?」と言われました。よーく見ているなあ!、っと感心しました。そして、「次は、切開で固定して下さい。」と患者さん。「そうですね、切開は得意ですよ。チェーン店系とは違いますから。」と私は応じました。「でも、切開手術は3ヶ月はあけて下さい。」と告げました。それ以上の説明はこれから記載します。
何らかの手が加わった部位は組織が瘢痕化していて硬いので、柔らかくなるのに3ヶ月掛かります。創傷(=手術はキズ)が治るのは、コラーゲンが析出(滲み出て来ること)して、固めるのです。コラーゲンは訳すと膠原繊維といい、膠:にかわは糊の様なものという意味ですが繊維です。要するに身体は、繊維が布の様に折り合わさって出来ています。繊維は水分に浸されています。コラーゲンは創傷後約4日から析出して来ます。だから、抜糸はその後になるのです。コラーゲンはアミノ酸が繫がった蛋白質です。組成が数種類あって、通常の皮膚等ではタイプⅠですが、創傷治癒期に最初に析出してくるのは、タイプⅢで組成上硬めなのです。目的論からすると、キズが治るときは硬く着いたほうがいいので、タイプⅢなのでしょう。生体はうまく出来ていますね!?。コラーゲンは常に置き換わっています。体内にはコラゲナーゼという酵素が微量流れていて、コラーゲンを分解します。コラーゲンが消失した隙間に、また新しいコラーゲンが析出します。一度出来たコラーゲンが新たなコラーゲンに置き換わるのに3ヶ月掛かります。その際にコラーゲンタイプⅠに戻ります。ですから、創跡が柔らかくなるのに3ヶ月が目処なのです。皆さんもご理解いただけましたでしょう。
今回の症例は、ゴールが高いというか、開瞼を最大限重視されています。女性としては高過ぎな希望かも知れません。でもそれはそれで、開瞼が強いときりっとして、魅力的と感じる事も出来ます。好みの違いです。私は理想の美を追求してきましたが、その方向性の一つとして開瞼力の強化は欠かせません。少なくともアジア人では、美的要素としての開瞼が不良な人が大多数ですから、開瞼強化を求める事で美的要素のアップにならない筈がない。っという考えは正しいでしょう?。
次回1ヶ月後の経過をお楽しみに!。その際にまた、当院独自の目頭切開ならぬ、蒙古襞による内眼角付近の拘縮のZ−形成による解除術のシミュレーションを載せたいと思います。