2015 . 11 . 12

黒目をもっと出したい!まぶたのカーブを綺麗に!修正手術3か月

今回3ヶ月目の結果紹介をさせて頂きます。

本症例は、これまでに何回か他院や当院で改善を計って来た患者さんですが、ゴールが高くなかなか辿り着けなかったケースで、今回思い立って治療を受けたかったそうです。

患者さんは28歳女性。他院で数年前に切開法の眼瞼下垂症手術を受けています。当院には二年前に来院され、切らない眼瞼下垂手術をいたしました。カルテ上の画像を見ていくと、ある程度の後戻りが見られました。 ここからが、私の美容的観点と技術の見せ所です。美容外科医には美容医学が必要です。まずは術前写真をご覧いただきます。

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上二図が術前の画像で、左図は第一眼位で、右図は上方視をしてもらった画像です。もちろん、眉は書いていますが(Tattooです。)、だからではなく眉を上げない様に意識しているので、近いです。上方視時にも、挙げない様にしています。これまで何度も言ってきましたが、眼瞼下垂であろうとなかろうと、少なくとも上方視では脳が反射的に信号を出し、前頭筋収縮して眉毛を挙げる様な神経回路があるのですが、意識すれば回路を断つことができるのです。珍しいケースです。

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上二図は、術前の近接像です。さて何を治したいのでしょう。よ〜く見ると。

1;開瞼に左右差があります。左図(右目)は右図(左目)に比べて上がりが少ないです。見方として、黒目(角膜)の上に被る瞼縁の高さの瞳孔中心からの距離を比べます。

2;MRD,MarginReflexDistance;辺縁反射距離という数値は、正常では3㎜以上とされています。そうして計測したら左も2,5㎜でした。

3;さらによ〜く見ると、瞼縁のカーブが、外上がりになっています。瞳孔の外縁と内縁に掛かる瞼縁の高さを比べてみると判ります。少なくとも内側の瞼縁は、直線状に目頭に繋がっています。つまり所謂吊り目なのです。原因は蒙古ひだの拘縮です。ここでZ−形成法による内眼角部の拘縮解除術の出番です。

術前診察の結果、手術法は黒目整形=切らない眼瞼下垂手術;NILT法とZ−形成法による目頭(切開)拘縮解除手術を行いました。下二図は3ヶ月後の経過画像です。

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しかしよーく見ると、何かが気になると。上記の問題点のうち、1、開瞼は左右とも挙がりました。したがってやはりまだ、左が僅かに大きいといえます。2、MRDは確実に改善しています。3、外上がりも確実に改善しています。少なくとも吊り目状態に見えません。

では、何を求めますか?。診療中まず第一に、目の開きのプラス効果をお喜びいただけました。しかし、何かまだ改善の余地があるとおっしゃいます。そこで、患者さんに教唆してもらいプランを立てました。箇条書きします。A:左眼瞼の中央が強い。B:そのため二重が狭い。C:左眼瞼の外側の開瞼が弱め。プランは左側だけの中央に、重瞼を挙げるMT法+外側にLT法の追加となりました。文字にしてから画像を見ると、はい解りましたとなります。また、画像提示をさせて頂きたいと思います。

基本的に開瞼の調節は私が手で行うのですが、実際は糸の質が影響します。そして挙筋の収縮力は、脳からの信号が動かそうとするのですが、脳の働きは左右対称ではありません。挙筋に信号が流れたら、挙筋の筋力にも個体差や左右差があります。そして、眼瞼の前葉=皮膚、眼輪筋、眼窩脂肪等も個体差があり、左右差もあります。従って、全く対称的な開瞼を作るのは至難の業です。でも希望に応じて切らない手術なら、何回でも出来ます。そこが切らない手術のメリットです。人生と似ていて、ゴールは見えないですが、努力することが生きる糧です。我々医療者も患者さんもです。