別に強化月間なのではありませんが、眼瞼下垂手術切開法=もう一つの黒目整形と眼頭切開=蒙古襞の拘縮解除術=黒目整形の併施が引き続いています。それも若年者が立て続けに来院しこの切開手術を希望されます。これはひとえに、このブログでの提示を見て、来院前に術後経過を理解されてくるから、患者さんもスケデュールを立てやすいからです。
もう一つは、本症例もそうですが、眼瞼下垂を伴う一重まぶたに対する切開法の手術は保険適用となりますが、その様な症例の多くは蒙古襞の拘縮が眼瞼下垂症の原因の一つとなっているので、眼頭切開の同時施行をお勧めするのですが、現時点では眼頭切開は自費手術となってしまいますから、症例提示の承諾の下でコストオフをすることができるので提示症例が芋づる式に続く要因となっているのです。
ですから、この手術の組み合わせは、特に形態的に機能的に経過の追跡が大事です。今回忙しくて、書けなかったので、術前、術直後、術後1週間を並べて提示します。
症例は24歳、女性。先天性一重まぶたで、先天性眼瞼下垂を伴っている。2年前に他院で埋没法を受けたが徐々に外れてきた。挙筋筋力(滑動距離)が10㎜と軽度低下。蒙古襞が強く突っ張っていて眼裂横:23mm、内眼角間距離38mmと離れている。
画像を説明します。
上左図が術前、上右図が術直後です。
手術は前回のラインを使い、幅3mmの皮膚眼輪筋切除を加えました。挙筋はLT法で縫い縮めて強化し、重瞼固定をしっかり止めました。眼窩脂肪はヘルニアしている分を焼灼資源量しました。いつものやつ、4mmのZ-形成術による眼頭切開=蒙古襞の拘縮解除術を併施しますが、切開法で切除するのでつなげて出人できるし、その結果眼瞼内側から外側まで同幅で切除できるメリットも伴います。
もちろん術直後はすでに腫脹が見られます。脂肪を触ると脂肪はよく燃えるのでやけどで腫れが強くなるのです。
下に近接画像を載せます。さらに下の術後1週間後との比較のためです。術直後は腫脹しているのはもちろんですが、それが形態と機能に影響しているのがよく判りますよね。
まずは形態として、腫れが見えるのは当然ですが、二重まぶたは線の下の皮膚が腫れると持ち上げられて広くなっています。また挙筋引き締めと重瞼固定の糸は2本ずつ掛けているのですが、下の画像のようにその2点がしっかり引き込まれて、周りが腫脹で膨らんでいるため台形みたいなラインになります。これも腫脹のためですが、術直後は強く固定してあるためでもあります。機能的には術直後は目を開こうとしない。疲れているからでもありますが、特に眼瞼挙筋が侵襲によって力を入れ難いので、直後は開こうとしないのです。術中よりも術後の方が落ちます。
さて、ご覧下さい。術後1週間で抜糸のため来院されました。まだ腫脹はピークの時と比べて50%は残っていますが、機能的にかなり開瞼が得られているのが判ります。形態的にも瞼縁のカクカクが解消し、カーブがきれいです。内側の瞼縁もちゃんと挙がっています。これは眼頭切開=蒙古襞の拘縮解除の効果でもあります。
よく眼瞼下垂の手術を受け患者で外上がりになっているのを見ますが、これにはふたつの原因があります。一つは眼瞼挙筋腱膜の内側がないまたは弱い人がかなり居ます。蒙古襞の拘縮が強い人には頻発しています。挙がりにくいから腱が伸びてしまうのか、そういう構造が蒙古襞に伴うのかは不明ですが、よく見ます。これは手術してみないと判りませんが、フェニレフリンテストで予測できます。もう一つは蒙古襞の拘縮が強いために挙筋短縮や前転やLT法で挙げられたところから眼頭に向かって直線的に落ちる形態を呈する症例があります。術前の棒でのシミュレーションで予想が着くし、本症例では眼裂横径と内眼角間距離の計測から蒙古襞の拘縮が強いのは判明していましたから、患者さんからも適応を示唆された次第です。
術後1週間の画像ではまだ腫脹あるのですが、結構可愛い目元が作り出せました。目の窓が吊り目から丸く変えられました。敢えて加えるなら、眼と眼の間がフラットなので、壁を作りたいと思います。なぜなら3次元的効果で間の距離が意識されなくなるからです。本当ですよ!離れていても近すぎていても、眼の間の距離は鼻の彫りがあれば二つに分かれるから距離が目測できなくなるのです。
まだ経過中ですが、2週間目でかなりでき挙がると思います。お楽しみに。