当院お得意の独自の治療=黒目整形=切らない眼瞼下垂手術=NILT法は、ある程度の年齢の患者さんにも、症例の状態と希望によっては適応します。
ところが今回撮影時に、患者さんがお疲れのため、いい写真になりませんでした。まるで失敗に見えてしまいます。上左図が術前、上右図が術直後です。なーんだこれって言われそうです。すみません!術直後には、目を開いていただけない時に撮影してしまいました。
症例は53歳、女性。生来二重まぶたで。目がパッチリしていた。加齢に伴い皮膚が弛緩伸展し重瞼が狭くなってきただけでなく、開瞼も落ちてきた。肩こりや頭痛も伴ってきた。挙筋筋力(=眼瞼滑動距離)は13mmと正常であり、先天性眼瞼下垂ではない。コンタクトレンズ装用歴はないが、慢性的な物理的外力による後天性腱膜性眼瞼下垂と考えられる。もちろんフェニレフリンテストではよく反応する。皮膚性の要素は伸展した分を除去するほうが理に適っているのですが、今回のケースは重瞼を上げることで機能的には、充足できるとの診断となりました。
切らない眼瞼下垂手術は埋没法の一種です。二重を糸で止めて作製すると同時に、眼瞼挙筋を結膜側から縫縮して、開瞼力を上げる手術です。黒目が露出するから黒目整形と呼んでいます。ホームページでは、NILT法として紹介しています。
今回の症例は二重を1.5mm上げました。挙筋はしっかり締めました。しかし、写真撮影時には目を細めてしまいました。Photogenicでなくて申し訳ございませんでした。患者さんにご覧いただいても、つまらないとの感想になりそうです。次回の経過中には、ちゃんと開瞼が得られている筈です。約束します。その理由を二つご説明します。
一つは、術前にフェニレフリンテストをした際によーく開いたからです。挙筋筋力の先天的な低下がなくて、後天性腱膜性眼瞼下垂を来した症例には、NILT法がよく効くことが判っています。腱膜性とは、腱膜が伸びて瞼縁に力が伝わらない状態ですが、LT法は挙筋を瞼板(瞼縁)に縫い繋げるので、確実に力が伝わる構造に改良できます。フェニレフリンテストは、目薬で一時的にミューラー筋を収縮させることで腱膜を縫い寄せたのと同じ効果を作るテスト法です。ですから、フェニレフリンテストでよく開いたなら、LT法で同じサイズまでいら期をよくできます。
もう一つ、写真がよくなかったのによく判別できる変化があります。三白眼です。術前は下眼瞼の上に白目が見えるのに、術後は下眼瞼に黒目が接しています。白目が黒目の左右と下に見えるのを、三白眼といいます。後天性腱膜性眼瞼下垂症に伴います。メカニズムのの説明は難しいのですがします。挙筋の筋力が瞼縁に伝わらない腱膜性眼瞼下垂では、眼を開くために反射的により強く収縮します。すると同時に上直筋が収縮し、眼球が上を向くのを防ぐために下直筋が反射的に収縮します。するとその前にある靭帯を介して、下眼瞼そのものが引き下げられて、三白眼を呈するのです。ハアー書き続けて疲れました。とにかく、三白眼が治ったということは後天性腱膜性眼瞼が治ったということを証明していると考えられます。
今回は説明の段階までとし、次週の画像を期待してください。