先週の症例;黒目整形=切らない眼瞼下垂手術;NILT法とZ−形成法による目頭(蒙古襞)拘縮解除術=当院の目頭切開手術の1週間後の経過です。
上に3枚の画像を並べて見てみます。
術前の開きが良くないまぶたの原因が、蒙古襞の突っ張りのためであることが判ります。
術直後は、目頭が開きすぎて鋭角になってしまっています。これは襞を縦方向の突っ張りからの横方向へ方向転換したためです。そのため開瞼は明らかに強化され、強過ぎます。麻酔の影響で動きが変なのもあります。
1週間で抜糸したら、かなりいい形になっています。残念ながら一部に内出血したのがまだ見えます。もう1週間で引くでしょう。
術直後と1週間後の違いは
1、糸があるかないか。創があるかないか。当たり前です。透明の糸でもなんか見えるし、創の線はどんなに小さくても赤く見えます。
2、目頭切開=蒙古襞の拘縮(突っ張り)の解除による開瞼に対する抵抗力の除去。という長ったらしい手術名ですが、要するに蒙古襞が縦に突っ張っているのを、Z−形成により横へ方向転換した手術です。一辺4㎜の60度のZ型に作図して、三角形の皮膚を入れ替えると、理論的に計算上皮膚が縦に√3倍伸びて3㎜伸びて、横に1.5㎜開くのです。術直後は皮膚が腫れていて横方向に引っ張られていますが、1週間経つと和らいでいます。感じも優しくなっています。
3、目の開く力は力の入れ方や、向く方向で一定しないのですが、写真では、真っ正面から、しっかり開いてもらって撮影します。術直後は力が入ります。1週間で落ち着いて撮ると、自然な開瞼に近づいています。黒目整形=切らない眼瞼下垂手術(NILT法)は、糸が締めた筋肉=上眼瞼挙筋のミューラー筋に、約2週間で喰い込んでいって定着するまでにずっこけて緩むのです。ただしくれぐれも、糸が緩むのではありませんからね。ご覧になってお判りかと思いますが、術直後は開きすぎて重瞼の幅がないのに、1週間では開瞼が適度に戻っていて、重瞼が綺麗に見えて来ています。
術後1週間では判断できませんが、右眼瞼の開瞼力が、左に比べ僅かに弱いのではないかと、患者さんに言われました。特に内側です。私も否定はできませんでした。3ヶ月間の中期的経過を診ていきたいと思います。来週はどうなるでしょうか?。お楽しみに!