いきなり題名が失礼かも知れません。別に地味な人かは聴いていませんが、目元は暗いというか寂しい。眉毛を挙げているから弱々しい眠そうな目元です。術直後には腫脹と疼痛ででパッチリしていませんが、私は最終的な出来上がりの結果を知っています。間違いなく明るくきりっとした目元を作り上げました。
まずは術前と術直後の画像を提示します。
症例は、21歳、女性。先天性一重瞼。1年前に他院で埋没法重瞼術を受けたが緩んだ。ご覧の様に開瞼時には前頭筋が収縮して眉毛を挙げている。診察所見はLF、挙筋筋力(挙筋滑動距離)12mmと正常下限。眼裂横径(一重瞼者の平均25mm):25mmと平均的。角膜中心間距離(平均60mm):58mmと眼球は近いのに、内眼角間距離(一重瞼者の平均35mm):36mmと離れている。つまり蒙古襞の拘縮は強く被さっている。二重瞼なら縦横のバランスが合わない。フェニレフリンテストでよく開く。こうして診断が出来ました。一重瞼であるから、先天性皮膚性眼瞼下垂症で、筋力は下限だが二重まぶたなら弱い範囲であり、先天性筋性眼瞼下垂症を伴う。蒙古襞の拘縮が眼瞼下垂症を助長している。
予めデザインプランを立てます。ラインは前回ので7mm高と間違いはないが、皮膚は長年眉毛を挙げてきたので伸びているから、切除は最低限2.5mmは切除。挙筋はフェニレフリンテストに反応するのでLT(眼瞼結膜側から挙筋群をくくる。)で可能。吊り目なので目頭は横向きにしたい。一重瞼の標準的な蒙古襞を、二重瞼の標準的な蒙古襞に変える必要があるため、一辺4mm60度のZ-形成法による目頭切開が適応と考えた。
下に左右眼瞼の近接画像を提示します。
両側眼瞼とも、術直後の画像では腫脹して疼痛も伴うために、撮影時にパッチリ開いてもらえませんでした。この時点で判るのは、重瞼の幅は良さそうで、目頭との連続性も並行型に近く自然な形態に出来ました。ただし眉毛は挙がっていません。麻酔のためか、眼瞼下垂の改善の結果かはこの時点では不明です。目頭の向きは、術中に下向き矢印が横向き矢印になった時点で剥離を止めて、三角皮弁の先端を仮縫合(滅多にやり直しはしませんが)して確認します。横向きが好まれるようです。そして翌日も翌々日も来院して頂きました。
「48時間がヤマです。」と私は毎回言いますが、朝に翌日や翌々日の方が腫脹が亢進して内出血も増加します。但し、眉毛は挙がっていません。麻酔の影響は無くなっていますから、眼瞼下垂症の改善が効を奏した証明です。また翌々日は腫脹は亢進していますが、上左の画像の撮影後、「一生懸命開いてみてください!」とお願いして撮影したら、上右の画像ぐらいまでは開いて下さいました。「やればできるじゃない?!。私がそのように作りました。」とかお願いしておきながら偉そうに、とにかく撮らせてもらいました。
最近若年者のブログ提示が多いのはコスト面も関係しますが、見直してみれば判る様に結果が良好だからです。但し術直後に内出血していたり、ブチ腫れていたりの画像もありますよね。でも若年者は治りも早い。内出血での腫脹など翌々日には治り始めます。本症例では普通に48時間までは何もかも亢進してきました。左眼瞼の目頭切開Z-形成術の三角皮弁まで腫れて被さっています。術直後と違いますよね。でもこれからどんどん解消すると思います。
患者さんはまだ認識されていませんが、目をパッチリ開かせて、クッキリと二重を作りました。目頭切開で縦横のバランスも適切にし、目頭を横向きにして吊り目を解消しました。これは優しい目元を演出します。
とにかく二重瞼は先天性皮膚性眼瞼下垂症ですから、治すべきです。一重瞼者のほとんどの人には筋性眼瞼下垂症も伴いますから、同時に改善を図ります。形態的には一重瞼者の蒙古襞のままでは不自然な二重瞼になりますから一辺4mm60度のZ-形成法が適応します。
次回結果が見えてきたら医学的に説明します。お楽しみに!